筆者のメインドライバーはテーラーメイドの「M GLOIRE(エム グローレ)」です。日本人のために日本人が開発した日本規格のドライバーで、誰が打っても上がる・つかまる・飛ぶ、やさしいドライバーとして、2018年の発売時には11週連続でトップセールスを記録した人気モデル。そのグローレシリーズがさらに進化した「SIM GLOIRE(シム グローレ)」が2020年10月に発売されました。今回、新製品を試打することができたので、その感想とともに進化のポイントをレポートします。
筆者は昨年、Mグローレに乗り換えましたが、それまで使っていたドライバーも初心者向けの優しいモデルだったため、大きな違いは感じられませんでした。左右に大きなバラケはなく、安定して真っ直ぐは飛ぶものの、飛距離に大きな変化はなく、キャリーで175ヤード、ランで200ヤードくらい。ところが、以前レポートしたように、「テーラーメイド銀座店」でのクラブフィッティング体験の際にグローバルモデルの「SIM MAX-D」を試したところ、キャリーで195ヤード、ランで約220ヤードを出すことに成功。SIMドライバーの性能に驚愕したものです。ただ、「SIM MAX-D」はグローバルモデルで中上級者向けのため、初心者の筆者にはとっては安定性に欠け、クラブに振られているという感覚が残りました。
新製品のSIMグローレはその名の通り、グローレシリーズとSIMシリーズの良さを合体させた、まさに理想のドライバー。やさしさはそのままに、より“飛ぶ”仕様になっています。
風を切ってヘッドスピードを上げる
まずは、SIMドライバーの代名詞である「イナーシャジェネレーター」をグローレシリーズに初めて搭載しました。ダウンスイングからインパクトにかけての最もクラブが加速する局面において、クラブフェースにぶつかる空気を後方に整えて流すことで、クラブの加速を止めない仕組みです。SIMドライバーではソールに流線型のウエイトを取り付けましたが、SIMグローレはボールのつかまりをよくするためにソールのヒール側にウエイトを寄せ、ソール側と段差を設けることで風の流れを整えています。このウエイト「イナーシャジェネレーター」を取り付けることで重心を低い位置に維持でき、ボールを上げることができます。また、「イナーシャジェネレーター」により低重心が確保できるため、クラブのソールを持ち上げてより空気抵抗が少ない流線型に近づけることができました。これらによりヘッドスピードの向上が図れます。
次に、弾道を整える機能です。いわゆる、つかまる機能。クラブヘッドのヒール寄りに23.5gのドローバイアスウエイト、バックウエイトも23.5gと合計47gのウエイトにより、大きめの重心角30度を実現しました。これによりヘッドの返りがよくなり、ボールがつかまるのです。スライスに悩むビギナーに最適です。