文房具総選挙の選者3人が放談!「2026年文房具のトレンドとヒット予測」

文房具総選挙の選者3人が放談!「2026年文房具のトレンドとヒット予測」
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

「文房具総選挙」選考メンバーが2026年の文房具トレンドを徹底予測!

放送作家/ライター・古川 耕さん
GetNaviにて筆記具を紹介するコラム「手書きをめぐる冒険」を連載。「OKB(お気に入りボールペン)48総選挙」の総合プロデューサーも務める。

文房具ライター・きだてたくさん
機能系からイロモノまで、あらゆる文房具を対象に取材し、執筆。愛ゆえの苦言も含んだディープなレビューにはファンも多い。GetNavi webにて連載中。

文具ソムリエール・菅 未里さん
メディア出演や文房具の商品監修で活躍。文房具売り場勤務の経験に裏打ちされた知識による、ユーザー目線の提案が得意。GetNavi webにて連載中。

貼るだけだから特別な技術は不要。達成感を得られてメンタルケアにも。── 菅さん

古川 昨今手帳市場が伸びているようですが、手帳やライフログブームはまだ続きそうですね。
 
きだて 1日1ページ手帳など、たっぷり書き込める手帳は依然として人気ですが、あの紙面を埋めるのには、実はものすごい労力が必要ですよね。

 それが辛いから手帳用のスタンプやシールで埋めるという人も多いみたいですよ。

古川 手書きは大変、でも手帳は使いたいって、よくよく考えると不思議な心理ですよね。

きだて 予定菅理とか実務的な部分はさておき、今日のできごとを書き出すことがメンタルケアになるという側面はありますね。

 最近のシールブームも、手帳を埋めたい欲求やメンタルケアとつながっている気がします。貼るだけだから特別な技術はいらないし、ページが埋まることで達成感も得られます。

古川 今や定番となった連絡ツールのLINEですが、あれによってスタンプで気持ちを表現するという所作が僕らの身体に染みついた気がします。だから手帳でも自然と気持ちをスタンプやシールで記録するのかもしれないですね。

きだて そう考えると、白い紙面がドーンとあるタイプの手帳が人気なのもわかるな。「記録+大人のシール帳」って感じで。

古川 もしかしたらシールが貼りやすい紙面とか、そういう方向に進化するかもしれませんね。

【KEYWORD 1】手帳でメンタルケア

1日2ページ書き込んで日々の記録をたっぷり残す

ミドリ
hibino
5170円(メーカー小売規模価格)


インクが裏抜けしにくいお手軽スタンプがライフログをサポート

シヤチハタ
nototo dater(左)
1430円
nototo join(右)
968円

面白いギミックで差別化したフラットペンケースが増えそう。── きだてさん

きだて ありそうですね。そして僕が来年注目しているのは、「フラット型のペンケース」です。長らく続いた「自立型ペンケース」ブームが落ち着いて、今、店頭に商品が増えているなと。

 キてますよね、開くとペントレーになるタイプ。編み物道具を入れるケースとして、「ペンケース〈パンケース〉」も人気です。

きだて 薄いからカバンに入れやすいし、社内で移動するときもノートPCとセットで抱えやすいのが魅力。

古川 たしかに片手でまとめてつかめるのは便利ですよね。

きだて 容量こそ少ないけれど、中身の閲覧性という点でもめちゃくちゃ優秀なんですよ。

古川 自立型ペンケースって、省スペースで使えるのは大きなメリットだけど、小物が底のほうに入ちゃって取り出しにくいのが難点でしたからね。

きだて あと、在宅ワークで机が狭かったり、フリーアドレスオフィスで机がなかったりする状況では便利なんだけど、今は固定机のオフィスに回帰しつつあって、ペンケースを置くスペースが確保しやすくなってるんだよね。まだトレー型に開くシンプルなものがほとんどだけど、今後はユニークなギミックで差別化した商品が増えるかも。

 その点、「トレイルペンケース」は面白いですよね。

【KEYWORD 2】フラットなペンケース

スッキリ持ち運べてアイテムも一覧できる

コクヨ
ペンケース〈パンケース〉
1650円

卓上ではペントレーに変身!カバンの隙間に入る薄型タイプ

レイメイ藤井
トレイルペンケース
1760円

きだて トレイ構造にメモ帳専用ポケットが付いてるやつね。薄型という形を活かしたいいアイデアだと思います。もうひとつ注目しているのは、’24年末ぐらいから今年にかけてルーズリーフバインダーの進化系がたくさん発売されたこと。「ラセーノ」や「フラリーフ」など、リング部分を工夫して背の厚みを極限まで減らしたものが多かった!

