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2021/11/27 18:20

どこが「若者向け」なの? 3000円台の電動歯ブラシ「Philips One」に込められたフィリップスの狙い

コロナ禍で電動歯ブラシの売れ行きが伸びたと言われていますが、それでも日本の普及率は先進国の中では低いほうです。そんな状況を変えるべく、フィリップス・ジャパンは電動歯ブラシ未経験者向けにお手頃価格の新製品「Philips One」を11月19日から発売しました。実売価格は3410円(税込)。このほか、強力な水流で歯間の汚れを落とす「パワーフロッサー」2製品も同時に発表しました。

 

新製品で歯磨きにイノベーションを与えたい

フィリップス・ジャパンの堤 浩幸社長によると、日本の電動歯ブラシ普及率は22%で、主要9か国平均の42%に大きく水をあけられているとのこと。

 

「日本の場合、小学校で歯ブラシを使った歯磨き講習があり、人々の中に手磨きがマインドセッティングされていることや、電動歯ブラシの価格の高さなどがネックになっていると思われます。そこで、その意識改革を目指し、手軽に手に取れて、カッコ良く、ファッショナブルに使用できるモデルを開発しました」(堤社長)

↑「Philips Oneで歯磨きにイノベーションを与えたい」と語るフィリップス・ジャパンの堤 浩幸社長

 

↑日本の電動歯ブラシ普及率は、諸外国に比べてかなり低いとのこと

 

堤社長は、新製品が歯磨きにイノベーションを与えることを期待しています。

 

「家の掃除は、一昔前はホウキを使って人力で行っていました。今では掃除機を使うのが当たり前、最近ではロボット掃除機で自動化もされている。Philips Oneは行動変化を促す要素になると思っています」(堤社長)

↑電動歯ブラシは手磨きに比べて短時間できれいに磨けます。Philips Oneの登場は、掃除機のような革命を起こすでしょうか

 

初心者もスモールステップで電動歯ブラシに移行できる

Philips Oneはフィリップスとして初の乾電池式電動歯ブラシ。単4アルカリ乾電池1本を使用しており、手で握る部分は直径16.5cmと細く、乾電池を含む質量も約37gと軽量。その分、振動回数は1分間に約1万3000ストロークと、上位モデルのソニッケアーシリーズの約3万1000ストロークに比べると劣ります。実際に使ってみると、ソニッケアーシリーズよりも振動が弱く、ソニッケアーの特徴であるブラシヘッドの高速振幅による音波水流機能もありません。

↑Philips Oneの本体サイズは高さ約202×幅165×奥行21mm、質量約27g(ブラシヘッド装着時・単4電池含まず)。ワンボタンのシンプル操作で、オン/オフのみ、モードは1つ。ブラシヘッド1本・トラベルケース・単4形アルカリ電池同梱

 

そのため、使い方は手磨きブラシに近い方法をとります。上位モデルのソニッケアーは、ブラシを歯に当てながら横に徐々にスライドさせて使いますが、Philips Oneは振動させながら手磨きブラシのように小刻みに動かして磨きます。これにより、初めての人でもスモールステップで電動歯ブラシに移行できると、フィリップスでは説明しています。

↑Philips Oneの振動数は手磨きより格段に多いのですが、ソニッケアーに比べると少ないため、手磨きのように小刻みに動かしながらブラッシングします

 

↑ブラシヘッドは歯にフィットする形にカットされています

 

10~20代をターゲットにポップなカラバリを用意

Philips Oneのターゲットは、電動歯ブラシ未経験の10代後半から20代前半のZ世代およびミレニアル世代。若い世代に楽しく毎日使ってもらうため、サンゴ/マンゴー/ミント/ミッドナイトブルーの4色のポップな本体カラーを採用しました。さらに、替えブラシの色を変えることで楽しくカスタマイズできます。替えブラシは2本組で1320円(税込)。ちなみに電池は約3か月(2分間のブラッシングを1日2回)で、ブラシの交換時期も同じ約3か月。乾電池と一緒にブラシも交換すれば、ブラシ交換を忘れることがありません。

↑若い世代のユーザーを意識してポップなカラー4色を用意(左から:ミント/サンゴ/ミッドナイトブルー/マンゴー)

 

↑替えブラシ交換の際にあえてカラーを変えることで、自分だけのカスタマイズが可能です

 

