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2017/1/13 15:00

EOS M5は「ミラーレス」なだけでなく、「ストレスレス」なカメラだった! 快適に使える4つの理由とは?

キヤノンが2016年11月25日に発売した「EOS M5」は、ミラーレスカメラ。一般的なデジタル一眼レフよりも、小型軽量で気軽に撮影できるのがミラーレスカメラの最大の特徴です。

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EOS M5は、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載し、有効画素数は約2420万画素。デジタル一眼レフと同等サイズのCMOSセンサーにより、大きなボケ味、なめらかな階調、高解像感、高ISO感度、低ノイズなどを実現しています。小型軽量だからといって、画質が犠牲になっているということはありません。

 

また、キヤノン独自の最新AF技術「デュアルピクセル CMOS AF」を搭載。これにより、いままで苦手とされたシーンでも高速なAF合焦が可能となっています。

 

そのほか、高精細な背面液晶と電子ビューファインダー(EVF)による快適な操作性もポイント。なかでも、背面液晶を直接タッチしての「タッチ&ドラッグAF」は、直感的な操作でピント位置の調整が行えます。

 

つまり、EOS M5は小型軽量というだけでなく、操作性や画質面においても妥協のない“快適な”カメラなのです。本記事では、そんな快適ミラーレスカメラ「EOS M5」の進化点などを中心に解説していきます。

 

【イライラ解消点その1 高性能AF】

「ピントや明るさが合わない」という撮影時のイライラを解消

これまでミラーレスカメラは、デジタル一眼レフと比べてAF性能(特に速度面)が弱いという特徴がありました。AF性能が弱いということは、一瞬のシャッターチャンスを逃してしまい、それがストレスにつながってしまいます。特にスポーツシーンや子どもなど、動きの読みづらい被写体の場合、ピントをしっかり合わせつつ構図も決める、というのがカメラに慣れていない場合はなかなか困難でした。

 

こうしたAFのイライラを、EOS M5は解消しています。その大きな理由は、独自の半導体技術より生まれた先進のAF技術「デュアルピクセル CMOS AF」をEOS Mシリーズとして初搭載したことによります。

 

そもそもAFには「コントラストAF」と「位相差AF」の2種類が存在します。

 

コントラストAFは、ピントが合った状態が最も像のコントラストが高くなるという特性を用いて合焦する仕組み。ユニット自体を小型化でき、ピントの精度が高いというメリットがあります。その反面、コントラストAFは合焦までに時間がかかるという弱点があります。コンパクトデジカメや従来のミラーレスカメラは、このコントラストAFしか採用されていない機種が多いため、AFが遅いのです。

 

一方、位相差AFはレンズから入ってきた光を2分割し、合焦した2つの像の位置のズレから被写体までの距離を測定してピントを合わせる仕組みとなっています。コントラストAFに比べ高速なAFが実現できるというメリットがありますが、AFユニットが大きくなってしまうというデメリットがあるため、これまではデジタル一眼レフでの採用がほとんどでした。

 

今回EOS M5に搭載された「デュアルピクセル CMOS AF」は、まさにのコントラストAFと位相差AFのいいとこどり。センサー上に配置された約2420万画素すべてが撮影用と位相差AF用の役割を兼ねており、コンパクトサイズを維持したまま位相差AF同等の合焦速度を実現しているのです。

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また、静止している被写体だけでなく、動いている被写体への追従性も、一眼レフカメラ「EOS」シリーズの動体予測AFをモデルに強化。ミラーレスカメラでありながら、デジタル一眼レフに匹敵するAF性能を実現しています。

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EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM (240mm相当) F6.3 1/320秒 ISO100

例えば、従来であれば三脚+置きピンのようなテクニックが必要だった高速で移動する電車にも、シャッター半押しでしっかりと合焦。このように高速シャッターで動いているものを写しとめるほか、上級テクニックである流し撮りにも応用できます。

 

もう「ミラーレスカメラだから撮れなくてもしょうがない」と感じることはありません。

 

【イライラ解消点その2 高い汎用性

ストレスフリーだからどんな被写体でも積極的に撮影したくなる!

