「最近、口くさいかも!」そう感じたら実践してほしい誰でもできるデンタルケア

ink_pen 2025/10/1
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「最近、口くさいかも!」そう感じたら実践してほしい誰でもできるデンタルケア
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

年齢を重ねるうちに様々な不調が発生しやすくなるお口の中。口内環境の悪化により歯周病などが進行しやすくなり、歯を失うリスクが高まるとも言われている。今回はドルミーレデンタルオフィス表参道 院長・鹿乃さやか先生に、デンタルケアの基本の“いろ歯”を訊いてみた。

【私が解説します!】

ドルミーレデンタルオフィス表参道 院長・鹿乃さやか先生
“リラックスできる環境と精密な歯科治療”の融合をコンセプトに、2023年7月に開院。歯科麻酔や静脈内鎮静法を専門としており、歯科が苦手な人にも寄り添った治療に従事する。YouTubeチャンネル「君のための歯医者さん」で情報発信も積極的に行う。

【いろ“歯”其の1】ミドルエイジは歯周病のリスクもグッと上がる

唾液の分泌量が減って、デンタル環境が悪化しやすいお年頃……

「ミドルエイジは唾液の分泌量が減少し、口内の免疫力も落ちやすくなります。そうすると虫歯だけでなく、歯周病、口内の乾燥、口臭のリスクも上がってくるのです。特に気をつけたいのは、歯周ポケット(歯と歯茎の境目)にたまる汚れが引き起こす歯周病。歯茎や歯を支える骨を壊していき、進行すると歯を失います」(鹿乃先生)

↑歯茎に炎症が起こる「歯肉炎」は、歯周病の初期段階。歯磨き時や固いものを食べたとき、頻繁に歯茎から出血する場合は歯肉炎のサインなので、早めの対処が必要だ。

【いろ“歯”其の2】自分の歯に合った適切なブラッシングをしよう

歯磨きレッスンはキッズだけでなく、ミドルエイジにも超重要!
「歯並びや歯茎の状態は人それぞれなので、自分に合ったブラッシングを行うことが重要。しかしほとんどの方が適切に磨けていないのが現状です。ミドルエイジは歯周ポケットにアプローチするブラッシングがオススメ。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、やさしく磨きましょう。歯茎へのマッサージ効果も期待できます」(鹿乃先生)

↑歯周ポケットの中に毛先を入れる感覚で、優しく1本ずつ磨いていこう。
朝夕の歯磨きは5分ほどかけて、すべての歯を丁寧にブラッシングするように心がけてみて!

【いろ“歯”其の3】歯間と舌も清潔に保ち、唾液の分泌も促していこう

デンタル環境を整えるためには、歯だけではなく……
「じつは、歯ブラシで落とせるプラーク(歯垢)は6割程度。歯間部分は、デンタルフロスや歯間ブラシでケアする必要があります。舌ケアも大切です。食べカスや様々な細菌などから成る『舌苔』は、口臭を強めてしまいます。口内が乾燥しないように心がけつつ、1日1回専用のブラシで舌をケアしましょう」(鹿乃先生)

↑フロスは歯間に引っかけたら片方の歯に沿わせながら、ノコギリのようにゆっくりと動かしていく。
歯間ブラシは適切な太さを選ぼう。
↑口内の乾燥を防ぐためにマメに水分を取るほか、唾液腺を自分で刺激するのも◎。耳下、顎下、舌下を指で軽く圧迫するようにマッサージする。

【いろ“歯”其の4】歯に余計な負荷をかけるリスクを知り、生活改善しよう

無意識に“食いしばって”ない?
「昼は無意識の歯の接触(TCH/上下歯列接触癖)が多いので、気づいたら上下の歯を離す意識づけを行うことが大切です。夜は強い食いしばりが起こりやすく、ナイトガード(マウスピース)の使用が歯の保護に有効。いずれもストレスや睡眠の質が影響するため、生活習慣の見直しも予防には欠かせません」(鹿乃先生)

↑食いしばりを放置すると歯が擦り減り、知覚過敏の原因に。ひどい場合は、歯が割れることも。また咬筋(顎を動かす筋肉)や側頭筋などに力がかかり、頭痛や肩こりも引き起こす。

セルフケアも大事だけどプロのケアも定期的受けよう

ミドルエイジは(30代半ば〜50代半ば)まだまだ若いとはいえ、体力の低下や体の変化を感じ始めるようになる世代。“歯磨きをサボリ気味でも虫歯にならなかった”という人でも、歯が急にシミるようになったり、歯茎が腫れたり……と、口の中のトラブルを抱え始める場合が多い。実際、「歯科疾患実態調査」(令和4年)によると、35歳以上で虫歯のある人の割合は95%超える。

「口内でも加齢が進み、唾液の分泌量が減少してしまうことが、口内トラブルが起こりやすくなる大きな原因です。唾液が少なくなると虫歯だけでなく歯周病、口臭、ドライマウスなど様々な疾患を引き起こしやすくなります。また、加齢に伴い歯周病が進行し歯茎が下がってくると、汚れが溜まりやすくなり、口の中のトラブルも増えがちです」(鹿乃先生)

40代以上が歯を失う一番の原因は、歯周病だというから恐ろしい……。さらに、ミドルエイジは様々なストレスを感じやすい世代。精神的に張り詰めた状態が続いたり、ストレスによって生活や睡眠の質が悪くなったりすると、無意識のうちに歯を食いしばる癖がつき、口内に悪影響を及ぼすケースもあるという。

「食いしばり癖を続けていると歯の削れやエナメル質の咬耗により知覚過敏を引き起こすことも。歯茎が下がったり、歯に亀裂が入ったりもします」(鹿乃先生)

20代の頃よりも圧倒的にトラブルを招きやすくなっているミドルエイジのお口の中。手入れをサボったり、自己流の適当なケアを続けていたりすると、いつの間にか歯を失う事態にもなりかねない。

「これまで以上に歯磨きなどのセルフケアを頑張っていただきたいですが、ミドルエイジの皆さんには年に最低2〜3回の定期検診を強くオススメします。歯周ポケット内などお手入れが行き届きづらい部分は、定期的なプロフェッショナルケアが不可欠。歯科医院では個々に合ったブラッシングテクニックのアドバイスや自分に合った歯間ブラシの選び方・使い方などの指導も受けられます。不調がなくても、メンテナンス感覚で訪れてみてください」(鹿乃先生)

※「GetNavi」2025年9・10月号に掲載された記事を再編集したものです。

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