また、小さく軽くなったことで、オフィスや学校など自宅以外への持ち運びニーズも出てくると考え、Philips Oneには本体と同色のトラベルケースを付属します。このケースも約29gと軽量で、バッグの中でも邪魔になりません。また、振動が小さく音も小さいため、オフィスの給湯室や学校のトイレで使用しても周りの迷惑にはならないでしょう。同社の通常モデルより少ないとはいえ、電動歯ブラシは手磨きよりも圧倒的に多いストローク数で磨けるため、短時間でツルツルにブラッシングできるのが大きなメリット。そのうえ、Philips Oneは小型軽量で気軽に持ち歩くことができ、いつでもどこでも素早く、質の高い歯磨きができるというわけです。

↑本体と同色のトラベルケースを付属

 

歯間の汚れを強力な「X水流」で洗うフロッサーも発売

一方、フロッサー2種は、据え置き型の「ソニッケアーパワーフロッサー 3000」(実売価格1万9800円・税込)が11月中旬発売、充電式の「ソニッケアーコードレスパワーフロッサー 3000」(同1万4740円)が2022年2月の発売を予定しています。

↑左が据え置き型の「ソニッケアーパワーフロッサー 3000」で本体サイズは高さ約185×幅135×奥行90mm、質量約700g、ホースの長さ約1100mm、タンク容量550ml。右が充電式の「ソニッケアーコードレスパワーフロッサー 3000」で、本体サイズは高さ約306×幅68×奥行68mm、質量約290g、タンク容量約250ml、充電時間約8時間で約3週間使用可能(1日1回1分使用)

 

フロッサーは、歯ブラシでは除去できない歯間の汚れを強力な水流で洗い飛ばすツール。細い糸で作られたデンタルフロスの代用品といえますが、デンタルフロスは歯間を通すのに力が必要な場合があるほか、奥歯の隙間が届きにくい、力を入れすぎて歯茎を痛める、時間がかかるなどの問題があります。その点、フロッサーを使えば、短時間で手早く、確実に歯間の汚れを除去できます。また、デンタルフロスでは届かない歯の付け根、いわゆる歯周ポケットにも水流を届けて汚れを除去することが可能です。

↑加齢により歯茎が下がり、歯の隙間が大きくなると食べかすが詰まり、ブラッシングだけでは除去できなくなってきます。この汚れが歯周病の原因となるので、デンタルフロスの使用は必須。しかし、痛いし時間がかかって面倒

 

新製品は除去力をより高めるため、新たにX型の水流を発生させる「カドストリームノズル」を採用しました。細い水流が4方向に広がり、一度で歯間および歯茎の隙間にも水流を届けます。ノズルはソフトラバーを採用しているので、歯茎に押し付けても痛くなく、歯茎を傷つけにくくなっています。なお、1本の水流が噴出するスタンダードノズルも付属。

↑カドストリームノズルの採用でX型の水流を発生させ、歯と歯の隙間および歯と歯茎の隙間の汚れを一度に除去

 

据え置き型は、水流の強さを10段階に設定でき、水タンクは550mlの大容量。充電式は3段階の水流設定で水タンクは約250ml、充電はUSBケーブルで行い、充電時間は約8時間、1回の充電で約3週間の使用が可能(1日1回1分間の使用)です。フロッサーは大量の水を口中に吹き入れるため、水が飛び散ったり、口から大量の水がこぼれ落ちたりしますが、コードレスモデルは入浴中に使用できるので、洗面所が水浸しになる心配もありません。

↑水流の強さを微妙にコントロールしたい、一度の注水でクリーニングを終えたい場合は据え置き型、風呂場で入浴時にクリーニングしたい場合はコードレス型を選びましょう

 

このほか、毎分約3万1000回の高速振動で音波水流を発生させるソニッケアーシリーズのエントリーモデル「3100シリーズ」も11月中旬に発売。実売価格は6490円(税込)。

↑ソニッケアーエントリーモデルの3100シリーズも発売。ワンボタン・ワンモードのシンプル設計。本体サイズは高さ約238×幅25×奥行26mm、質量約97g。充電時間約24時間で約2週間の使用が可能(2分間のブラッシングを1日2回)

 

マスク生活はまだしばらく続きそうですが、1日マスクをしていると自分自身の口臭が気になりますよね。マスクは口呼吸になりがちで、口腔内が乾いて雑菌が繁殖することにより、口臭の要因ともなっています。気持ちよく過ごすためにも、電動歯ブラシとフロッサーを併用し、清潔で健康な口腔内を心がけたいものですね。