昨年6月に銀座店を全面リニューアルした文房具店の伊東屋と、筆記具メーカーのぺんてるによる初のコラボ製品「ITOYA110 ペンジャケットシリーズ」が、9月12日に銀座伊東屋の製品発表イベントにて公開された。
これは、ぺんてるの水性マーカー「サインペン」、樹脂製チップを使った水性ボールペン「ボールぺんてる」、プラスチック製の万年筆「プラマン」に装着して使う、金属軸のアウターのようなもの。
対応するサインペン(1963年発売)、ボールぺんてる(1972年発売)、プラマン(1980年発売)は、どれも発売後数十年を数えるロングセラー。どれも手ごろな価格でありながら高品質ということで長年愛され続けてきたわけだが、近年、その古さのせいでユーザーに軽んじられているような風潮もあった。
そこで、新たにこの3種の筆記具をリファインするためのツールとして、「ITOYA110 ペンジャケット」が登場したのである。
使い方としては、真鍮製の後軸にサインペン・ボールぺんてる・プラマンをそれぞれ挿し込んだら、対応する調整リング・前軸を装着してキャップを閉めれば完成。手に馴染みのある筆記具が、まったく新しい質感の金属軸ペンに変身するのである。
まず、サインペンで直径Φ10㎜ほどだったのが、このジャケットで最大Φ15.3㎜と大幅に太軸化。さらに、真鍮の堅牢な手応えとずっしりとした重量が加わることで、筆記具としてまるで別もののようになっているのだ。
実際にペンジャケットを装着した状態で書いてみた所感だが、確かに、いままでにさんざん使ってきて記憶にある筆記感が、ガラリと変わっているように感じた。
例えば、もともと非常に万年筆チックな柔らかい書き味を持つプラマンは、金属軸化することでさらに万年筆っぽさがアップ。ずっしりとした軸の重みをペン先に乗せることで、より動きのある筆記ができるようになったようだ。ボールぺんてるとサインペンも同様に、軸の重さと剛性が書き味の変化につながっているように感じた。
ペンジャケットを、単なる見た目だけを変更するカバーパーツと考えると、5400円という価格は高額なようにも感じる。しかし、飽くほど使い込んだお馴染みの筆記具の良さを改めて引き出し、今まで以上に快適な筆記感を得るための拡張パーツと考えれば、納得の価格かも知れない。
この「ITOYA110 ペンジャケットシリーズ」は、まず9月13日に銀座伊東屋「G.Itoya」にて先行発売。その後、10月から伊東屋全店にて順次発売される予定だ。