ワールド
2023/7/14 19:30

「店内で見るだけで5ユーロ」観光客に困ったバルセロナの酒店が苦肉の策

観光地はもちろん、珍しい景観の場所や絵になるスポットを訪れたら、スマホで写真を撮る方はきっと多いでしょう。でもそんなフォトジェニックな場所が店の中だったら、そのお店は迷惑と感じているかもしれません……。

↑記念写真だけなら770円

 

多くの観光客が訪れるスペインのある酒店が、自撮り客予防のためにお金を徴収するという苦肉の策を講じているそうです。

 

この酒店はバルセロナにあります。歴史を感じる古い建物の一画にある店で、高給ワインがずらりと並べられ、ワインのお供になるチーズや肉類なども販売しているそうです。1898年創業の老舗店で、重厚な趣のある店内にはカウンターや家具もあり、確かにおしゃれです。

 

そんな同店では、商品を買うつもりもないのに、店内を眺めるためだけに入って来る観光客が多いのだとか。十分な広さのある店なら問題はないのかもしれませんが、そうでないお店なら、本当に「ワインやチーズをゆっくり選びたい」と思っている客に迷惑をかけてしまいます。

 

そこでこの店では、こんな風に書いた1枚の貼り紙を掲示したのです。

 

「店に入って見るだけでも、1人5ユーロかかります。ご理解のほどよろしくお願いいたします」

 

商品を購入しないのに店に入ったり自撮りする方には、5ユーロ(約770円※)を徴収することにしたのです。

※1ユーロ=約154.5円で換算(2023年7月14日現在)

 

実際、このお店が、ただの冷やかし客や写真を撮るだけの客にお金を徴収したのかは定かではありません。しかし、バルセロナは近年、あまりにも多くの観光客が訪れ、オーバーツーリズムに直面しています。バルセロナ市は観光税の引き上げといった対策を行っていますが、このように独自の対策を行う店も増えているのかもしれません。

 

店に入るだけでお金を徴収するとは、少々行き過ぎと批判も起こりそうなこの対策。現地で暮らす人、商売をする人、そして観光客がうまく共存する方法が、世界各国の観光名所で求められています。

 

【主な参考記事】

Independent. Barcelona shop introduces €5 charge for tourists who take selfies instead of buying things. July 13 2023