本革製のリングバインダーを軸に、手帳・リフィル・ツール類を展開する文房具ブランド、「PLOTTER(プロッター)」。その旗艦店が、2025年9月23日にオープンした。記念すべき開店日にこの日を選んだのにも理由があるようで……。
念願だった旗艦店オープン
「PLOTTERが産声を上げたのは、2017年9月23日。それから満8年となる今年のブランド誕生日に旗艦店『PLOTTER TOKYO』がオープンします」。そう語る、PLOTTERブランドディレクターの斎藤崇之さんの表情は、どこか誇らしげ、そして楽しげだ。

PLOTTERは、“クリエイティブワークを楽しむための文房具”“書くことを誘う文房具”“書きたくなる手帳”などと評され、日本に加え、2021年にはアメリカ、台湾でも展開をスタートしている。

それが初の旗艦店を出店、というのだから、ブランドを展開するデザインフィルとしても力が入った内容であるはず! と、期待に胸を膨らませたゲットナビウェブ取材班一同、ドアをノックした次第である。
「社名のデザインフィルとは、デザインとフィルハーモニーからの造語で、デザインや文具にまつわる様々な要素を調和させて社会に響かせたいという願いが込められています。昨今、あらゆる分野においてデジタル化が進んでいますが、アナログもまた深化、発展しており、アナログだけがもつ豊かな時間を楽しむ方も増えています。ですからブランド旗艦店であるPLOTTER TOKYOのオープンは、まさに念願だったのです」
とコメントを発するのは、2025年7月にデザインフィル代表取締役社長に就任したばかりの会田ゆりさん。PLOTTER TOKYO同様、お人柄にフレッシュさがにじむ。

それは2冊のレザーバインダーを立てかけた姿
ブランドの飛躍を期した9年目のビッグニュースと言うべきPLOTTER TOKYOのオープンだが、建築そのものがもつ個性にも目を向けずにはいられない。

建築設計は、気鋭の建築家、北川原温(きたがわらあつし)さんとアンヘル・エステベスさんの手による。PLOTTER TOKYOのプランが動き出したのはおよそ2年半前だというが、その後、ブランドディレクターの斎藤さんと北川原さんを中心にミーティングを重ね、導き出されたコンセプトが「EMBRACE/エンブレイス~二つの要素が共鳴し合う~」だった。
つつみこむ、だきしめるといった意味をもつ「EMBRACE」だが、つまりこれにはふたつの何かが存在しているということ。アナログとデジタル。革と金属。モノトーンとカラフル。伝統と革新……。異なる要素がコントラストをなし、新たなクリエイションが生まれる場でありたい、そんな願いが造形に込められているのだ。

「EMBRACE」というコンセプトは、建物そのものにも表れている。尖ったふたつの建築が寄り添ったかのようなフォルム……これは2冊のレザーバインダーを立てかけた姿だという。
文房具好き・手帳好き・革好きにはたまらない店内
店舗の中を見てみよう。3層構造となっており、1階はPLOTTERの全ラインナップがズラリ。
2階は、PLOTTER TOKYOだけで手に入るリミテッドエディションを始め、PLOTTERらしいクリエイティブワークをインテリアに落とし込んだ、メインルームというべき場。

そして3階、いや2.5階と言うべきが「創造と手仕事が交差する実験室」だ。

斎藤さんは「ここは私の仕事場をそのまま持ってきたようなスペースで(笑)、将来的にはアフターメンテナンス(革の手入れなど)や、イベント時だけのカスタマイズなどを実施したいと考えています」と、ニヤリ。この場の活用についての妄想特急はすでに出発進行している模様だ。
斎藤さんご自身、当面の間は「できるだけ多くの時間をここで過ごすつもり」と言うから、PLOTTERファンならぜひ足を運び、斎藤さん(=ブランドの生みの親)に、あなたのPLOTTER愛を伝えるのもいいだろう。

「書くことを楽しみたい人へ」
どんな方たちがPLOTTERを愛してくれているのだろう?
「日本、アメリカ、台湾、それぞれに熱心なユーザーがいます。画一的なユーザー像はありませんが、敢えて共通点を挙げるなら、クリエイションを楽しむ方、その発想を手で書いて具現化しようとする方々でしょうか」(会田社長)

間もなく手帳選びのハイシーズンである。来年も使い慣れたあの手帳を買おう、そう考えている人は多いだろう。しかし「日々使う~日々持ち歩く」手帳だからこそ、あえて変えてみる。変えることで気分が一新され、また「PLOTTER」のような“書くことを誘う手帳”であればなおのこと、新しい発見につながることもある。
シンプルで機能的。エージングによる変化も楽しめる「PLOTTER」で、あなただけの手帳を育ててみないか。「PLOTTER TOKYO」はそんな「書くことを楽しみたい人」が踏み込むべき、“手書きの迷宮”なのである。

PLOTTER TOKYO
住所:東京都渋谷区神宮前3-29-3
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日 ※祝日は営業