2. カリフォルニア州ソノマ・カウンティ
− カリフォルニアの高級ワインはソノマから始まった −
1848年に始まったカリフォルニアのゴールドラッシュは、当時人口200人ほどの開拓地だったサンフランシスコに、数万人の人々を集めたといいます。そのなかの一人だったハンガリーからの移民、アゴストン・ハラジィが、約300品種ものヨーロッパ系ブドウを持ち込んだことから、カリフォルニアワインの歴史が始まりました。彼が1857年に設立したカリフォルニア初めての商業ワイナリー「ブエナビスタ」は、所有者こそ変わりましたが、今もソノマの街東部の渓谷に残っています。
マヤカサス山脈を挟んで東に隣り合わせるナパ・ヴァレーと並んで、カリフォルニアを代表する銘醸地であるソノマには、素晴らしいブルゴーニュ品種を産み出すトップワイナリーがひしめき合っています。「マーカッシン」やAVAロシアン・リヴァー・ヴァレーの「Jロキオリ」「キスラー」といった北部のピノ・ノワールは、愛好家にとってブルゴーニュの銘醸ワインと同じか、時としてそれ以上に心を揺り動かされるワインであり、AVAロス・カーネロスのシャルドネは、生産者の個性を表現した芳醇で欠点のない味わいを醸し出しています。そういったソノマの珠玉のワインのそれぞれは、ハイブランドというよりも希少なローカルワインといった雰囲気で、メーリングリストに登録した顧客を中心に流通しています。
ただ、そういった高級ピノ・ノワールとシャルドネだけが、ソノマのワインではありません。土壌型はソノマだけで30を超え、フランス全土を上回る土壌多様性を持っているため、ブドウ品種のバラエティ豊かな産地でもあるのです。
カリフォルニア独自のブドウとして栽培されている「ジンファンデル」は、イタリアの「プリミティーヴォ」、クロアチアの古代品種「ツールイェナック・カステランスキー」と遺伝子的には同一であり、クロアチア由来でアメリカに渡ったといわれています。この品種がカリフォルニアにもたらされたのも、やはりゴールドラッシュの時代でした。そして独自の名前、歴史、スタイルを持ったアメリカの伝統的なブドウ品種として、現在でも盛んに栽培されています。
写真のオールド・ヒル・ランチは、ソノマでももっとも古い畑のひとつで、ジンファンデルを中心にさまざまな品種のフィールド・ブレンド(畑に複数品種の混植)のワインです。カリフォルニアワインのルーツ、オリジナルはソノマ・カウンティに今も残っており、中心都市のひとつ美食の街として知られるヒールスバーグに軒を連ねるレストランのワインリストには、多様なソノマワインがオンリストされています。
Bucklin(バックリン)
「Old Hill Ranch Field Blend2018(オールド・ヒル・ランチ・フィールド・ブレンド2018)」
オープン価格
輸入元=布袋ワインズ