アウトドア
2018/8/26 9:00

ストイックなキャンピングはノーサンキュー! 無理しない「女子キャンプ」の準備と楽しみ方

バーベキューに川遊び、避暑地でのハイキングやキャンプなど、アウトドアでのレジャーを、ファミリーだけでなく、友だちや恋人とも楽しむ人が増えてきています。未経験だとハードルが高く感じますが、移動が楽なキャンプ場を選んだり、現地でゆっくりすることをメインに食事の内容を考えたりすれば、女性でも、ゆとりのあるキャンプを楽しめるのです。

 

そういった、女性ならではの楽しみを味わえるのが「女子キャンプ」「女子キャン」というもの。今回は、いち早くそれを提唱してきたイラストレーター・こいしゆうかさんに伺いながら、非日常の空間と自然を満喫できるよう準備してみましょう。

 

非日常空間を思い切り楽しめるバーベキュー

キャンプの楽しみといえば、なんといっても開放感のあるアウトドアでの食事でしょう。風が通り抜け、太陽の光が降り注ぐ中でごはんを食べるというだけで、おいしく感じられるものです。集った人がそれぞれいろいろなものを作ってシェアしたり、自宅のキッチンではできないような、焚き火を使った料理をしたりするのは、アウトドアシーンならではの楽しみ。手のこんだ料理が作れなくても、ソーセージを炭火であぶって食べるだけで非日常の空間を楽しめます。

 

「焚き火がパチパチ燃えている音や川の流れ、暗くなってくると星や月の存在もいっぱいに感じることができます。人ごみや喧騒から離れて、静かで暗い場所で炎を見ているだけで癒されますよ。いきなり山の中にあるキャンプ場に行くのはハードルが高くても、手ぶらでバーベキューできる都内の会場で調理を経験したり、それに慣れたら自分で食材を持っていくタイプのところに出かけてみたりしているうちに、アウトドアで食事することを楽しめるようになっていくでしょう。もし余力があれば、手ぶらでバーベキューができる場所で借りられる食器はほとんどが紙皿や割り箸なので、食器くらいは自分で持って行くと料理がおいしく見えます」(こいしゆうかさん、以下同)

 

女子キャンプではのんびり過ごすこと!

キャンプデビューしたい気持ちはあるけれど、キャンプは早朝から大きな荷物を積み込んで長時間移動したり、着いてからも荷下ろしや食事づくりをしたり、しなければならないことが多くて慌しい、というイメージがあるかもしれません。

 

たしかに、上級者向けのキャンプ場での宿泊や、やりたいことを盛り込みすぎてしまうと、準備や片付けに疲れてしまって、楽しむ暇もなく旅程が終わってしまいます。まずはキャンプ場で寝起きして、外でごはんを食べて自然の中にいることを味わう、ということだけを念頭にプランを立ててみましょう。

 

「車で移動する場合は、インターチェンジに近い施設を選ぶと便利です。くねくねとした山道を何十分も走ったところにあるキャンプ場も多いので、アクセスは事前に調べておきましょう。電車で行くなら駅に近く、周辺に温泉やスーパーがあるところがおすすめです。食材は買ったものを持っていくのではなく、現地のスーパーで調達して、最後はのんびり温泉に入って帰ってくる、という流れで考えてみましょう。キャンプ場で食材や調理器具がレンタルできる場合はなるべくそれを予約します。ただ、火を起こしてお肉が焼けるまでに時間がかかるので、前菜やパンなどちょっと食べられるものを持って行くといいですね。キャンプはバーベキューの延長線上というイメージがあるかもしれませんが、早朝の清々しい空気の中を散歩したり、真っ暗な中で焚き火を囲みながらお酒を飲んだり、昼間のバーベキューだけでない楽しみがありますから、ぜひキャンプを体験してほしいです」

 

