コスパ派テレビの強烈な選択肢。大画面&高画質を手頃な価格で楽しめるTCL「Q7D Pro」

ink_pen 2026/5/25
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コスパ派テレビの強烈な選択肢。大画面&高画質を手頃な価格で楽しめるTCL「Q7D Pro」
宮里圭介
みやさとけいすけ
宮里圭介

PCやその周辺機器を中心に、製品レビューや解説記事などを執筆しているテクニカルライター。ハードウェア系が得意。リムーバブルメディアに興味があり、収集品多数。関連する解説記事なども執筆している。

提供:株式会社TCL JAPAN ELECTRONICS

テレビの売れ筋サイズがどう変化してきたのか、少し振り返ってみましょう。

地上デジタル放送への移行があった2010年代当初は、フルHDパネルの大型化が難しかったこともあって32~40V型あたりが主流でした。しかし4K放送が始まると、映像の画質が向上したことから大型モデルが求められるようになり、トレンドは40V型オーバーへと変化。また、2020年代に入ると4Kモデルが一般化し、人気の中心はさらに大型化した50~55V型となりました。

そして現在人気があるのが、55~65V型です。最新モデルのラインアップを見ると、多くのモデルで一番小さいサイズが55V型、大きなものでは100V型前後となっています。このことから、今後はより大画面のモデルがトレンドとなっていきそうです。

今までの流れを振り返ってみると、大型化のトレンドには画質の影響が少なからずあることがわかります。ただ大きくするだけでは粗が目立ってしまいますから、それにふさわしい画質が欲しい、というのは納得できる理由です。しかし、現状は解像度が4Kでほぼ頭打ちになっているので、映像の滑らかさや色再現性といった、映される画面そのものの美しさが重要となってきます。

そんな高画質化技術を“購入しやすい”価格帯に持ってきた普及モデルとなるのが、今回紹介するTCLの大画面4Kテレビ「Q7D Pro」です。大きな特徴として、豊かな色彩を実現する次世代テレビ向け技術「SQD-Mini LED」を採用していることが挙げられます。

もちろん、最大輝度やコントラスト比を高めるローカルディミングのエリア数こそフラッグシップモデルに届きませんが、普及モデルとは思えない高水準なスペックを実現しているのがいいところ。驚異的なのは価格です。55V型なら188,000円(税込)、85V型でも378,000円(税込)というリーズナブルなお値段には、誰もが身を乗り出してしまうことでしょう。

そんな高画質な大型テレビなのに格安となる「Q7D Pro」の特徴や、実機のインプレッションについて詳しく見ていきましょう。

さらなる高画質を実現した、新開発のSQD-Mini LEDとは?

TCLが開発し、今年発表した技術のひとつが、「SQD-Mini LED」。これは量子ドットに使用する材料を大きく見直し、高度な色表現を実現する技術です。

↑量子ドット(QD)技術を改良し、さらに豊かな色再現性を実現したのがスーパー量子ドット(SQD)。

具体的には、発光素材と保護層によって作られていた従来の量子ドット(QD)フィルターを見直し、高効率発光素材、高密度電子層、合金バリア層、高度保護層、高純度スペクトルとすることで、69%もの色再現精度の向上を実現しました。この技術は、同社によりスーパー量子ドット(SQD)という独自の名称が与えられています。

SQD-Mini LEDは液晶のバックライトとして使われますが、画面を複数の領域に分割し、それぞれの輝度を個別に制御する「部分駆動」のバックライトとなっています。具体的にはどういうことなのでしょうか。

ここで、テレビに「満月の夜空」を写していると仮定しましょう。このとき、月は明るく輝いていますが、その光に照らされていない影の部分は真っ暗になるはずです。もしそのテレビが部分駆動ではなく単一のバックライトを使用していた場合、月の明るさに合わせて輝度を上げることになり、暗い部分でも光がわずかに漏れ出ます。すると、画面の印象は黒というよりもグレーに近くなり、全体のコントラスト比が下がってしまいます。

