「電気自動車は寒さに弱い」と指摘されています。これは、気温が極端に下がるとバッテリーの充電性能が落ちる一方、電力の使用量が多くなって航続距離が短くなるためです。
しかし、中国の新興企業であるGreater Bay Technology(GBT)がこの弱点を克服し、寒冷地でも通常の速度で充電できる新型バッテリーを開発したようです。
GBTの共同創業者で会長のHuang Xiangdong氏は、米Bloombergの記事で、同社の最新バッテリー「Phoenix」は超伝導材料を使い熱管理をすることで、わずか5分でマイナス20度から25度(摂氏)まで加熱でき、「あらゆる気象条件で6分以内に」充電できると述べています。
このPhoenixバッテリーはEVの充電時間ばかりか、ほかの問題にも対応しているそうで、同氏は「暑い日でも寒い日でも、航続距離には影響しません」と主張。
冬場や寒い地方で充電されにくくなることは、EVバッテリーにとって難問となっています。例えば、スウェーデンの高級EVメーカー・ポールスターや米GMなどは、ヒートポンプを追加して解決を図っている一方、ドイツの大手自動車部品メーカーZFは、車内の暖房に使う電力を減らすため「ヒートベルト」を開発しています。
航続距離が1000kmとされる新型Phoenixバッテリーは、中国のEV専門ブランド大手であるAIONのEVに搭載され、2024年に一般発売される予定。GBTは他の自動車メーカーとも協議中と伝えられています。
実際にこのバッテリーが採用されたEVが登場し、性能が検証されるまで信ぴょう性は不明ですが、もし本当であれば、寒い地方でEVが普及するきっかけとなるかもしれません。