いま、おしゃれ感度の高い人から注目を集めるのが「多肉植物」。個性的な形をしていて、目を引くものがたくさんあります。ホームセンターや雑貨店などで手に入るものから、専門店などでもなかなか手に入らない珍種まで、バリエーションはとても豊富です。
今回も、園芸愛好家に向けて楽しむアイデアを提案する家庭園芸誌「花だより」に、「そもそも多肉植物って何?」という基本的な疑問から、初心者おすすめの品種までを解説してもらいました。
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本記事では、実際に手に入れたり、欲しい多肉植物を見つけたりすると気になるのが日頃のお世話の仕方。お気に入りの多肉植物を上手に育てるコツを紹介します。
まず、生育パターンを確認
多肉植物を実際に育てる上で、覚えておきたいのが「生育パターン」です。
多肉植物はもともと外国の植物。日本では生育するシーズンに合わせ、一般的に「夏型」「冬型」「春秋型」に分けて紹介されます。生育期以外は「休眠」といって、暑さ・寒さに耐えるためにほとんど活動をしません。
①夏型
春分~秋分の時期によく生育します。冬の寒い時期は休眠をします。冬に凍結しないよう、最低気温が氷点下になるような日は室内にとりこむとよいでしょう。
「夏型」の多肉植物にはアガベ、アロエ、ユーフォルビア、カランコエ、アデニウムなどがあげられます。
②冬型
秋分~春分にかけて生育します。夏は休眠をしています。休眠の時期は、雨が当たらない風通しの良い日陰に移します。暑いからと、他の植物と同じように水やりをしてしまうと腐る原因になります。
「冬型」の多肉植物には、リトープス、コノフィツムなどがあげられます。チレコドンやオトンナの一部など、冬型の塊根植物もあります。
③春秋型
春分~夏至ごろと、秋分~冬至ごろの、比較的気候がよい時期に生育します。真夏と真冬のような、暑すぎたり、寒すぎたりする時期は休眠します。
「春秋型」の多肉植物には、ハオルチア、エケベリア、クラッスラ、センペルビブム、セダムなどがあげられます。
この生育期の分け方を知っていると、どの季節にどんなお世話をすればいいのかが分かりやすくなります。生育パターンをチェックすると、はじめて見る植物でもだいたいのメンテナンスがわかります。
毎日のメンテナンスはどうするの?
多肉植物は毎日水やりをしたり、こまめに肥料をあげたりする必要はありません。なので、週末にしかお世話ができない……という人にもぴったりです。
むしろ、多肉植物は乾燥した地域の極限状態で育つので、水や肥料をたくさん与えて甘やかしすぎると、反対に傷めてしまう原因にもなってしまいます。
お世話の3つの基本①日当たり、②水やり、③肥料を知って、元気な多肉植物を育てましょう!
①日当たり
基本的に、多肉植物は日当たりのいい場所が必要です。
インドアグリーンではないので、育てる場所には注意しましょう。基本的に屋外の直接雨が当たらない軒下などで育てます。生育期は日光にあてますが、真夏は直射日光が強すぎるので、遮光ネットなどをかけてあげるとベスト。休眠期になったら、直接雨があたらない日陰に移します。
例外はハオルチア。ハオルチアは、もともと灌木の陰などで育つ植物なので、生育期でも強すぎる日光は避けます。
②水やり
生育期は週に1回くらいの水やりを目安にします。多肉植物は、水が多すぎると腐ってしまいます。鉢がとても小さい場合や猛暑のときなどは、土が乾きやすいので、こまめにチェックしてみましょう。土の色や、鉢に刺した竹串が濡れているかどうかなどで、水やりのタイミングを確認することができます。
休眠期は2週間に1回くらいが目安ですが、ほとんど水を吸い上げないので、与えすぎに気をつけます。
③土と肥料
土は植物にとって大切な要素。一般的な花の培養土ではなく、多肉植物用の培養土を使います。肥料は、じっくり効く「緩行性」といわれるタイプの肥料がよく、植え替えるときに与えるだけで十分です。あまり与えすぎると肥料やけしてしまったり、形が崩れてしまったりする原因になります。1年に1回程度、植え替えや株分けをするときに土にまぜて与えます。
毎日様子を見られればベストですが、基本的には週1回~2週間に1回の水だけでOKというとてもシンプルなメンテナンスです。忙しくても、週末に水やりをする時間がとれれば大丈夫です。お世話をするときは、葉や茎の色艶がいいか、虫などがついてないかを確認してみましょう。
次回は、こだわりの多肉植物が手に入るお店やイベントを紹介します!
写真●鈴木忍、中田悟、我妻慶一
【ギャラリー】
花だよりvol.2
発行:学研プラス
多肉植物の育て方を大特集。冬型多肉植物を中心に、基本の育て方からステップアップ栽培までていねいに解説。そのほか、球根植物、育種ビオラ、バラ、クリスマスローズなどの人気の植物の季節の作業をイラストと写真で紹介する。
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