ワールド
2025/6/17 11:00

右手を失った娘のために。「片手用キーボード」が父の願いをかなえた

パソコンのキーボードは両手で使うことを前提で設計されていて、ケガなどの理由で片手のみで動かす人にとっては、とても使いにくいもの。そんな人に向けて開発されたのが、マウスもキーボードも片手で動かせる「片手用キーボード」です。

↑HTXが開発した片手用キーボード(画像提供/HTX Studio/YouTube)。

 

このキーボードを作ったのは、中国のHTXスタジオ。事故で右手を失った娘をもつ、ある父親からのリクエストで開発が始まりました。彼らが目指したのは、簡素化されたキーボードではなく、コンパクトながらもきちんと使いこなせるキーがレイアウトされているもの。

 

その結果、手のひらをキーボードの上に置いたときに、自然に指が届くように扇形にキーを配置。一般的なキーボードと同じくQWERTY配列で、61のキーをレイアウトしました。さらに親指にあたる部分には、マウスの代わりにトラックボールがあり、親指でトラックボールをなでるように転がすことで画面のスクロールもできます。

 

手が小さな人向けのコンパクトサイズと、やや大きめの人向けのサイズが用意されていると同時に、左右のレイアウトが反転されたタイプもあり、右手だけを使いたい人と左手だけを使いたい人それぞれのニーズに合わせて選ぶことができます。

 

そして、この片手用キーボードの素晴らしいところは、同社がこのデザインをオープンソースで公開していること。両手でのパソコン操作が難しい人が、もっと快適にパソコンを使いこなせるように、みんなでよりよいものを作れるようにオープンにされているのです。

 

もしかしたら、両手使いの人にとっても需要があるかもしれない、このデザイン。片手用キーボードが世界で当たり前に使われるようになっていくといいですね。

 

【主な参考記事】

Yanko Design. Open Source One-Handed Keyboard Blends QWERTY and Mouse for True Accessibility. June 7 2025

 

※この記事は本サイト(GetNavi web)でご覧になるとアフィリエイト広告が掲載されています。リンクから商品を購⼊すると、売上の⼀部が販売プラットフォームからGetNavi webに還元されることがあります。 ※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。