古川 僕らが学生の頃に使っていたバインダーって、やたらと分厚くてガッチリしてましたよね。対して今はスリムさ重視。どれもリングノートぐらいの気軽さで使える印象です。

きだて 「キャンパス ノートのように使えるバインダー」シリーズもスリム。さらには今までなかったA7サイズも登場しました。

 ルーズリーフって基本はB5サイズなんですけど、社会人の間でA5が人気になって。で、さらに小さくなったA7も今すごく売れているんだそうです。

きだて 僕もメモ帳代わりに持ち歩いているけど、家に帰ってからメインとして使っているA5のルーズリーフノートに綴じ直せるのが、すごく便利。

 あとは、デザインの選択肢も増えましたよね。今までは学生向けの原色のものが多かったけれど、落ち着いたカラーや、合皮表紙のものが出てきて。「ユアンスバインダー」が出たときは、ようやく大人の自分が違和感なく持てるバインダーが出たって嬉しかったです。今後さらに増えていくんじゃないでしょうか。

きだて 「大人が仕事ノートとして使える」という方向性でルーズリーフが再評価されていますね。

【KEYWORD 3】ルーズリーフ再評価

大人も使いやすいニュアンスカラーのバインダーシリーズ

マルマン
ユアンスバインダー
1540円(ミニ)、1760円(A5)、1870円(B5)

引っ張るだけでリングが外れる差し替え式ノート

キングジム
ラセーノ
583円(A5サイズ)
605円(B5サイズ)

移動中やスキマ時間にサッと取り出せる片手サイズ

コクヨ
キャンパス ノートのように使えるバインダー A7
462円

超薄型綴じ具なのにルーズリーフを最大50枚も収納

ナカバヤシ
フラリーフ
715円

付加価値を加えながら価格を上げ納得して買ってもらえる時代に── 古川さん

古川 僕が注目しているのは、「中高価格帯筆記具」です。価格帯の感覚は人それぞれですが、ざっくり1000円から1万円ぐらいの筆記具が活況を呈するんじゃないかなと。

きだて 今、万年筆なんかは特に値上がりが激しいですが、それ以外のペンも全体的に価格が上がっている印象ですね。

古川 今まで300円や500円だった商品が、コスト的に価格を維持できなくなってきていますよね。そのときに、単に値上げするのではなく、「だったらユーザーに納得してもらえるような付加価値を付けたうえで、価格を上げよう」っていう流れになると思うんです。もともと日本の筆記具って性能に対して価格が低すぎたから、反発も起きにくいだろうし。この動きは今後より顕著になっていくんじゃないかな。例えばセーラー万年筆の「TUZU」に最近、金属のような光沢感がある加飾タイプ「フォージ」シリーズが出ましたよね。あれなんかも、こうした流れのなかに置いてたみたほうが理解しやすいと思っています。

きだて 三菱鉛筆の「クルトガ」も、ウッドグリップのモデルが出て、人気ですしね。

 「高額商品には高いなりの理由」があるということを、ユーザーがちゃんと理解する時代になってきましたよね。

きだて うん、リテラシーというか、解像度がだいぶ高まったよね。

 「KOKUYO WP」シリーズも高級筆記具としてすっかり定着したし。ただその一方で、200円前後の低価格帯商品は、「100均でいいや」になってしまっている気もします。だから価格帯は二極化しそう。

古川 たしかに。今後はジワジワと中価格化&「100均でいいや勢」とで棲み分けが進むのかも。

【KEYWORD 4】中高価格帯筆記具

「書く」ことに夢中になれる心地良い筆記感

コクヨ
KOKUYO WP
4840円(メーカー小売規模価格)

芯が“トガ”り続けるシャープペンに木の温もりをプラス

三菱鉛筆
クルトガ ウッド
3850円

ペン先の向きを調整できる万年筆のハイエンドモデル

セーラー万年筆
TUZU アジャスト フォージ 万年筆
9900円

 私が注目しているのは、大人の学びを効率化する文房具。リスキリングなどの話題を耳にする機会が増えたことで、大人も使える勉強グッズに注目が集まっていて、この流れは来年以降も続く気がします。

きだて ペンやノートもそうだけど、勉強環境を整える系もありますよね。雑音を遮音する学習用の耳栓とか。あとここしばらく学習タイマーが人気ですが、大人もかなり買ってるみたい。

 私、「スマホがあればいらないでしょ?」って思ってたんですよ。でも使ってみたら、やっぱり専用ツールはあった方がいいなって思いました。スマホだと通知が気になって、集中力が削がれるんですよ。

きだて 最近の学習タイマーは集中するためのノウハウが組み込まれているので、使う価値はありますよ。結局、学生に便利なものは大人にとっても便利。そういう意味でも、勉強環境を整えていくツールは今後も注目が高まっていくでしょうね。

【KEYWORD 5】大人の勉強サポート文房具

“無音と雑音の間”を生む適度な遮音で集中をサポート!

ソニック
集中耳栓EX ケース付 シリコンタイプ
1320円

試験時間のペース配分を見直すヒントにも

ソニック
時っ感タイマー ペースメイク ラップ機能付スタディタイマー
3960円(メーカー小売規模価格)

※「GetNavi」2026年2-3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
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