これに対し、テレビのバックライトが部分駆動であれば、月がある部分だけ輝度を上げ、影の部分はほとんど光らせないといったことが可能になります。こうすると暗い部分で光が漏れることがないため、黒は黒のまま。そう、本来表現したかった画作りに近づくわけです。

最新のMini LED技術は、極小のLEDをバックライトとして部分駆動させることで、極めてコントラストが高く、かつ緻密な映像表現を可能としています。つまりQ7D Proは、「SQD」と「Mini LED」をあわせて採用することで、改良された量子ドットによる精度の高い色表現と、Mini LEDによるコントラスト比の高い表現を実現しているのです。

↑実機で画質をチェック。大画面の迫力がすごい。

SQD-Mini LEDを採用しているというのは、フラッグシップモデルやプレミアムモデルといった上位グレード製品と同じですが、大きく違う点があります。それは、液晶部に「HVA 2.0 Proパネル」を採用していることです。

↑上位モデルとは異なる液晶パネル「HVA 2.0 Proパネル」を採用。一方、SQD-Mini LEDや色再現性はプレミアムラインと同等で、ハロー制御テクノロジーもしっかり搭載されている。

このパネルは、上位グレードに採用されている「WHVA 2.0 Ultraパネル」と比べると、視野角が狭い、反射抑制性能が劣る、端の非表示領域がある反面、製品の価格を抑えられるメリットがあります。しかし、光漏れによる画質の低下を防ぐ「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」は搭載されていますし、色域もBT.2020色域の100%カバーを達成していますので、性能的にはそこまで見劣りしていません。

↑上位モデルと見比べた場合こそ違いはわかるが、単体で見た場合はしっかり暗部も締まり、色も豊かで、高級テレビとしてじゅうぶん綺麗に見える印象。

画質に関して言えば、暗部表現の見事さ、色彩の緻密さといったポイントを見ても、4Kテレビとして十分すぎるほど綺麗な画面であるような印象を受けました。画面サイズの迫力というのは馬鹿にできないもので、大きな画面で見ることそれ自体の満足感もあるでしょう。これだけでも、「コスパの良い最新大画面テレビ」に魅力を感じてしまいます。

上位モデルとの違いを見つけようと細かな部分を見比べてチェックしたところ、確かに、暗部のノイズ感や淡い色の表現などに違いはありました。とはいえ、これはさんざん見比べてやっとわかるというレベルの話。トコトン画質にこだわった1台を選びたい……という人でない限り、まず気にならないでしょう。

個人的に視野角がどのくらいなのかが気になっていたので実機で確認してみましたが、ギリギリ画面が見える角度に立って、ようやく画面の一部が暗くなるくらいでした。さらに、ある角度以上になると色が変化して見えるのではないかと考え、上下左右いろいろな角度から見てみましたが、どこから見ても違和感なし。明るさと同じく、真横からのぞき込まない限り、変化は感じませんでした。

当然ですが、真横からテレビを見る人はまずいません。正直、視野角に関してはまったく気にする必要がない、というのが結論です。

薄型テレビらしからぬ低音を感じられる「ONKYO 2.1ch Hi-Fiシステム」を搭載

サウンドに関しては普及モデルということもあって、Bang & Olufsen監修のスピーカーシステムを採用している上位グレードの製品とは明確な差があります。とはいえ、内蔵しているのは40Wの「ONKYO 2.1ch Hi-Fiシステム」。よくあるテレビ内蔵のスピーカーとは異なる音の厚み、そして低音が感じられる構成です。

