6月25日にアップルがiOS 13のパブリックベータを公開しました。iOS 13の新機能「オーディオの共有」を使うと、2台のAirPodsを同時に1台のiPhoneにワイヤレス接続してペアリスニングが楽しめるようになるとのこと。早速どんな機能か試してみましたので、操作方法の解説とあわせて所感をまとめます。なお本記事は特別な許可を得たうえで、iOS 13のパブリックベータ版をiPhoneにインストールして取材を行い、画面の画像を掲載しています。秋に予定されている正式リリース版ではサービスの仕様、画面のデザインが異なる場合もあります。
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ペアリングの方法はとても簡単です。私がいつも使っているAirPodsを先にiPhoneとペアリングしていたので、後から妻のAirPodsをiPhoneに近づけると、いつもの初期ペアリングのアニメーションが画面に表示されました。AirPodsのケースのペアリングボタンを長押しすると、ほどなくしてもう1台のAirPodsもiPhoneにペアリングされました。設定アプリのBluetoothオーディオ機器リストに2台のAirPodsが並んで表示されます。
でも、このままでもまだ後から接続した方のAirPodsで音は聴けません。ミュージックアプリを立ち上げて、画面下にあるAirPlayアイコンをタップすると「ヘッドフォン」にペアリングした2台のAirPodsの名前が表示されています。片方が空白になっている右端のアイコンをタップすると、ふたつのアイコンにチェックが入って「オーディオの共有」がセットアップ完了となります。
音楽を再生すると2台のAirPodsから同じ音楽が聴こえてきました。互いのAirPodsを片方ずつ交換してみても、左右の音のタイミングはズレていません。音量は各人が好みの値に設定できます。
アップル純正の「ミュージック」アプリ以外にもSpotify、Amazonプライム・ビデオ、Netflixにdアニメストアなどオーディオの共有は有効です。例えばわが家は私と妻の音楽の趣味が若干違うため、ペアリスニングを楽しむ機会はあまり訪れることがなさそうですが、スマホが大画面になったので、一緒に飛行機に乗って旅行に出かける機会があれば動画視聴にも便利に使えそうな気がしました。子どものいる家庭でも重宝しそうです。音と一緒に楽しむARアプリとも相性が良いかもしれません。
なお、今回1台のiPhoneに接続したAirPodsは、片方が今年の春に発売されたApple H1チップを搭載する新製品ですが、もう片方は2016年12月に即購入したApple W1チップ搭載の1stモデルです。世代の異なるAirPodsでも上手く機能しました。
片方をビーツのPowerbeats Proに変えてみても同じように1台のiPhoneに2台のイヤホンをペアリングして音を聴くことができました。ただ、Apple W1チップ搭載する他ブランドのイヤホンである「BeatsX」と最新のAirPodsという組み合わせはNGで、これまで通り音声がどちらか一方のイヤホンにスイッチしてしまいます。
これまでBluetoothのオーディオストリーミングは送信側であるスマホなど音楽プレーヤーと、受信側であるワイヤレスイヤホン・ヘッドホンの関係は1対1で通信するものでした。iOS 13の新機能「オーディオの共有」がこの常識を初めて打ち破ったコンシューマ向けのプラットフォームということになりそうです。
実はクアルコムも2018年に、複数のオーディオ機器へBluetoothで同時にオーディオ信号をストリーミングできる「ブロードキャストオーディオ」という技術を発表しています。こちらはまだ対応しているプラットフォームが登場していませんが、iOS 13が正式にリリースされる今年の秋までに、Android OS上で何か対抗策を仕掛けてくるのか要注目です。
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