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2018/3/30 20:30

最新の北欧デザインはこうして作られる――ボルボ・チーフデザイナーが考える「XC40」と新しい小型車のカタチ

新型XC90/60シリーズに引き続き、待望のコンパクトSUVとして日本での発売が開始されたXC40シリーズ。小型専用のモジュールアーキテクチャーである「CMA」を採用し、同社のコンパクトセグメントの先駆けとして、大きな期待が寄せられています。そのタイミングに合わせてエクステリアデザイン部門のチーフであり、バイスプレジデントでもあるマクシミリアン・ミッソーニ氏が来日。このチャンスを生かすべく、XC40のデザインについて直撃インタビューを慣行。Q&A形式で紹介していきます。

PROFILE

マクシミリアン・ミッソーニ(Maximilian Missoni)

1979年生まれ、オーストリア出身。フォルクスワーゲン・エクステリアデザイナーを経て、2012年にボルボ・カーズ入社。エクステリアデザイン部門のチーフに就任し、2014年よりボルボ・カー・グループのエクステリアデザイン部門バイスプレジデントを務める。現在、開発中のすべてのボルボ、およびポールスターのエクステリアデザインにおける統括業務を担当。

 

 

世界に通用するグローバルデザインを具現化

 

Q:XC40は日本の道路事情にマッチしたサイズですが、アジア市場を狙っているのでしょうか?

 

A:アジア圏での販売は重要な条件ですが、XC40はグローバルな視点で作られています。ボルボはスウェーデン、アメリカ、中国の3か国にデザインスタジオを設立し、どの地域にもマッチするデザインを追求しています。その新提案がXC40であり、どの国でも認められるデザインこそがグローバルデザインの魅力であり、同車の存在意義を高めるファクターになっているのです。オキサイトレッドなどの大胆なボディカラーをラインナップしているので、日本の街並みにもマッチすると思います。

 

 

イメージした動物は生意気なブルドッグ

 

 

Q:なぜ、大成功を収めたXC90シリーズのデザインを踏襲せず、新たなデザインに挑戦したのでしょうか?

 

A:先に発売されたXC90シリーズは優雅で精悍なデザインが大きな魅力ですが、XC40はXC90/60とは違ったキャラクターを持っているのが特徴です。世界中で100を越えるアワードを獲得しているXC90のデザインを踏襲し、新たなデザインに挑戦しないという選択肢もありましたが、それでは意味がありません。ボルボの考え方はとてもシンプルです。ブランドとしてのアイデンティティは必要ですが、コンパクトなセグメントならではの「若さ」と「挑戦的なイメージ」で勝負することに意味がある。

XC90/60のスケールダウンではダメ。XC40ならではの個性を表現することにこだわりました。XC90の場合、フロントフェイスのモチーフにライオンを選びましたが、そのまま小さくしてしまうと猫になってしまう。そこで、XC40にはブルドッグをセレクトし、ちょっぴり生意気な造形を表現しています。

 

 

ボルボらしい2つのデザインを大切にしている

Q:日本人が持つボルボのイメージはスクエアな四角いイメージですが、エクステリアデザインにボルボらしい伝統は残されているのでしょうか?

 

A:ボルボらしいデザインとして2つの時代からインスピレーションを得ています。1960~1970年代に登場したP1800やP1800SEの優雅なデザインは素晴らしいですね。エレガントで流れるようなラインは現在の新型モデルにも生かされ、流れるようなルーフラインを見てもらえれば理解してもらえると思います。また、1980~1990年代のボクシーなデザインはボルボのアイコンとも呼べる大切なもの。現在のボルボは両時代の良い部分をブレンドしているといっても良いと思います。ただし、レトロな懐古主義に頼り過ぎるのではなく、常に新しいデザインを生み出すことが重要なのです。

 

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