ミラーレスカメラの抱えるストレスを解消したEOS M5は、あらゆるシーンで快適に撮影が行えます。ここでは、作例とともにいくつかご紹介しましょう。

 

■小型高倍率マクロレンズでマクロ撮影

レンズキットの1つ、「クリエイティブマクロ ダブルレンズキット」では、「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」という標準ズームに加えてマクロレンズ「EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM」がセットになっています。

 

このマクロレンズ、新搭載のスーパーマクロモードによって、なんと等倍撮影を超える1.2倍の撮影倍率を実現。普段見慣れたものでも、このマクロレンズを使って撮影をすることで、画面いっぱいに被写体を大写しにしたダイナミックな写真が撮影できます。

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EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM (44.8mm相当) F8 1/50秒 ISO6400

上の写真はお寿司のイクラを限界まで寄って撮ったもの。SNSに料理の写真をアップするという人も多いと思いますが、スマホではある程度まで寄れてもここまでの迫力は出せません。レンズに搭載されたハイブリッドISのおかげで、手ブレを気にせず撮影できるのもポイントです。

 

■日常の何気ないスナップ撮影に

スポーツに限らず、日常の何気ないシーンでも、電車などの乗り物や街行く人々といった動く被写体は数多くあります。そうしたシーンでここぞという一瞬を切り取るのがスナップ撮影の醍醐味ですが、AFが迷ってしまって撮りたい瞬間を写真に残せなかった、というのではなかなか撮影する気もおきません。

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EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM (240mm相当) F6.3 1/500秒 ISO100

EOS M5なら、前述の「デュアルピクセル CMOS AF」によってすばやく被写体を捉え、通常時で最高約9.0コマ/秒、AF追従モードで最高約7.0コマ/秒という高速連写で被写体を逃しません。上の写真のように、カメラを持って散歩していたら偶然鳥を見つけた、という場合もあせることなく確実に写すことができます。

 

■高感度で手持ちで夜景撮影

幻想的なイルミネーションに感動して撮影したところ、激しくブレてしまったという経験はないでしょうか? これは夜は光量が乏しくシャッタースピードが遅くなってしまうからです。そのため、一眼レフでも通常なら夜景撮影には三脚が必須。とはいっても常に三脚を持ち歩くわけにもいきませんよね。

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EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM (35.2mm相当) F8 1/25秒 ISO6400

その点、EOS M5は、ISO感度が100~25600で、しかも高感度撮影時のノイズ耐性が高く、解像感の低下も従来機より抑えられています。そのため、高感度時の画質の低下を抑えつつ、夜景でも手持ちでブレなく撮影することができます。

 

■EFレンズで超望遠撮影も

EOS M5は拡張性という意味でも優れています。例えば、「マウントアダプター EF-EOS M」を使用すると、デジタル一眼レフのEOSシリーズで使用するEFマウントのレンズをEOS M5でも使用できます。これまでEOS一眼レフを使っていた人はレンズ資産を有効活用できますし、これからレンズをそろえようという人にとっても豊富な選択肢からお気に入りのレンズを選ぶことができます。

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EF70-300mm F4-5.6 IS II USM (480mm相当) F5.6 1/160秒 ISO6400

上の写真は望遠ズームレンズ「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」で撮影したもの。望遠端で480mm相当となり、かなりの望遠撮影が可能となります。これを使えば、動物園などで近くに寄れないシーンや、子どもの運動会など撮影位置が決められている場合などでも無理なく撮影できるでしょう。

 

【イライラ解消点その3 待望の内蔵EVF

高性能EVFで「こんなはずじゃなかった」が激減!

