空調家電を主に扱ってきたバルミューダが、調理家電に参入したのは2015年のこと。約2万5000円の高級トースター「BALMUDA The Toaster」を発売して話題を集め、トースター市場活性化の火付け役となりました。その後、同社は炊飯器の発売を予告。トースターの例を見れば、同社が平凡な炊飯器を出すはずはありません。いったいどんな炊飯器を出してくるのかと期待が高まるなか、本日、ついに発表されたのが「BALMUDA The Gohan(バルミューダ ザ・ゴハン)」です。発売は2月下旬。本日1月12日よりバルミューダオンラインストアで先行予約受付を開始します。色はブラックとホワイトの2色展開で、価格は4万4820円。
火力不足を補うため蒸気の力だけで炊くことに行き着いた
「BALMUDA The Gohan」の開発期間は、約18か月。かまどや土鍋など、一般的においしいといわれるごはんは直火で炊かれるものですが、ガス火と比較して、約3分の1のエネルギーしかない電気の力で、いかにおいしく炊くかを考えて完成したのが本機です。エネルギーの使い方をイチから考え直し、蒸気の力だけで炊き上げる新しい炊飯方式を採用しました。
BALMUDA The Gohanは3合炊きで、おいしいごはんを実現するため、保温機能を省き、複雑なモード設定を無くしたシンプルな操作になっています。また、BALMUDA The Gohanで炊いたごはんは、外は張りがあり、中までふっくら炊き上げることができるとのこと。本機で炊いたごはんを実際に試食してみましたが、食感は一粒一粒がしっかりしていてやや硬め。「おかずを引き立てる味」「ほぐれの良さ」を謳うだけあって、粘りは少なめで雑味が少なく、「キレイな味わい」といった印象でした。
総じていえば、本機のシンプルなデザインと素直な味わいには好感が持てました。また、こちらのごはんは雑味が少ない硬めな食感から、油脂やねっとりしたモノとの相性がよさそうです。たとえば脂ののった鮭、上質なお肉、半熟の目玉焼きやまろやかな納豆などと合わせたら、ごはんが止まらないのだろうな、と想像しました。ただし、前回は「高級トースター」という市場を自ら作りだしたのに対し、今回は象印、タイガー、三菱、パナソニックなど、強豪ひしめく成熟した市場に参入する形。保温機能なしで3合炊きと制約も多いなか、既存メーカーにどう対抗していくのか、今後が楽しみです。