大人になるほど、“冒険する感覚”を忘れていないだろうか――。
JTが、新たな企業広告シリーズ「キャプテン・モットの冒険」をスタート。その第1弾となる「船出篇」が、2026年4月2日から全国で放映されています。
主人公を演じるのは、俳優の柳楽優弥さん。新CMでは、“心の豊かさ”を探し求める探検家として、大海原へと旅立つ姿が描かれます。
ただ、今回のCMで描かれているのは、単なる冒険譚ではありません。
目次
「鬼のゆく道」から続く、“心の豊かさ”を問い続ける物語
JTは2024年にも、企業広告「鬼のゆく道」シリーズを展開しています。
前作は、山田孝之さん演じる、“心の豊かさ”を知らない鬼が主人公でした。
久しぶりに人里へ降りた鬼が、人々との出会いを通じて、それぞれ異なる価値観に触れながら、“心の豊かさとは何か”という問いの答えを模索していくストーリーです。

今回の「キャプテン・モットの冒険」は、“心の豊かさとは何か”というテーマを引き継ぎながらも、より“旅立ち”や“冒険”にフォーカスした作品になっています。
“これが正しい豊かさ”と定義するのではなく、人との出会いや未知の体験を通じて、その答えを模索していく。そうした物語の軸は、前作から一貫しています。
大人になって忘れていた、“冒険する感覚”を呼び起こす映像
今回の「船出篇」で特に目を引くのが、“冒険映画”のような世界観です。
壮大な海、未知の世界へ踏み出していく高揚感。そして柳楽さんが演じる探検家の存在感。短いCMながら、まるで冒険映画のプロローグのような雰囲気に仕上がっています。

なにより印象的なのが、映像面の作り込みです。
シーンが切り替わっていくテンポ感、海面を照らす光の演出、風を感じさせるカメラワーク――。そうした映像表現の積み重ねによって、自分という小さな存在が、広大な世界へ漕ぎ出していく感覚を丁寧に描き出しています。
柳楽さんが演じる探検家の旅は、忙しい日常のなかで忘れがちな“冒険する感覚”をそっと呼び覚ましてくれます。
前作「鬼のゆく道」が、“心の豊かさとは何か”を模索していく物語だったとすれば、今回の「キャプテン・モットの冒険」は、自分から“広い世界”へ漕ぎ出し、多様な価値観や豊かさと出会っていく物語なのです。
JTが半世紀以上掲げてきた「心の豊かさ」
実はJTによると、「心の豊かさ」という言葉は、1968年の日本専売公社時代の長期経営計画にも登場していたそうです。2023年には、その価値観をJT Group Purpose「心の豊かさを、もっと。」として改めて明文化しました。
つまり今回のCMシリーズは、突発的なブランドメッセージではなく、半世紀以上にわたって受け継がれてきた価値観を、現代的な映像表現へ落とし込んだものとも言えます。
CM企画担当者に聞く、“心の豊かさ”を、なぜ冒険で描いたのか
さて、今回の「キャプテン・モットの冒険」は、単なる企業広告ではなく、“心の豊かさとは何か”という問いを軸に、冒険や旅立ちを通して、多様な価値観との出会いを描いた映像作品でした。
では、なぜ今、“冒険”というテーマでそれを描こうとしたのでしょうか。
今回の企業広告シリーズを担当した、JT パブリックリレーション部・古川将寛さんに、“心の豊かさ”を描き続ける理由や、「キャプテン・モットの冒険」に込めた想いについて聞きました。

