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2020/8/26 18:00

まるで“ほんやくコンニャク”!? 翻訳機能付きワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」に感じる未来感

気になっていた低音の迫力不足もすでに解決

初期設定後、「YouTube Music」や「Spotify」で音楽を聴いてみました。最近のJ-POP、K-POP、80年代の洋楽など、いろんな楽曲を聴き比べてみましたが、低音域から高音域まで歪みがなく豊かでクリアに聴こえました。ボーカルの細かい息づかいなども聴き取れます。筆者は、現在3つのワイヤレスイヤホン(AirPods、Galaxy Buds、Soundcore Liberty Air2)を使っているのですが、それらと比べても音質は良いほうだと感じました。

 

ただし、低音の響きが弱めで、ボリュームをフルに上げてもさほど“大音量”にはならず、迫力には欠ける印象も。耳に優しいともいえますが、重低音を響かせて音楽に浸りたい人は物足りなく感じるかもしれません。しかし、発売後にアップデートがあり、低音を強調する「バスブースト」が追加されました。好みの音質に変える機能は、今後も追加されることを期待していいでしょう。

↑Pixel Budsの設定画面。発売直後に低音のレベルを上げる「バスブースト」という機能が追加された。周囲の環境に合わせて自動で音量が調整される「アダプティブ サウンド」機能も備えている

 

Pixel Budsには、環境音を適度に取り込む空気孔があります。音楽を聴いているときでも周囲の気配がわかる仕組みで、例えば音楽を聴きながら街を歩いていると、セミが鳴く声が静かにザワザワと聞こえたり、車が近づくとその気配がわかったり。しかし、気になる音量ではなく、音楽に環境音がミックスして聞こえるような感じです。

 

筆者はスポーツジムで使うことが多かったのですが、館内アナウンスがあると、その内容は聞き取れないものの、アナウンス中であることはわかりました。1日中イヤホンを着けていたいという人には、安心感が得られる、非常に良い機能だと感じました。

 

反面、周囲の雑音が聞こえることをデメリットと捉える人もいるでしょう。Pixel Budsには「パッシブノイズキャンセリング」という、イヤホンの物理的な遮音性で周囲の音を聞こえにくくする技術が用いられています。しかし、先述の通り、雑音が低減されるだけで、消えるわけではありません。最近人気を集めている「アクティブノイズキャンセリング」は、周囲の音を検知して、逆位相の音を出すことで積極的に雑音を消す機能です。それが必須であれば、アップルの「AirPods Pro」やソニーの「WF-1000XM3」など、より高価なモデルを選んだほうがよさそうです。

 

タップ操作のしやすさは出色。Googleアシスタントも活用

イヤホンをタップすると、音楽を再生・一時停止させたり、ダブルタップして次の曲に切り替えたりできます。さらに、前方になぞると音量が大きくなり、後方になぞると音量を下げられます。機種によっては、このタップ操作がしづらかったり、思うように反応してくれないことがあるのですが、Pixel Budsはフラットなスペースが広いこともあり、タップやスワイプがしやすく感じました。

↑タップ操作は一般的なものなので、すぐに使いこなせる。設定を変えることも可能

 

Androidスマホと接続させて使う場合、イヤホンを長押しする、もしくは「OK Google」と話すと、Googleアシスタントを起動できます。「いま何時?」「今夜の天気は?」「最新ニュースを聞かせて」などと話して、スマホを手にすることなく、必要な情報を聞き出すことができます。筆者のように、普段Googleアシスタントを使うことが多い人には非常に便利で、これだけでもPixel Budsを買う価値があるように感じました。

 

メッセージやメールが届くと、小さくチャイムが鳴って知らせてくれて、イヤホンをタップすると通知を確認できます。メッセージを受信した場合は全文を読み上げてくれて、それに声で返信することもできます。Gメールは送信者と件名だけが告げられ、本文は確認できないのですが、件名だけでもすぐに読むべきメールかどうかの判断ができるので便利です。

 

リアルタイム翻訳のためだけに買うのもアリ

注目の「リアルタイム翻訳」機能を使うには、まず、スマホに「Google 翻訳」アプリをインストールする必要があり、使用する言語データをダウンロードしておかなければなりません。

 

日本語と英語の翻訳を行うには、Pixel Budsを装着した状態で、スマホで「Google 翻訳」アプリを起動し、イヤホンを押しながら日本語を話すと、その翻訳結果がスマホの画面に表示され、音声も出力されます。スマホ画面で「English」アイコンをタップして、相手に英語で返事をしてもらうと、翻訳結果が画面に表示されると同時に、イヤホンからも聞こえる仕組みです。

 

本来は、実際に外国語のネイティブスピーカーと話して試すべきなのですが、そんな機会はなかったので、自分で話したり、外国語の音声を聞かせて、スムーズに翻訳されるかどうかを試してみました。比較的長いスピーチでも、まるで同時通訳者のように翻訳してくれて、英語で行われる会議や講演などでも役立つように感じました。ここ数年、人気を集めている音声翻訳機よりも断然使いやすい印象です。

↑様々な言語を翻訳してみたところ。音声だけでなく、画面にも表示されるので、相手に伝わりやすい。なお、Googleアシスタント機能を使う仕様になっているため、オフラインでは利用できない

 

コロナウィルスが終息し、海外旅行や出張に行けるようになったら、積極的に使ってみたいと思える機能でした。この翻訳機能も、Pixel Budsの購入を決める動機となり得るでしょう。

 

Google謹製ということで注目の完全ワイヤレスイヤホンでしたが、実際に使ってみると、音質だけでなく、スマホのハンズフリー操作や翻訳にも役立つ多機能なデバイスという印象でした。用途によっては、2万800円は決して高くないかもしれません。

 

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