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2023/6/20 15:00

いまさら聞けない米国の「ジューンティーンス」とは? その意味や背景を説明

米国で6月19日は「ジューンティーンス」と呼ばれる日。同国では一番新しい祝日ですが、イリノイ州では銃乱射事件が発生したと報じられています。一体この祝日にはどんな背景があるのでしょうか?

↑ジューンティーンスの意味とは?

 

そもそもジューンティーンス(Juneteenth)とは何でしょうか? リーダーズ英和辞典によれば、語源は「June + nineteenth(6月19日)」で、この2語が混成してジューンティーンスという言葉になりました。その意味については、特にテキサス州で1865年に奴隷解放が発表されたことを記念して祝うと説明されていますが、同州では1862〜63年の奴隷解放宣言から2年以上が経ったときに奴隷が解放されたのです。

 

それから長い年月が過ぎた2021年、ジョー・バイデン大統領がこの日を米国の祝日として制定しました。その前年には「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が起きていますが、ジューンティーンスは人種差別問題への意識を高める役割を担っています。

 

しかし、ジューンティーンスにはさまざまな側面がある模様。まずは文化戦争。共和党の一部の政治家はジューンティーンスを米国の白人を悪者にでっち上げるための企みだと見ているそうです。かつての米国社会ではWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)が優位でしたが、今日そのヒエラルキーは大きく崩れつつあります。イリノイ州で発生した銃乱射事件の真相は不明ですが、2024年の大統領選挙を前に不穏な雰囲気が漂っていることが伝わってきます。

 

また、この祝日には商業的な側面も。企業の中には、ジューンティーンスを新たなマーケティング機会と捉える会社もあります。他方、一般の人々の中にはこの日の意味や歴史に関心を持つことなく、ただパーティーを開いて楽しむ人も少なくないそう。こうなると、日本のクリスマスと同じように見えてきます。

 

このように、複雑な背景があるジューンティーンス。米国の分断を象徴しているとも見れるでしょう。米・ハワード大学のグレッグ・カー准教授は、いみじくも次のように述べています。「ジューンティンスは米国の将来を占うリトマス試験紙である」

 

【参考記事】
NPR. Juneteenth, the newest federal holiday, is gaining awareness. June 19 2023
The Guardian. Juneteenth: how did the holiday start and how is it celebrated today?. June 19th 2023