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2024/4/5 21:00

外国人観光客から熱視線の聖地「大黒PA」。しかしマナー問題が大きな課題に

“日本の自動車文化の聖地”として知られ、関東各地から熱狂的なドライバーたちが集う神奈川県横浜市鶴見区の首都高速「大黒パーキングエリア(以下、大黒PA)」。大黒PAは、日本の旧車やカスタムカーに熱中するクルマ好き日本人や外国人観光客が集まる側面もあるのですが、そこが今新たな注目を浴びています。

 

独自の雰囲気とクルマの多様性から外国人を魅了

大黒PAは日本国内から集まるクラシックカーやチューニングカー、カスタムカー愛好者が、自らの愛車を誇示し、交流する場として利用されています。首都高速道路を背景に、様々な車種やスタイルが一堂に会する様子は、クルマ好きたちにとってまさに夢のような空間と言えるでしょう。

 

そもそも大黒PAが、クルマ好きたちの集まる場所となったのは1990年代前半から。東京方面、神奈川方面、千葉方面からアクセスしやすく、駐車できる台数も多いなどの理由から、週末、関東各地のクルマ好きが集まる場所となったのです。今では、同じジャンルのオーナー同士がリアルな情報交換をする場となり、その人気はソーシャルメディアを通じてさらに広がり、世界中のクルマ愛好者たちが共有し合っています。

 

海外では古い国産車スポーツカーをカスタムしたスタイルを「JDM(Japan Domestic Market)」と呼び、絶大な人気を誇っています。その人気は、カーアクション映画「ワイルド・スピード」シリーズなどにも登場するほど。インスタグラムの「#JDM」(Japan Domestic Market)のハッシュタグ件数は3500万件以上で、高い注目を浴びています。

 

実際に大黒PAでは、普段は滅多に見られない「ケンメリ GT-R」や「ダットサン 240Z」、「70系スープラ」、漫画&アニメ「頭文字(イニシャル)D」で知られる「AE86」といった多くの稀少モデルを見ることができます。ほかにも「西部警察」仕様にドレスアップした「スカイライン RSターボ」の姿も。もちろん前述のワイルド・スピードなどに登場する車両を忠実に再現したカスタムカーに遭遇することもあり、JDMのほかにはイタリアやドイツ、アメリカ、イギリスなどの本国でも滅多に目にすることのないハイパフォーマンスモデルも多数見られます。

 

そんな日本独自のクルマやチューニングカー、カスタムカーカルチャーと実際に触れるため、クルマ好きの外国人観光客がわざわざ大黒PAまで訪れているのですね。ちなみにインスタグラムでは「#daikoku」というハッシュタグだけで8万件近くの投稿があります。もちろん全ての投稿が、外国人観光客が大黒PAで撮影した写真という訳ではありません。しかし、それだけ多くの人々が訪れていて、さらにその投稿に興味を持っていると言えるでしょう。

 

海外から注目を集めるのは大変喜ばしいことです。立派な観光資源と言っても過言ではありません。しかし残念ながら、そのことでいくつかの問題も起こっています。

 

例えば大黒PAはクルマでしか入ることができないため、外国人観光客たちは徒歩で近くまで行き、外壁の柵をよじ登って侵入するケースが発生しています。クルマがないので白タクシーで乗り付ける、または通常のタクシーで乗り付けたは良いが、閉鎖によって帰りのタクシーを呼べなくなってしまう、といった光景が増えています(閉鎖については後述)。そして外国人観光客は家族連れで訪れているケースも多いため、小さな子ども達が駐車スペースで走り回る姿も見られます。クルマの往来が増える夜間では、ドライバーからは足元が大変見えにくく、事故などのトラブルも起こりかねません。

 

大黒PA内でのマナー向上が大切

大黒PAでは、週末や祝日前夜の20時30分、あるいは21時から数時間にわたって閉鎖されてしまうことも度々あります。これは、大きな騒音をたてて集会などが行われたり、チューニングカーやスーパーカーが大型車スペースに侵入したり、PA内を周回したりなどの迷惑行為によって、一般利用者が困る状況になるのを防ぐことが主な目的となっています。大黒PAは基本的に休憩施設なので、そういった状況が続いて快適な休憩が妨げられるなら、さらに厳しい規制がかかるかもしれません。

 

これは外国人観光客に限った話ではありませんが、大黒PAの快適なひと時や、観光資源としての価値を守るため、空ぶかしや大挙しての集会、ゴミのポイ捨て、路上喫煙、立ちションと言った迷惑行為は止めるなど、利用する際のマナーを深めて行くことが大切ですね。

 

 

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