↑オンキヨー製スピーカーシステムを内蔵。

さらに、立体音響としてはDolby Atmos、DTS:Xをサポートしているため、さまざまな方向から音が迫ってくる臨場感も再現できます。

実際に聞いてみると、音の立体感までしっかりと感じられ、人の声も聞きやすく素直な印象。内蔵スピーカーのままで十分だな、というのが率直な感想です。

少し気になったのは、真正面からの音がどこか直接的ではなく、ビニール1枚越しに聞くような、わずかに鈍った感じがあったことです。ただしこれは、設置する場所や部屋の大きさ、形などでも変わりそうですし、何より、どう感じるかは個人差が大きいので、欠点とまではならないでしょう。

自分好みの音質で楽しみたい、というのであれば、お気に入りのサウンドバーを設置するというのもアリ。Q7D Proはスタンドが左右の両サイドに別れているタイプとなるため、中央にサウンドバーを設置しやすく、組み合わせるのも簡単です。

空間になじみやすい薄型・狭額縁デザイン

スタンドを含まない本体の厚みはモデルによって変わりますが、最小の55V型で56mm、最大の98V型でも64mmと薄め。さらにベゼルも数ミリと薄いので、壁掛けにした場合でも異物感が少なく、部屋になじんでくれます。

↑本体の厚みは最小の55V型で56mm、最大の98V型でも64mm。壁掛けにも対応可能だ。

液晶パネルの画面端に非表示領域があるため、まったくベゼルを感じないというわけではありません。しかし、この非表示領域を含めても1cmくらいしかないため、画面サイズと比べるとごくわずか。言われなければ、気にならないレベルです。

↑スタンドは両サイドに分割されているタイプで、やや奥行が長め。

大画面テレビにはありがちな注意点ですが、スタンドの奥行きが420mmと少々長めな点には気をつけたほうがいいかもしれません。とくに賃貸だと工事が必要な壁掛けは難しいだけに、ローボードではなく壁寄せ式のテレビスタンドを選ぶ、といったように、設置方法はしっかり考えておきましょう。

AI機能としてGoogle Geminiへの対応も予定

Q7D Proが搭載するGoogle TVは、テレビ番組に加えて、多くの動画配信サービスを利用可能。Fire TV Stickなどを用意しなくても、好きな映像作品を直接テレビで再生して楽しめるというのが魅力です。

また、このGoogle TVには、夏ごろのアップデートでGeminiが搭載される予定となっています。これにより、気になる質問に答えてもらう、音楽を選んで再生してもらう、スマート家電と連携するといったことが可能になります。日常的な情報収集に使うのもいいでしょう。

↑AI処理による色彩最適化やノイズリダクションを実施している。

なお、Q7D Proが搭載する映像エンジン、「TSR AiPQプロセッサー」でもAIを活用。奥行き情報から立体感を調整する「Ai-コントラストマスター」、リアルな色彩へと最適化する「Ai-カラーマスター」、ノイズの低減とディテールの向上を行なう「Ai-クラリティマスター」、動きを予想し揺れやボケを軽減させる「Ai-モーションマスター」といった、画質向上処理が行なわれています。

10万円台後半~のコスパ派向け最強モデル

上位グレードの製品はより輝度が高い、ローカルディミングのエリア数が多い、液晶パネルに差があるといった違いがあります。しかし、Q7D Proは上位モデルに迫る高画質で、最新技術のSQD-MiniLEDを採用するなど、大型テレビとして十分なインパクトを備えているのもまた事実です。

テレビ以外で気になる機能といえばゲーム。このあたりもぬかりはなく、リフレッシュレートは144Hzと高速で、さらに解像度を2Kに落とすDLGであれば、288Hzにまで上昇可能。リフレッシュレートを動的に変更するFreeSync Premium Proにも対応しているので、PS5やPCゲームを大画面で楽しみたいと考えている人でも満足できるでしょう。

Q7D Proは、価格を抑えたいけれどクオリティーには妥協したくない、という人にとって、まさに待ち望んでいたコストパフォーマンス最強モデル。大型テレビをリーズナブルに手に入れたいのであれば、とくにオススメの1台となりそうです。

撮影:ヒゲ企画