コロナ禍を通して家で過ごす時間が長くなったことを契機に、ゲームをプレイするようになったライトゲーマーが増えています。この記事では、そんなライトゲーマーに向け、プレイ環境を整えるために投資すべきゲーミングデバイスを紹介します。多彩なゲーミングデバイスが発売されている昨今、何から買って良いのか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
FPSやMMOプレイヤーには必需品の「ゲーミングキーボード」
PCでゲームをプレイするなら、まず手を出したいのがゲーミングキーボードでしょう。キーが光るなど特徴的なデザインに目が行きがちですが、多数のキーの同時押しに対応していたり、独自のショートカットボタンを搭載していたりと、通常のキーボードにはない機能を備えています。キーボード操作が多いFPSやMMOといったジャンルのゲームプレイヤーにとっては、必需品ともいえるアイテムです。
キーボードは大まかに、キーボード内部の仕組みが異なる3つの方式があり、それぞれ異なった特徴があります。ローコストで小さな力でも押下しやすいメンブレン式、機械らしさを感じさせる独特の打鍵感が特徴のメカニカル式、押下時にほとんど音が鳴らない静音性とヌルッと沈む打鍵感がたまらない静電容量無接点方式です。
このうち、多くのゲーミングキーボードで採用されているのがメカニカル式。メカニカル式キーボードには、赤軸・青軸・茶軸・黒軸などと、キーの下に内蔵されている「軸」の種類が複数あり、色ごとに異なる特徴を持っています。たとえば、赤軸を採用したキーボードは打鍵音が静かで軽めのキータッチが可能、一方で青軸は強い打鍵感があり、キーを押した際の抵抗が強いといった違いがあります。
メカニカル式キーボードは製品のラインナップが豊富なうえ、上記のような特徴の違いがあるため、量販店のキーボード売り場をタッチして回っているだけでも楽しくなります。実際に製品を見て、試し打ちしながら、自分の肌に合うものを買うのが良いでしょう。
ちなみに、筆者の個人的なおすすめは赤軸です。打鍵感が軽いため長時間タイピングを続けていても疲労をあまり感じず、ゲームはもちろん仕事用にも使い回しやすいのがその理由。また、打鍵感のクセがほかの軸に比べて少ないので、ゲーミングキーボードを初めて使う人には扱いやすい軸だと考えています。
映画鑑賞などにも使える「オーディオ機器」
昨今のゲームは、迫力ある音をウリにするタイトルが多くなりました。それゆえ、オーディオ機器の品質を上げるのも良いゲーム環境を整えるのに必要な要素といえます。手っ取り早いところだと、ヘッドホンを使って耳元で音を鳴らすのが、ゲームの迫力を楽しむのにはうってつけですが、それ以外にも選択肢があります。
まずは、外付けのスピーカー。たとえば低音用のサブウーファーを搭載した機種では、部屋全体に凄みのある音を響かせてくれます。デスク上の場所を取ること、隣室への音漏れの懸念があることは欠点ですが、ヘッドホンと違って耳を塞ぐことがないので、ユーザーの疲れを招きにくいのも利点です。その利点を買って、筆者も2.1chサラウンドのPC用外付けスピーカーを長年愛用しています。
近年種類が多いサウンドバーも、音の質を上げるという意味では有用で、スピーカーの代わりになりうるアイテム。こちらは細長い棒状のため設置がしやすく、配線が増えないのが利点です。普段、テレビ画面でゲームをプレイしている人は、映画やドラマ視聴時に使えるのもポイントでしょう。
このほか、最近ではゲーミングネックスピーカーもあります。これは耳の疲れや隣室への音漏れを抑えながらも、耳に近い場所で迫力ある音を鳴らします。ゲームを取り巻くオーディオ環境はかなり充実していますし、音響環境の改善はゲームプレイ以外の、映画鑑賞などのシーンでも力を発揮するので、力を入れたいところです。
「ゲーミングディスプレイ」は目へのやさしさを重視したい
PCゲーマーはもちろん、PlayStation 5のようなコンソール機でも活躍するのがゲーミングディスプレイ。製品を選ぶ際、まず気になるのがリフレッシュレートでしょう。リフレッシュレートが高いディスプレイは残像が残りにくく、FPSでは移動する敵への狙いが定めやすくなるなど、ゲームプレイの快適性をアップさせてくれます。
