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2023/5/4 10:45

マッチングサービスで食品ロス削減! 注目の“フードシェア事業”サービス4選

余剰や訳アリ品を売りたい作り手とおトクに買いたい消費者をつなぐ
マッチングサービスが食品ロスを解決 ~フード 編~

※こちらは「GetNavi」 2023年4月号に掲載された記事を再編集したものです

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私がガイドします!

フードライター
中山秀明さん
フードアナリストでもあり、業界のトレンドに詳しい。食品ロスには敏感で、試食は残さず食べるか持ち帰るのがモットー。

 

フードシェア事業が多様化 利用者増が市場のカギを握る

 

SDGsには「飢餓をゼロに」「つくる責任、つかう責任」「海(陸)の豊かさを守ろう」など、食に関連する目標が多い。この考えに賛同してフードシェア事業を始めるスタートアップも増えている。

 

「余剰や訳アリ品を売りたい作り手と、おトクに購入したい買い手を結ぶマッチングサービスが多いですね。中食店や外食店と消費者を結ぶプラットフォーム、TABETEが有名です」(中山さん)

 

同社はパンや惣菜などの料理が中心だが、野菜や肉、魚、加工品などをメインとするサービスも。

 

「訳アリ食品の売買サービスLet、売り手が生産者やメーカーであるtabeloop、無人販売機でCO2削減にも取り組むfuuboなど、業態は実に多様。今後も注目です」(中山さん)

 

これらのサービスはまだ開始5年以内。利用者が増えれば、より市場は活性化していくはずだ。

 

 

【その1】食品ロス削減アプリ「TABETE(タベテ)」

作り手の「食べて」の想いを 「食べ手」がムダなくおいしく受け取る

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TABETEは、店頭で売り切るのが難しくなった食品を、アプリを通じてユーザーがおトクに購入できるサービス。

 

「お店側としては作ったぶんだけを売り切るのが理想。しかし品物が売れていけば商品棚には空きが出て売れ残りのように見えてしまい、消費者が手に取りにくい。そうならないよう、あらかじめ廃棄を見越してでも多く作るという商習慣が業界には存在します。このジレンマを解決する救世主が、TABETEだと言っていいでしょう」(中山さん)

 

お店側は、廃棄せざるを得なかった商品の販売機会を得られ、消費者側は店頭よりリーズナブルな価格で購入可能と、Win-Winの関係が成立する。

 

「食品ロス削減にもつながり、環境面でもやさしい仕組みとなっています。個人的にはもっと広がってほしいですね!」(中山さん)

 

2023年2月現在で2483店舗と提携し、累計約54.3万食をレスキュー(※TABETEでは食品ロス商品の購入を「レスキュー」と表現する)。パンや惣菜、スイーツのほか試作品、まかない品など検索できるカテゴリを75種類以上揃える。好みのお店はもちろん、いままで食べたことがないお店の商品とも出会える。

 

■サービス開始年月 2018年4月
■会員数 約69万人(2023年2月現在)
■サービス展開エリア 全国(首都圏、金沢市、大阪市、福岡市、名古屋市など)
■利用料金 商品代金のみ(登録料・月額料金なし)

 

 

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↑クレジットカードで決済可能。購入したい商品を見つけたら、その場から数タップでスマホ決済して、受け取りに行くだけと簡単だ

 

\もっとおトクワザ!/

レスキュー数に応じて 値引きできるパスが付与される

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\試してみた!/

残りもの感はまったくなしで 本格的なフードをおトクに食べられる!

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今回は、自宅付近のお店で検索してハンバーガー店に決定。本格的なハンバーガーとポテトのセットが1785円01400円で食べられるなんておトクすぎ! “廃棄感”もなく、また利用したくなった。

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↑レスキューするとミッションや経験値、レベルなどをもらえる。ゲーム要素があって楽しく、ついつい活用したくなる♪

 

 

【その2】食品ロス削減アプリ「Let」

訳アリ品を処分したい人と 安く購入したい人をマッチング

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規格外品や余った在庫など、訳アリ品を売買できるアプリ。アプリをダウンロードして審査を通過すれば、最短1分で販売できる手軽さだ。訳アリ品を処分したい人と、安く購入したい人をマッチングする新しいマーケットとして注目を集めている。

 

■サービス開始年月 2020年5月
■会員数 約500万人 (2023年1月現在)
■サービス展開エリア 全国
■利用料金
【購入者】商品代金+送料のみ(プレミアム会員は月額290円/年間2800円)
【出品者】売れたときのみ商品代金の10%の手数料

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↑販売実績がある出品者の商品には、過去の取引についての評価が口コミで掲載。初めての取引でも、安全に比較検討して購入できる

 

\もっとおトクワザ!/

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プレミアム会員には 様々な優待を用意する

有料のプレミアム会員(月額290円)は様々な優待を利用可能。一般会員よりポイント付与が多く、さらに送料のポイントバックは1か月あたり上限1000ポイントもらえる。保証付き。

 

 

【その3】食品ロス削減サービス「tabeloop」

市場に流通しなかった 生産者の食品をおトクに購入

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味は問題ないが形が不揃い、傷があるなどの理由で市場に流通されない野菜や果物、賞味期限が近い訳アリの加工品などを低価格で購入できるサービス。商品への想いや苦労など販売者の記事も掲載する。産地直送で届けてくれる姉妹サイト「産直tabeloop」も展開。

 

■サービス開始年月 2018年6月
■会員数 約2万人
■サービス展開エリア 全国(店舗は東京都世田谷区三宿)
■利用料金
【購入者】商品代金+送料のみ
【出品者】取引成約時のみ15%の手数料

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↑2022年6月には、三宿(最寄り駅は池尻大橋)に実店舗「たべるーぷショップ」をオープン。営業時間は13〜19時で、日・月・祝日が定休日となる

 

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対象商品を実店舗で受け取れば 通常価格よりも安く購入できる

複数購入すると送料が割引になる商品も掲載。さらに、東京にオープンした対面型販売の実店舗「たべるーぷショップ」で受け取れる場合は、通常より割安で購入できる商品も。

 

 

【その4】フードロス削減ボックス「fuubo」

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フードロス品を無人機で販売し フードロスとCO2削減に貢献 賞味期限の近い食品や季節限定品など、市場に流通できなくなった商品を定価の3〜9割引きで販売。無人販売機を活用することで、食品ロスの削減に加えてCO2排出の削減にも貢献する。非接触で手軽かつ安心なのもポイントだ。

 

■サービス開始年月 2021年6月
■会員数 約3万人 (2023年2月現在)
■サービス展開エリア 全国34か所
■利用料金 商品代金のみ

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↑設置場所によって、飲料など様々な商品を展開。例えば原宿ではネスレの「ネスカフェ」製品を販売している

 

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購入ごとにもらえる ポイントで安く商品をゲット

アプリから商品検索してキャッシュレス決済後に、販売機にあるQRコードを携帯で読み取り届いた番号を入力するだけ。場所によるが、購入ごとにポイントが付与され、1ポイント=1円として利用できる。