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2019/1/15 21:20

iPad ProのeSIM機能を試してみた - 失敗もしたけれど、やっぱり海外渡航が驚くほど便利に

2019年の秋に発売された第3世代「iPad Pro/Wi-Fi+Cellurarモデル」には、通常の物理nano-SIMカードのほかに、SIMカードスロットへの差し替えが不要な埋め込みタイプのデジタルSIM機能「eSIM」が搭載されています。今回、筆者は米国ラスベガスで開催されているエレクトロニクスショー「CES」の取材現場に、iPad Proを持ち込んでeSIMの活用方法を検証してみました。

 

↑アメリカへの取材旅行にて、新しいiPad Proに搭載されたeSIMを使ってみました

 

2016年に発売された「iPad Pro 9.7インチ/Wi-Fi+Cellurarモデル」から、Apple独自規格のApple SIMが搭載されていました。以降に発売されたiPad ProのWi-Fi+CellurarモデルでもApple SIMが使えましたが、昨年秋に登場した第3世代のiPad Pro 12.9インチと11インチから業界標準のeSIMに切り替わり、iPhone XS/XS Max/XRとともにnano-SIMとeSIMのデュアルSIM対応になりました。iPhoneとの違いは、iPad Proは引き続き音声通話に対応していないことです。

 

 

デュアルSIMになってできること

デュアルSIMを活用すると、たとえば1台のiPad Proに国内での通信用SIMを装着したまま、海外旅行に出かけた時に現地のデータプランを追加して、こちらにスイッチして使えます。筆者は昨年までCESの取材にポケットWi-Fiを持ち込んでいたのですが、機材を持ち歩く手間が省けるし、eSIMの方が通信料金を安く抑えられるプランが選べるだろうと期待して、今回はチャレンジしてみました。

 

eSIMの機能を活用するにあたって、出発前に色々と調べたところ香港の通信事業者である「3 Hong Kong(香港)」が、アメリカで使えるプリペイドタイプのeSIMプランを提供していることがわかりました。4G LTE通信を10日間利用できて、価格は138香港ドル(約2000円)ということで、ポケットWi-Fiを借りるよりはだいぶお得。Webサイトでチェックすると新しいiPad Proにも対応しているようなので、使ってみることにしました。

 

↑国内にいるときに「3香港」を契約。設定を終えて安心して旅立ったのですが、とんでもないミスをしでかしていたことに、日本を発ってから気がつきました…

 

3香港の通信エリアは日本もカバーしています。通信事業者はNTTドコモになるようです。iPad Proの設定アプリを開き、「モバイルデータ通信」から「モバイル通信プラン」へ、「新規プランを追加」を選択すると、iPad Proのカメラが起動するので、3香港からメールで送られてくるQRコードをスキャンします。すると自動的にeSIMの設定がiPad Proに書き込まれてステータスが「3-3 有効」と表示されました。やれやれ良かった、これで一安心。

 

肩の荷を降ろして、eSIMをセットアップした日から出発まで2日ほど間が空いていたので、「モバイル通信プラン」の設定をふだん使っている物理SIMの側に切り替えてしまいました。実はこれが大きなミスだったことが、旅立ってから発覚します。

 

iPadで一度に利用できるモバイル通信ネットワークは1つだけです。プライマリの通信プランを物理SIMの側に切り替えてしまうと、なんとeSIMの3香港のプランが一発で「契約期間切れ」となってしまいます。QRコードをもう一度読み込んで再セットアップを試みたのですが、これも上手くいかず。3香港のチャットサポートに、経由地のカナダから、そして到着後にアメリカのホテルから何度か問い合わせをしてようやく自分の操作ミスであることがわかり、ひどく落ち込みました。でも3香港にはWebページなどに一言注意書きぐらい入れて欲しかったと思いますが、仕方ありません。私の調査と経験不足です。良い勉強をさせてもらいました。

 

私と同じように3香港の通信プランを新しいiPad Proで利用することを検討されていた方は、eSIMのセットアップを海外に出てから行うか、旅立つ前にセットアップしたとしても、帰国後までプライマリの通信プランを物理SIMの側に戻さないようご注意ください。

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