【きだてたく文房具レビュー】ビジネスマンが待ちに待った極太フリクション
“こすると字が消える”ボールペンと言えば、パイロットの「フリクションボール」。その“ノック”タイプとして、発売から10年の間に、もはや知らない人はいないレベルで普及したのが「フリクションボールノック」だ。もはやこれでないと仕事が出来ない、というほどに依存している人も多いのではないだろうか。
そのフリクションボールノックが、つい先日、新製品を出してきた。しかも、一部のユーザーが待ち望んでいたタイプのものということで、その登場に文房具好きが軽くザワついているのだ。
ということで今回は、そのフリクション待望の新アイテムを紹介したい。
ごんぶと! フリクションボール最太1.0
この4月に発売されたばかりのフリクションシリーズ最新版が、「フリクションボールノック 1.0」……つまり、ボール径1㎜のがっつり太字タイプである。
日本でいちばん普通に使われているボール径が細字の0.5㎜ということで、描線を比べてみるとまぁ確かに太い。筆者は基本的に0.38㎜の極細字を愛用しているもので、こういう機会に1.0㎜を使うと、その差にギョッとするぐらい。
漢字という面積当たりの情報密度が高い文字を使う日本では、先にも書いたとおり細字が好まれるのは道理。それでも太字でガシガシと書き殴りたいという需要は、多い……と言わないまでも存在する。
実際のところ、なにか適当に思いついたことを大きめのノートにフリクションボールノック1.0でガシガシと書いて、直したいところはザクザク消す、という使い方はかなり快適だ。細字で手帳などに書き込んだ内容を細かく修正する、というのがこれまでのフリクションの主な使い道だったはずだが、ここまでの太字が消せるとなると、また違う使い方が見えてくる。
さらに、ここ数年で中高生がノートを取るのにボールペンを使うケースが徐々に増えているようで、そういう時に欲しくなるのが、強調文字を書くための太字なのである。
0.5㎜では目立たせ具合が物足りないアンダーラインや線囲いなんかも、1.0㎜ならハッキリと目に付くようになる。
ただし、問題もなくはない。
フリクションのインクは、“摩擦などで60度以上の熱を加えると透明化する”という特性を持っている。つまり消え去ってしまうのではなく、単にインクが透明になって見えなくなるだけなのだ。だから、0.5mmだとあまり気にならなかったのに、1.0mmの描線は透明化してもなんとなく消した跡が見えてしまうのである。
とはいえこればかりは個人の感覚なので、この消し跡が気になるという人もいれば、大丈夫という人もいるだろう。
ともあれ「フリクションの太字を待ち望んでいた!」という人であれば、ひとまずは飛びついて試してみてもいいのではないか。