24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は132万人(※2024年10月3日現在)を超え、日々の生活を支えるコンテンツとして、ますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開。レギュラーでの連載は一度終了を迎えたものの、現在は不定期連載として復活し、再びウェザーニュースLiVEで活躍する皆さんにインタビューを敢行中。今回はその特別編として、この春に復帰された江川清音キャスターと白井ゆかりキャスターが登場。現在は広報や番組制作も兼務しているお二人に仕事の内容をお聞きするとともに、内側と外側から見たウェザーニュースLiVEの魅力をたっぷりとうかがいました。
<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>
【連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」一覧はこちら】
【江川清音さん&白井ゆかりさん撮り下ろし写真】
新たな仕事に携わったことであらためて感じたウェザーニューズのすごさ
──お二人は今年(2024年)の5月にSNSを通してウェザーニューズ社に復帰された報告をされていましたね。
白井 私は、5月の連休明けに戻ってこようというのを以前から決めていました。
江川 私も(復帰は)5月頃かなと思っていて。偶然にも同じタイミングの報告になったんです。
──久々に出社されたときはどのようなお気持ちでしたか?
白井 なんだか不思議な感じでしたね。言葉で表すなら、一番近い感情は“そわそわ”だったかも(笑)。
江川 うん、わかる!(笑)
白井 “会社に来たぞ!”という喜びもありましたが、久々の雰囲気にそわそわドキドキして、でもどこか懐かしさもあって……。そのあとすぐに、“あぁ、やっぱりここはホームだなぁ”という気持ちが湧き上がってきました。
江川 私もそうでした。会社のフロアに足を踏み入れた瞬間、“ただいまー!!”って言いたくなって(笑)。“本当に戻ってきたんだなぁ”としみじみもしましたね。
──視聴者にとっても「おかえりなさい!」という気持ちが強かったと思います。今はキャスター以外のお仕事もされていて、すでに番組の中でも少しずつお話をされていますが、あらためてその内容についてお聞かせいただけますか?
白井 私はウェザーニュースLiVEの番組制作や企画などを担当しています。具体的には、番組に出演しているキャスターや気象解説員の皆さんの音声チェックであったり、事前に番組用に用意した画像や映像資料などを画面に映す「素材出し」といった裏側の仕事ですね。また、サポーター(視聴者)の皆さんがYouTubeのチャットにリアルタイムでコメントを寄せてくださるので、それらを抜粋して、画面に出したりもしています。
──“ポヨン”と呼ばれている吹き出しのコメントですね。
白井 はい。ですので、キャスターをしているときよりも皆さんのコメントをよく読んでいます(笑)。“サポーターさんはこんなことを思っているんだ”と知ることもできて、すごく楽しいです。
──白井さんはお休みに入られる前から、「復帰するときは制作側の仕事をするかも」とお話しされていましたが、その夢が叶ったということでしょうか。
白井 以前から動画の編集に興味があったんです。キャスターとして一番近い場所からスタッフたちのクリエイティブな作業を拝見していましたし、もともと趣味で写真も撮っていましたので、映像を作る仕事にも挑戦してみたいなと思っていて。そうしたら、産休明けのタイミングでチャンスをいただけたので、「ぜひ!」という思いでやってみることにしました。また、今はそうした番組制作の仕事以外にも、まだ入社して歴の浅いキャスターに向けた研修などもさせていただいていますので、本当に幅広くいろんなことをやらせてもらっています。
江川 ゆかりん(白井キャスター)がすごいのは、そうした研修を誰かに指示されたわけではなく、キャスター全体のことを考えて自主的に行っているところなんです。「これから大雨や台風が増える時期になるから、そのときになって困らないように、今からしっかりと対処法を身に着けておこう」と言って、積極的にみんなに声をかけて。その行動力はもちろん、後輩や番組を思う気持ちが本当に素敵だなって思います。
白井 清音さんに褒められた! うれしい!! ただ、実際に研修をしてみると、みんなすごく成長しているので、私からは何も言うことがないんですけどね。むしろ、“何か言わなければ……”と思って、頑張って絞り出すことがほとんどなんです(笑)。それに、私が積極的に行動に起こさなくても、みんなのほうから「ぜひ私にも教えてください」と声をかけてくれることも多くて。そういった言葉をもらうと、“みんな、もう一歩レベルアップしたくて頑張っているんだな”と思えて、私もうれしくなる。ですので、私も求められる限り、みんなのお手伝いになれればなと思っています。
──江川さんは復帰後、広報としても活躍されていますが、どういった経緯だったのでしょう?
