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2024/9/20 12:00

「レトロiPhone」が若者に人気? 中古スマホ市場の今をゲオに聞いた

最近、若者の間で古いiPhoneが人気を集めています。特にiPhone 6sやiPhone SEといったモデルが「レトロiPhone」として注目を浴びているのです。中古スマホを販売するゲオモバイルでも、これらの機種の売上が急増しているとのこと。

 

このブームのきっかけは、ガールズグループ「TWICE」のメンバー、チェヨンさんのSNS投稿。古いiPhoneで撮影した写真や動画が話題を呼び、多くの若者がチェヨンさんに倣ってレトロiPhoneを手に入れるようになったのです。

↑レトロiPhoneブームのきっかけになった? TWICEのチェヨンさんの持ち物動画。9年前発売のiPhone 5cが写っています

 

株式会社ゲオのモバイル店舗販売推進部モバイル商品課マネージャー、藤巻亮さんによれば、「7月上旬の15日間だけで、iPhone 6sとiPhone SEが50台以上売れました」とのこと。当初は都内の一部店舗での現象だったものの、SNSでの拡散に伴って徐々に地方にも波及しつつあるようです。

 

とはいえ流行の発信地は渋谷になっているようで、藤巻さんは「やっぱり渋谷で多く売れていますね。国内国外含めて、渋谷が一番盛り上がっています」と語っています。

 

このレトロiPhoneブームで中古スマホの購入層はどう変化したのでしょうか。ゲオモバイルによると、主に買っているのは20代前半の若者たちです。

 

興味深いのは、中国や韓国からの留学生が多いこと。でも、これは帰国後の転売目的ではありません。藤巻さんによれば、「こちらに住んでいる外国人の学生さんが、日本での生活用に買っているようです」とのこと。レトロiPhoneが、留学生たちの日本での日常生活に溶け込んでいるのですね。

 

8月以降はどうなったのでしょうか。藤巻さんいわく、「ちょっと落ち着いたけど、まだまだ人気があります」。一時的なブームではなく、都心部では定着しつつある感じです。

 

地方への広がりについては、「都心でトレンドが定着しないと地方まで流れにくい」としながらも、地方の店舗でも「月に数件程度」のレトロiPhoneを求める声が聞こえるようになってきたとのこと。少しずつですが、確実に浸透し始めているようです。

↑取材に応じてくれたゲオ大塚駅南口店

 

↑7月中旬に取材したゲオ大塚駅南口店では、多くのiPhoneが並んでいました。ですが、iPhone 6sやiPhone SEは品薄だそうです

 

レトロiPhoneで作るショートドラマ

レトロiPhoneを求める人のトレンドも徐々に変化しているようです。藤巻さんは、「最初は写真撮影が目的でしたが、最近はTikTokなどに動画を投稿する需要が増えています」と指摘します。

 

写真を大量に撮影し、それをつなぎ合わせて短い動画を作るスタイルが流行中。「エモい感じの自作ショートドラマ」のような作品を作る人も増えているそうです。

↑Tiktokでも昔のiPhoneをレトロなカメラとして使う動きが広がっています

 

 iPhone 6sやiPhone SEがちょうどいいレトロ感

今はiPhone 6sとSEが人気です。その理由について、藤巻さんはこう説明します。「これらのモデルが、今のお客様が求める”レトロ感”にぴったりなんです。それ以降のモデルだとまだ新しすぎて、レトロ感が出ないようです」。

↑取材時のiPhone 6の販売額は4880円(税別)で、iPhone 6sは4980円(税別)~。レトロカメラと考えると高額ではありません

 

一方で、これらのモデルには“古すぎない”のもポイントです。充電端子のLightningは、iPhone 14までの比較的新しいモデルと同じ。そのため、充電器の互換性が高く、便利に使えます。ゲオが現行商品として扱うなかでも手頃な価格で、かつ充電器の互換性もあって便利ということで、iPhone 6sやiPhone SEは”ちょうどいい古さ”になっているようです。

 

藤巻さんはこう予想します。「カメラの性能がどんどん上がっていくことによって、それと比較するとiPhone 7やiPhone 8は、最新機種と比べるとレトロに移る時代が来るのかもしれません。ただ、現状のお客様がおっしゃるレトロ感というのは、iPhone 6、iPhone 6s、iPhone SEより前のモデルなんです」。

 

中古スマホ市場にとっては期待できる流れ

レトロiPhoneブームは、SNSの影響力と若者のトレンド感度の高さを如実に物語っています。中古スマホ市場も、この新しい流れをうまく取り込むことで、さらなる拡大が期待できそうです。

 

また、このブームをきっかけに中古スマホの魅力を知った若者が、将来的にもリピーターとして定着してくれる可能性もあります。一時的なブームで終わらせずに、長く付き合える関係を作れるかが、これからの中古スマホ市場の大きな課題となりそうです。

 

レトロなのに新しい、古いのに最先端。そんな不思議な魅力を持つレトロiPhone。みなさんも一度(もう一度?)、触れてみたくなりませんか?

↑レトロiPhoneはゲオの通販サイトでも購入可能です