「日陰」と「楽しいアクティビティ」はマスト

夏のキャンプで大切なのは、日陰のあるサイトかどうかです。音楽が楽しめるようなフェスキャンプや、ワークショップのブースがたくさん並ぶイベント的なキャンプの場合、木陰のない広い平地がテントブースになっていることがあります。川沿いでは小石の照り返しが暑いので、木がたくさん生えていて木陰のある場所か、タープを張れるところ、また、気温が比較的低い高原や避暑地などがおすすめです。

 

「アクティビティはいくつも準備せず、ひとつできればいいかな、という程度に考えておきましょう。景色がよいキャンプ場にしたり、ハイキングルートが近くにあったりするところを拠点にして、余裕があったら散策する、と、ゆるく決めてくのもよいと思います。フェスキャンプは音楽を楽しむだけでなく、物販飲食やワークショップが充実しています。自分ひとりでは作れない木の器や染物などのワークショップを体験してみるのもおすすめです」

 

絶対に忘れないで! マストな女子キャンプグッズ

こいしさんおすすめの、女性が持っていくべきアイテムは、「虫対策グッズ」「コットンタイプのメイク落とし」「UV対策グッズ」の3つです。

 

・虫対策には虫除けスプレーとハッカ油

キャンプ場の場所にもよりますが、蚊やブヨなどの対策はしっかりと。黒い服は避け、肌の露出を控えてください。

 

「靴下とボトムの間の隙間も狙われるので、長い靴下を履き、くるぶしが隠れないボトムを履くのはやめておきましょう。また、ブヨには虫除けスプレーが効かないので、希釈したハッカ油をかけるなどの対策が必要です。高原などの涼しい場所には大きな虫があまりいませんし、昼間気温の高いときにいても夜はいなくなります。昼間の時間にも虫が気になるようなら、スクリーンタープを使いましょう」

 

・コットンタイプのメイク落としが便利

キャンプ場の洗面所はほとんどお湯が出ません。大きな水場は食器なども洗うような場所なので、コットンタイプのメイク落としがあると便利でしょう。「日中はずっと太陽の下にさらされていますから、ファンデーションはつけず、日焼け止めとポイントメイクだけで過ごすことをおすすめします。手を使う機会も多くなるので、ハンドクリームを持っておくといいですね」

 

・日焼け止めクリームや帽子でUV対策はしっかりと

キャンプ場に日差しを遮るものがないことも考えて、日焼け止めクリームや帽子は必ず持って行きましょう。日焼け止めはアウトドアに適しているSPF50程度のもので、ウォータープルーフタイプがいいでしょう。また、塗り直しに便利なスプレータイプもおすすめです。「帽子は風で飛んでしまうので、紐つきがいいと思います。首回りの日焼け防止にもなるような、つばがぐるりと一周ある形のもので、濡れてもすぐ乾くナイロン製のハットや、麦わら帽子もかわいくておすすめです」

 

こいしさんおすすめ! かわいい女子キャンプグッズ

はじめてのキャンプのときは、あれこれ揃える必要はありません。まずは手持ちのものを中心に持ち物を考え、賄えないものや、好みのものが見つかったら購入する、くらいに考えておくといいでしょう。「何度か回数を重ねると、他の人が持っているかわいいものや便利なものが目に入ってきて、欲しいものが見つかりますから、焦って買わないでじっくり選ぶのがいいと思いますよ。テントや調理器具をレンタルできる手ぶらキャンプであれば、防寒着とライト、ピクニックグッズがあれば大丈夫です」

 

・サンダルはつま先があるものを

キャンプ場は枝や石がたくさん落ちていますし、川遊びの際に足を傷つけてしまうこともあるので、ビーチサンダルのような素足が大きくさらされるもので行くのはやめましょう。サンダルを履く場合は、きちんと足を保護できるしっかりとしたものがおすすめです。

 

