菓子やアイス、乳製品の食品を扱う明治を含む明治グループは今年で創業100年。そして、同社の代表作である明治ミルクチョコレートは、発売から90周年。誰もが口にしたことのある超スタンダードチョコの秘密とは――?
MEIJIのシンボル――板チョコ
企業ロゴが大きくデザインされる明治ミルクチョコレートは、板チョコと聞いてあらゆる人が思い浮かべる一品です。明治のシンボルであることはパッケージのロゴからも一目瞭然です。
90年前の発売以来レシピがずっと変わっていない、伝統の板チョコレート。そのような製品は明治内でもほかに存在せず、完成度の高さを示すエピソードです。一方で、原材料の品質は絶えずブラッシュアップされ、おいしさが進化し続けています。
長く愛される理由はカカオとミルクのバランス
“チョコレート、チョコレート、チョコレートは明治”。このフレーズは1966年に生まれ、CMなどで50年間歌い継がれています。それだけ明治とチョコレートの関係は濃密ですが、その象徴は明治ミルクチョコレート。1926年の9月13日に発売がスタートしました。
たい焼き1個が1銭5厘だった当時、10銭、20銭、70銭の3種で販売された明治ミルクチョコレートは贅沢品でしたが、時代の変化で次第に身近なものになっていきました。その理由や味の秘密を、明治で商品開発に携わる山下舞子さんに聞きました。
「味は何度か見直され、原材料の品質が都度進化してきました。ただ、“レシピはそのまま”というのが最終的な答え。長く愛していただいている味は、カカオとミルクのバランスが理想的な、明治ミルクチョコレートらしいおいしさになっています」(山下さん)
革新的な製品すべての原点にミルクチョコレートがある
カカオ豆の種類を吟味し尽くし、ローストを徹底的に研究。そこから生まれるカカオの深みと香ばしさにミルクのコクが加わり、包み込むようにやさしい味です。
「明治ミルクチョコレートの味は、社内で新しいチョコレート商品を開発する際の“基準”になることも多くあります。この味をベースとしつつ、商品のコンセプトなどによって、原材料やレシピなどを調整していくという手法を用いているのです」(山下さん)
同社は、独特な食感がおいしいガルボや、カカオ豆の選別や製法にこだわった明治 ザ・チョコレートなど、革新的なチョコ商品を発表し続けています。その原点には、日本のチョコレートの“文化遺産”ともいうべきミルクチョコレートがあり、その知見や誇りが新たな傑作を生む原動力になるのです。
明治
山下舞子さん
菓子商品開発部に所属。明治ミルクチョコレートをはじめ、多くのヒット作の裏で日々研究を続けています。
MEIJI’s History
1916 明治製菓の前身、東京菓子を創立
1924 明治製菓に社名変更
1926 明治ミルクチョコレートを発売
1928 明治牛乳を発売
1961 マーブルチョコレートを発売
1962 アーモンドチョコレートを発売
1968 日本初のスナック菓子カールを発売
1971 チェルシーを発売
1975 きのこの山を発売
1992 メルティーキッスを発売
2009 明治ホールディングスを設立し、明治製菓と明治乳業が経営統合
【URL】
明治 http://www.meiji.co.jp/
明治ミルクチョコレート http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/