ネガティブな要素は見当たらず、すべてが快適!
インテリアは、水平基調のデザインでバランスがよく、乗員を安心させてくれる心地よさがある。質感はそれほど高いとは言えないが、決して低くはない。なにより使い勝手がよく、使用感がいい。なお、外から見るとそれなりに大きさを感じたが、実際に車内へ乗り込んでみると、車体はそれほど大きく感じられず、運転しやすい。
前席はそれなりに広くて窮屈さはない。シートは立派な仕立てで身体を包み込むような形状をしている。後席はもう少し前後長があれば足もとも快適だが、同クラスのSUVでは広いほうである。リクライニング機構が付いているのは、腰が痛くなりがちな筆者のような中年世代にはありがたい(笑)。
全幅が広めなこともあってか、走りはずっしり安定していて、重心の低さと全体のバランスの良さを感じさせるが、この走りの安心感はミドルサイズモデルにしては珍しい。今回の試乗車が18インチタイヤ装着グレードだったためか、多少路面のデコボコを拾うような感覚もあるが、うまく足まわり(サスペンション)で処理してくれて、乗員に嫌な印象は与えない。今回は高速走行も試してみたが、高速巡航時の安定感も高めで、背の高いSUVらしからぬ安定感があった。
ラインナップされるパワーユニットは、今回試乗した1.8Lエンジンベースのハイブリッドモデルと同じく1.8Lエンジンのガソリンエンジンモデル。ハイブリッドモデルには4WDの設定もある。ガソリンエンジンモデルと比べて多少高額だが、販売の主流はやはりハイブリッドモデルとなっているようだ。
ある意味、日本の中心だった「カローラ」のど真ん中。ネガティブな要素は見当たらず、すべてが快適で扱いやすく、乗員を困らせるようなことがない。車格と装備内容を考えてみれば、コストパフォーマンスも高い。いろいろと「クセが強い!」時代だが、それが苦手な人にはぴったりのモデルだ。
SPEC【ハイブリッドZ(2WD)】●全長×全幅×全高:4490×1825×1620㎜●車両重量:1410㎏●パワーユニット:1797cc直列4気筒エンジン+電気モーター●エンジン最高出力:98PS(72kW)/5200rpm[モーター:フロント72PS/リヤ7.2PS]●エンジン最大トルク:142Nm/3600rpm[モーター:フロント163Nm/リヤ55Nm]●WLTCモード燃費:26.2㎞/L
撮影/茂呂幸正 文/安藤修也
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】