「行き帰りはトレッキング用のシューズなどで移動し、日中はサンダル、というスタイルがいいかもしれません。ただし虫が多かったり寒かったりするところもありますから、靴下を履いたコーディネートもオシャレなKEENのサンダルがおすすめです。こちらは水陸両用で軽く、洗濯機で洗うことができるので便利ですよ」

KEEN「NEWPORT H2」
1万4040円

 

・両手が空いて作業できるヘッドライト

意外と忘れやすいのがランタンやライト。日が暮れると手元すら見えないほど暗くなってしまうので、ひとりひとつは持参したいグッズです。 オイルのランタンもよいですが、テントの中を照らしたり、調理している手元に当てたりするのはLEDなど電気のタイプが便利です。

 

「マイルストーンのものは、いわゆる電球と同じオレンジ色の光を発するので、見えやすくて使いやすいんです。手をかざせばオン・オフができるので、キャンプ時に料理で手が汚れていたり、寒くて手袋をしていたりする際に重宝するモデルです。バンドの柄がかわいいので、女子に人気がありますね」(こいしゆうかさん)

マイルストーン「MS-B5」
4860円

 

・3COINSで買えるピクニックセット

身近なショップで買えるピクニック用のグッズも、キャンプに使えて便利です。「家にアウトドアグッズが何もない!」という方でも、ピクニックシートやレインポンチョ、保冷バッグなどを揃えておきましょう。

 

「3COINSはほとんどの商品が324円で買え、かわいい柄のものがたくさんあります。ピクニックシートはちょっと荷物を置いておくときにも使えますし、レインポンチョは、フェスのときや急に雨が降ってきたときのために持っておくと安心です。蒸し暑くならないよう、薄手のものの方がいいでしょう。食材以外にも飲み物を冷やしたりすると、意外とすぐにクーラーボックスがいっぱいになってしまうので、たためる保冷バッグがあると便利ですよ」

3COINS「フラミンゴ柄のピクニックグッズ」
324円

 

3COINS「レインポンチョ ギンガム柄」
324円

 

セレクトショップでお気に入りグッズを揃えてみる

何度かキャンプに行って慣れてきたら、機能性と見た目のオシャレさを兼ね備えたグッズを自らチョイスしてみましょう。こいしさんのおすすめは、「OUTDOOR SHOP DECEMBER」というセレクトショップ。オリジナルのグッズが多いから人とカブリにくく、女性が好きそうなかわいいものが揃います。

 

「当店はアウトドアグッズの取り扱いが中心ですが、それ以外にもアウトドアで使えそうだなと思うアイテムもセレクトしています。オリジナルブランド『DAIS』の中では、薪やギアをスマートに運ぶことができるギア&ログキャリーや、キッチンペーパーホルダーにもなるキッチンロールケースが人気です。キッチンロールケースは、おたまや菜箸、カトラリーなどを入れ、S字フックなどをつけて吊るして使い、収納するときは巻いて持ち運びができます」(OUTDOOR SHOP DECEMBERオーナー・菊池さん)

DAIS「ギア&ログキャリーS(レッド)」
1万1772円

 

DAIS「ユーティリティ キッチンロールケース」
5940円

 


OUTDOOR SHOP DECEMBER
http://december.shop-pro.jp/

夏休みの予定がまだ決まっていない方は、キャンプを計画してみてはいかがでしょうか。澄んだ水に足を浸したり、おいしい空気で深呼吸したり、星空を見上げるなどの自然体験を通して、体も心もリフレッシュできる夏休みを過ごしてくださいね。

 

【プロフィール】


アウトドアコーディネーター/こいしゆうかさん

趣味だったアウトドアを世の女子たちに広めるべく、女性視点のキャンプスタイル“女子キャンプ”を提唱。「マツコの知らない世界」(TBS)などテレビやラジオ、雑誌などへの出演多数。テントやウエアなど、アウトドアメーカーとのコラボ商品も多い。イラストレーターとしても活動しており、ゆるくてちょっとシュールなキャラクターのイラストが人気。

 

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