街中華のなかには、ときに個性的な料理が名物となっている店がある。今回紹介する、キラー通りの「中華風家庭料理 山之内 神宮前店」もそんな一軒だ。たとえば、冷やし麺タイプの「ねぎそば」。夏季限定ではなく、冬でもオーダーが絶えない同店の大定番である。ほかにもトガったメニューが異彩を放つ、同店の魅力をお伝えしよう。
シンプルなねぎそばと納豆チャーハンはクセになるウマさ
この「ねぎそば」は見た目こそ非常にシンプルであり、使われている食材も必要最低限。麺のうえに白髪ねぎと刻みチャーシューがのり、茶褐色のタレがかかった潔さ満点の一品だ。
ところが、ひと口食べると箸はもう止まらない。特製のしょうゆダレは程よい濃さで、シャキっとしたねぎとも相性抜群。シンプルゆえに単調になるかと思いきや、それぞれのキャラクターが際立っているのでまったく飽きることがない。しかも、さらに味のマンネリ化防止に一役買っているのがチャーシューだ。
ただ、肉の存在感をプラスするだけではない。八角という、本格中華でおなじみの甘味を帯びた香辛料が隠し味に使われており、これが好アクセントを演出する。なお、「納豆ねぎそば」(850円で、こちらは昼も夜も同価格)というさらに個性的なメニューもあるのだが、この納豆自体も「山之内」の魅力だ。
いくつかの納豆メニューがあり、なかでも多くのファンを持つのが「納豆チャーハン」。納豆だけでなく、細かく刻んだにんじんが入っているのも特徴で、ほんのりと甘みを加えている。そして一般的なチャーハンよりしょうゆの味が強めになっており、これは納豆との相性をよくするためのテクニックだ。