EOS M5には0.39型、画素数約236万ドットのEVFが搭載されています。解像感が高くレスポンスも高速で、光学ファインダーに近い違和感のない見え味が魅力。ストレスのないEVF撮影が可能となっています。

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表示がきれいなだけではありません。ファインダー内には撮影時の情報が表示されています。シャッタースピードや絞り値、ISO感度、残り撮影枚数、バッテリー残量をはじめ、適用されているホワイトバランスやピクチャースタイル、画像サイズや縦横比など、EVFを見れば撮影設定がひと目でわかります。

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こちらは実際のファインダー内を撮影した画像です。実際にEVFを覗くと、発色がよく見やすいという印象。表示の遅延なども感じられず、光学ファインダーとほぼ同じ感覚で撮影ができます。しかも、明るさや色などの設定がファインダーに反映されるため、撮影画像に近い状態で像を見ることができ、撮影後に明るさや色がイメージと違った……というミスが少ないのも魅力です。

 

ミラーレスカメラのなかには、EVFを持たないものも存在します。EOS M5はEVFを搭載したことで、よりデジタル一眼レフのように撮影が可能。そしてそのEVFが高品質なので、ファインダー派の人にとってもかなり快適に撮影ができるでしょう。

 

【イライラ解消点その4 直感的なAF操作

AF測距点変更などEVFでの撮影が直感的に行える「タッチ&ドラッグAF」

最近では、背面液晶を直接触って操作できる機種も多く見られます。しかし、その多くはファインダー撮影時には無効となり、本体の各種ボタンやダイヤルによる操作が必要となります。

 

特にAF測距点の選択は、ボタンとダイヤルを併用しなければならないため、面倒なことも。そんな操作性にEOS M5は新しい答えを提示してくれました。その名も「タッチ&ドラッグAF」です。

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「タッチ&ドラッグAF」は、EVFを覗いている状態で背面液晶をタッチすると、AF測距点を選択できるという機能。また、指をドラッグすることでAF測距点を移動させることができます。

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動いている被写体に合わせて指を動かしていけば、常にピントを合わせることが可能。手の大きさや好みにより、ピント位置を液晶画面上で指定する「絶対位置」と、現在のピント位置から指を移動した分だけ移動する「相対位置」が選べます。

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タッチ&ドラッグAFのエリアは、7種類から選択可能。利き目や親指の場所により、細かくカスタマイズができます。本体前面の切り替えボタンで簡単にタッチ&ドラッグAFが有効にできるので、状況に合わせて使い分けましょう。

 

【まとめ】記念写真からスナップ、スポーツ写真まで不満なく撮影できる使いやすさ抜群の万能ミラーレスカメラ!

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EF70-300mm F4-5.6 IS II USM (480mm相当) F5.6 1/500秒 ISO250

実際に使ってみると、本体は小型ながらもグリップ部が深めにデザインされていることでホールディング性が高く、しっかりと構えて撮影ができます。

 

高性能なEVFと、これまた高精細なチルト式背面液晶をシーンによって使い分けることで、幅広いシーンでの撮影に対応できます。また、高速なAFに加え「タッチ&ドラッグAF」により、静止した被写体から動いている被写体まで、手軽に撮影できるのもポイントです。

 

世の中には、背面液晶やEVFがきれいなミラーレスカメラはいろいろありますが、EOS M5はそのなかでもかなり上位。その上、AFのレスポンスが高く、タッチ&ドラッグAFにより簡単に思いどおりの場所にピントを合わせられます。

 

つまり、これまで撮ろうと思っても撮れなかったシーンが、EOS M5ならば撮れる可能性がかなり高くなるのです。

 

小型軽量でレンズ交換ができるというミラーレスカメラの特徴はしっかりと残しながら、快適な撮影ができるように大幅な機能アップが図られているEOS M5。普段使いはもちろんのこと、作品づくりといった高度な技術が必要な撮影まで対応できるポテンシャルを秘めた、万能ミラーレスカメラなのです。

 

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