付箋をQRコード化してスマホとアナログをつなぎ合わせるツール「ペイパーリンク」が面白い!

ink_pen 2026/5/31
  • X
  • Facebook
  • LINE
付箋をQRコード化してスマホとアナログをつなぎ合わせるツール「ペイパーリンク」が面白い!
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

以前に手帳好きの方とお話をした際に、まずお互いの共通認識としてあったのが「アナログの手帳を仕事に役立てるのは、もう難しいよね」ということだった。

従来、ビジネスシーンでの手帳の役割といえばスケジュールの管理が主だったわけだが、その辺りに関しては、いまやスマホの利便性にかなうはずもないのである。

なので、「今後の手帳は“スケジューラー”ではなく“ダイアリー”としてやっていくことになるだろう」というのが、そのときの結論だったように記憶している。

実のところ、これに似たような話は手帳に限らず文房具ジャンルのあちこちで展開されている。ぶっちゃけ、「スマホに仕事を奪われた文房具は、どう生き残っていくべきか?」はかなり切実なテーマなのだ。

なにせ相手(スマホ)は便利で強く、真っ当に勝負を仕掛けてもまず勝ち目はない。それなら、勝負ではなく協働する方向性を模索するのが賢明かもしれない。

その点、カンミ堂の新型付箋「ペイパーリンク」は、スマホとアナログの手帳などをうまくつなぎ合わせるツールとしてなかなか面白そうなのである。

紙にデジタル情報をシール感覚で添付

付箋メーカーのカンミ堂から発売されたペイパーリンクは、QRコードが1枚ずつに大きく印刷されており、従来の付箋のような書き込みスペースはほとんどない。

確かに見た限りは、単にQRコードが印刷されたシールだが、その機能は「情報を添付する」という付箋の役割をきちんと果たすものなのだ。

カンミ堂

ペイパーリンク

Sサイズ 540円|Mサイズ 450円(ともに税別)

24枚入りのSサイズと12枚入りのMサイズには、それぞれカラバリがあって、ラインアップは計4種類となっている。

Sサイズは紙面のほとんどがQRコードなのに対して、Mサイズは少し書き込み面があるので、やや付箋っぽさは残っている。ちなみにSとMの差は、この手書き面の面積と枚数だけであり、それ以外に機能的な違いはない。

↑こちらがMサイズ。ブック型台紙からQRコード入りのフィルム付箋を剥がし取って使う。全面のりで粘着力もわりと強めなので、感覚的にはシールに近い。

ペイパーリンクの使い方

使う前の事前準備として、まずこのQRコード(1枚ずつが違うユニークなもの)をスマホで撮影する。するとURLが表示されるので、ブラウザでそこへ移動する。

初回は「ペイパーリンクへようこそ」という画面が表示され、「Open」をタップして進むと情報登録画面が現れる。

↑手帳に記入したログなど「データを添付したい場所」に貼る。QRコードだけでは内容がわからないので、付箋部に説明書きを足しておくと使いやすい。
↑QRコードを撮影すると、データの登録画面に移行する。ここで画像やURLを設定できる。

すると、ペイパーリンクのメイン要素と呼ぶべきものが現れる。ここでは「画像」が最大で5枚、URLのリンクが最大7件とコメントを登録できるようになっている(もちろん画像だけでも、URLだけでもよい)。

一度登録したら、あとはQRコードを読み取れば登録した画像やURLが並んだ画面に飛べるという仕組みだ。

↑登録が完了すると、次回からは画像やURLリンクが並んだページに飛べるようになる。

具体的な使用例として、手帳にライフログを記録する際に「今日1日の象徴的なスナップ」(買った物やおいしかった食事など)や「面白かったウェブサイトのURL」をペイパーリンクで紙面に添付することが考えられる。

なにせアナログの手帳に画像を添付するのはかなり手間だし、URLを文字列としてメモしてもリンクとして機能することはない。そういったアナログの不利な点をフォローして、紙とデータをつなぐ存在としてQRコードが役立つというわけ。

↑登録時には4ケタの閲覧用パスワードも設定可能。

データの有効期限は3年

ただし、「万全に便利!」と言い切れないのが、ペイパーリンクには有効期限があるという点だ。

初回に画像やURLを登録してから3年経つと、この登録ページは期限切れによって消えてしまうのである。

ちなみに期限が切れる前に登録ページで「データの引き継ぎ」を行うことで、さらに3年間の継続は可能になるそうだ。が、正直に言えば、うっかり引き継ぎを忘れているうちに期限切れになってしまった、という状況しか想像できない。何よりログとして残すには、3年という期間はかなり短いように思う。

もちろん、サーバーの管理費用などを考えると、メーカーに「無期限にデータを保証しろ」というのは無理難題でしかないので、ユーザーとしては悩ましいところだ。

見てほしいデータを手渡しで配ってみる

とはいっても、仕組み自体はなかなかに面白いものだし、期限切れが気にならないような方向で別の使い方を考えてみるのがよさそうだ。

パッと思いついたところでは、クリエイターが名刺に貼って渡すというのはどうだろうか?

↑名刺に貼っておくことで、連絡先を知らない初対面の相手にもスムーズにデータを手渡しできる。

自分の作品の画像やポートフォリオサイトのURLを登録しておけば、名刺交換した相手に手軽に見てもらうことができる。

QRコードと登録ページは1:1の対応なので、名刺に直接QRコードを印刷するよりも柔軟に対応できるし、相手によって見てもらう作品の画像やURLを変えることも可能だ。

ただし、1:1の対応だからこそ、名刺に貼ったQRコードの枚数分、別々に登録ページを作らなければいけないというのは手間である。

この辺りは、今後のバージョンアップなどで複数のQRコードから1つのページに飛べるように対応してもらえるとありがたい。

コミュニケーションツールとして活用したい

↑手渡しによるコミュニケーションとデジタルデータの利便性がひとつになって、これはかなり面白い伝達手段のように感じた。

つまるところ、ペイパーリンクというのは「何かに貼ることで、ウェブサイト上のデータへのアクセスが容易になる」というものなので、貼ったもの(上記の例で言えば名刺)を経由すれば、誰にでもデータそのものを手渡しできるのだ。

自分の手帳ログ用であれば3年は短いが、名刺やカードなどに貼って渡すなら、有効期限はほとんど気にしなくてもいいだろう。

そう考えれば、むしろコミュニケーションツールとして捉えるほうが面白いような気もしてくるのだ。

もちろん、ウェブサイト上に画像などを登録できるページを自作して、そのURLをQRコード化して、ラベルプリンターなどでシール化するといった作業によって、期限切れなしに似たような結果を得ることは可能だ。

しかし、その手間を考えると、ペイパーリンクの手軽さはかなり大きなメリットと言える。

もちろん、細かな使い勝手の点では不満もいろいろあるが、それでも久々に「どんな使い方ができるかな?」と考える楽しみがある、面白いツールだと感じた。

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で