“JTという会社”をどう描くか。企業広告としての挑戦

――商品広告ではない、“企業広告”だからこその難しさはありますか?
古川 やっぱり“特定の商品を前面に出さない”ことの難しさはありますね。今回のCMは、特定の商品やサービスを訴求する広告ではなく、“JTという会社そのもの”を伝える企業広告なんです。
一般的な広告って、商品やサービスの魅力を伝えるものが多いと思うんですが、企業広告は、“会社としてどんな価値観を持っているのか”や、“何を大切にしているのか”をどう表現するかが重要になります。
だからこそ、映像のテンポや光の演出、ナレーションの言葉選びまで、一つひとつ細かくこだわって制作しています。
――柳楽優弥さんを起用された理由と、撮影時の様子を教えてください。
古川 今回のCMでは、“探検のワクワク感”を演技として表現していただくというより、本心から自然に楽しんでくれる方に演じていただきたいと思っていました。
柳楽さんは、もともとすごく冒険心のある方なんです。未知のものに対して純粋にワクワクできる感覚を持っているので、探検家というキャラクターにも自然に重なっていくんじゃないかと感じていました。
実際の撮影は、私がこれまで経験した中でも一番大変だったと言えるほど過酷な海上ロケでした。小さな船の上で長時間撮影をしていたので、スタッフもかなり船酔いしていて……。
そんな状況でも、柳楽さんはずっと笑顔で、海や風、広い景色そのものを楽しんでいる感じがあって、狙い通りだったと思います。
――前作「鬼のゆく道」シリーズとの違いは何ですか?
古川 前作から“心の豊かさを問い続ける”という軸は変わりませんが、今回はその問いを、より広い世界へ開いていく方向性にしました。
前作の『鬼のゆく道』シリーズでは、日本的な世界観の中で、静かでハートウォーミングな“心の豊かさ”を描いていました。
一方で今回の『キャプテン・モットの冒険』では、少しトーンを変え、“探検に出るワクワク感”や、“まだ知らない豊かさに出会う冒険心”を、音楽や映像のテンポも含めて表現しています。
コピーにも『この広い広い世界で。』とあるように、今回描いているのは日本国内だけの物語ではありません。
世界には、本当にさまざまな“心の豊かさ”があると思っています。
JTグループもグローバルに事業を展開しているからこそ、そうした多様な価値観や豊かさと出会いながら、それを一緒に感じていけるような、より大きなスケール感を意識しています。
誰かの正解ではなく、“自分だけの豊かさ”を探す時代へ

――時代とともに、「心の豊かさ」の定義はどう変わってきたと考えていますか?
古川 使い古された表現かもしれませんが、本当に多様化したんだと思います。
昔は、「こういう人生が豊かだよね」「こういう成功が幸せだよね」みたいな、共通のコンセンサスが比較的強かったと思うんです。
でも今は、人それぞれが自分なりの価値観を探求する時代になってきている。誰かと比較する“相対的な豊かさ”から、自分自身に対する“絶対的な価値観”へ変わってきている感覚があります。
――古川さん自身にとっての「心の豊かさ」とは、具体的にどのようなものですか?
古川 例えば、わざわざLP版のレコードで音楽を聴くことですね。それもジャズやクラシックではなく、最新のK-POPを聴いたりするんです(笑)。
あと、注文したレコードが届いて、箱をシュッと開ける瞬間とか、めちゃくちゃワクワクするんです。そういう“自分だけの豊かさ”に光を当てる感覚が、すごく心地いいんですよね。
音楽を聴くまでの過程を楽しむ“豊かさ”もあれば、実際に音楽を聴きながら、静かに気持ちを反芻するような“豊かさ”もある。
“心の豊かさ”って、本当に人それぞれで、正解が決まっているものではないんだなと思います。
“広い世界”の中にある、多様な豊かさへ

――JTでは、“心の豊かさ”をどのように社会へ広げていきたいと考えていますか?
古川 昔の「ひとのときを、想う。」というコピーは、人生の“瞬間”という“点”にフォーカスしていました。
ただ、時代が変化する中で、“豊かさ”の捉え方や向き合うレンジが広がってきた感覚があります。今はその点と点がつながって線になり、“人生そのもの”へ広がっているイメージですね。
人ひとりの人生や価値観がより多様化しているからこそ、その人たちそれぞれの“心の豊かさ”に寄り添っていきたい。そして、それぞれの豊かさが集まることで、社会全体も少しずつ豊かになっていく。そういう世界観を大事にしています。
――「この広い広い世界で。」キャンペーンは、今後どのように広がっていくのでしょうか?
古川 『キャプテン・モットの冒険』は、“この広い広い世界で。”という大きなキャンペーンの一部なんです。
テレビCMだけではなく、SNSやラジオなど、さまざまなチャネルを通じて展開していきたいと考えています。
今後は、一般のいろんな方にも参加していただきながら、“何百通りもの心の豊かさ”を感じられるような展開にも広げていきたいですね。
「次はどんな世界が見られるんだろう」と、ワクワクしながら楽しんでもらえたら嬉しいです。

続編は2026年夏頃放映予定
今回の「船出篇」は、新シリーズの“旅立ち”を描いたプロローグ。今後、柳楽さん演じる探検家が“広い世界”でどんな人々と出会い、どんな“心の豊かさ”に触れていくのかも楽しみです。
続編となるCMは、2026年夏頃から放映予定とのこと。
“心の豊かさ”に正解はない——。だからこそ、自分だけのワクワク感や、ホッとできる時間、小さな冒険を見つけることが、これからの時代にはより大切になっていくのかもしれません。
仕事や日常に追われる毎日だからこそ、“広い世界”へ目を向ける感覚を思い出させてくれる「キャプテン・モットの冒険」。GetNavi読者にとっても、どこか心に残るシリーズになりそうです。
【特設サイト URL】
キャプテン・モットの冒険 | JTウェブサイト
撮影/鈴木 謙介 取材・文/鈴木 和成