しかし、ゲーミングディスプレイのスペック面で、あえて筆者が気にしたいのは目への負担に配慮した機能をどの程度搭載しているかです。
というのも、リフレッシュレートが100Hz(1秒間に100回画面が切り替わる)を超えてくると、体感レベルで差を感じることは人によって困難です。おまけに、それだけ高速のリフレッシュレートを実現するには、ゲーミングPCあるいはゲーム機側が高フレームレートでの出力に対応している必要があり、高価なGPUなどが求められます。つまり、100Hz以上の高リフレッシュレート環境を作り出すにはある程度の投資が必要な一方、ライトゲーマーにとってはそこまでする体感上のメリットがあまりないのです。
一方で、長い間画面を見ていると、確実にプレイヤーの目は疲れてきます。だからこそ、ゲーミングディスプレイのブルーライト抑制やフリッカーフリー(画面のちらつきを抑える機能)は重要といえます。近年は多くのディスプレイでこれらの機能が搭載されていますが、第三者認証を取得しているなど、機能の信頼性がより高いものを選ぶのが良いでしょう。
また、ゲーミングディスプレイのトレンドとしては、没入感を高める湾曲モデルや、アスペクト比21:9の超横長モデルの存在が挙げられます。これらのディスプレイは、プレイヤーの目の前を画面で埋め尽くしてくれるため、ゲーム世界への没入感はこのうえありません。特殊な画面形状ゆえに価格は安くありませんが、ゲームの世界に深く入り込みたい人は、量販店の店頭などで一度体感してほしいアイテムです。
マルチプレイには「ヘッドセット」や「マイク」が必須。マイクは単一指向性のものを
仲間との連携を楽しめるゲームのマルチプレイには、ボイスチャットのためのヘッドセットやマイクが必須です。
ヘッドフォンとマイクが一体になっているヘッドセットは、基本的には装着感の良し悪しで選ぶのが良いでしょう。長時間つけるものですし、それがプレイヤーの疲れを増やしているようでは困ります。装着感の好みには個人差が大きいため、量販店などで実際に装着して選ぶことをおすすめします。
ヘッドセットを使わないユーザーならマイクを使うことになりますが、この場合は必ず単一指向性のものを選びましょう。単一指向性マイクは一方向の音だけを拾うため、周囲のノイズが入りにくいという特徴があります。キーボードの打鍵音や、スピーカーの音を多く拾ってしまうようだと、ボイスチャットを繋いでマルチプレイを楽しんでいる仲間のプレイヤーに迷惑をかけてしまいます。マイクには、単一指向性のほか、全指向性、双指向性といったものがありますが、ゲームプレイの場合は確認してから買うようにしましょう。
ゲームプレイ=座りっぱなし。「ゲーミングチェア」への投資は費用対効果◎
当然のことですが、ゲームプレイ中、プレイヤーはずっと座りっぱなしです。すると、長く座っていても疲れない、高品質なイスを導入するメリットは大きくなります。そこで必要なのが、ゲーミングチェアです。近年非常に人気の高いアイテムであり、クッション性が高いもの、フットレストもついて仮眠までできるものなど、多彩なモデルが発売されています。さらにはゲーミング座椅子まで登場しており、座り心地を求めるゲーマーの多さを表しているといえます。
ゲーミングチェアは安価ではないものがほとんどですが、リモートワークなどゲーム以外の時間の座り心地も改善してくれるので、費用対効果は低くありません。ヘビーなゲーマーでなくとも、家で座っている時間が長い人にはおすすめできるアイテムです。
購入前に、店頭で肌に合うか試してみよう
ゲーム人気の向上とともに、ゲーミングデバイスの選択肢は大きく広がりました。そのなかで、全体についていえることは、量販店などで実際に商品を見てから選んでほしいということです。ゲーミングデバイスは視覚、聴覚、触覚といった、人間の感覚に関わるアイテムが多いため、人による好みの差が多く発生します。また、安くない買い物も多いので、買ってから後悔しないためにも、購入の前に一度体感してみたほうがいいでしょう。
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