江川 上司からの提案でした。急な話だったので驚きましたが、私もせっかくのチャンスだと思って飛び込んでみることにしたんです。具体的な仕事内容としてはBtoSの広報になります。一般的にはBtoC(Business to Consumer/企業と一般消費者・個人)と呼ばれるものですが、ウェザーニューズでは“Business to Supporter(企業とサポーター)”と表現しているんです。
白井 ウェザーニューズやウェザーニュースLiVEを扱ってくださるテレビ番組などで広報として登場している清音さんの姿を観る機会も増えましたよね。
江川 そうしたテレビ番組などのメディア対応も仕事の一つですね。ほかにもウェブサイトの運営であったり、ウェザーニューズが新聞やネットの記事でどれくらい取り上げられているかなどのデータを収集したり。もちろんウェザーニュースLiVE自体にも携わっていて、番組をもっと盛り上げるための企画会議などにも参加しています。
──SNSで江川さんがウェザーニューズのプレスリリースを紹介している投稿を拝見したことがありますが、リリースの記事も書かれているんですか?
江川 はい、めちゃめちゃ書いています!(笑) 例えば「猛暑見解2024」では予報センターの方に「今年は暑くなりそうですか?」と夏の気候の長期予報をお聞きしてプレスリリースの草案を作り、それをよりわかりやすく伝えるために、デザイナーさんに天気図なども描いていただいたり。初めてのことで大変ではありますけど、今まで以上に会社のことを知れて、すごく楽しいです。
白井 わかります! 私も、会社の取り組みについて意外と知らないことがたくさんあるんだなと実感しました。
江川 これまではキャスターとして番組内で扱う気象に関する情報を目にすることがほとんどでしたので、会社の業務の細部までは把握しきれていなかったんです。でも、実際には私たちの生活に関することだけじゃなく、海上気象や航空気象、それにスポーツやイベントなどあらゆる場面でウェザーニューズの気象データや情報が活かされている。なかには、“こんなところでも!?”と驚くことがありますので、いつかウェザーニュースLiVEの番組の中で広報・江川としてのコーナーを作り、ご紹介していけたらなと思っています。
番組に関わっている全ての人に拍手を贈りたい!
──お二人はそれぞれ新たな立ち場から客観的にウェザーニュースLiVEを見る機会が増えたかと思いますが、あらためて感じるウェザーニュースLiVEの良さとはどんなところでしょう?
白井 やはり、一番にあるのは番組と視聴者の距離の近さだと思います。サポーターさんからリアルタイムで送られてくる気象情報をスタッフたちが即座に処理し、それをキャスターに渡して番組内で発信していく。そうしたバトンの受け渡しがすごくきれいにつながっているなと強く感じます。
──突然の気象の変化や地震が起きたときのチャットのコメントの多さと、それを素早く情報として伝えていくスピード感にはいつも驚かされます。
白井 どのくらい揺れたかといった体感や雨量の多さなどを、皆さんがチャットを通じて、地名を入れて教えてくださる。そのことで、きっとどこよりも早くいろんなエリアから情報が集まってきて、地震やゲリラ雷雨などの発生直後から絶えず最新の状況を番組でお伝えすることができるんです。これができるのはウェザーニュースLiVEならではだと思います。
江川 また、スタッフたちの瞬発力もすごいんです。気象の情報に限らず、番組内でのちょっとした企画でも「こういうことができませんか?」と提案すると、すぐに「やりましょう!」と動いてくださる。そうした行動の早さを見ると、やはり最新の気象や防災情報を24時間365日、絶えず伝えているからこその瞬発力が皆さんに備わっているんだなと感じさせられます。
白井 それに、裏側に回ってみてより強く思うのが、ウェザーニュースLiVEの“チーム感”ですよね。多くの人の力で番組が作ることができ、さまざまな情報をお届けできているわけですが、それらを生み出しているスタッフやサポーターさん、それに予報センターの解説員の皆さんやキャスターたちって本当にすごいなと、心から拍手を贈りたくなります。
江川 あなたもその一員なんだよ!(笑) でも、皆さんを褒め称えたくなる気持ちはわかる。
白井 私や清音さんの役割は、その架け橋のようなものだと思うんです。サポーターさんがどんな情報を欲しているのかをキャッチし、それを私たちが会社やキャスターに伝えることで番組がさらに良いものになっていく。そうやって、全員にとってプラスになるように働きかけていく存在になることが大事なんだろうなって。
江川 きっと会社も私たちにそこを期待していると思いますしね。キャスターでありながら、同時に番組を制作する側の仕事を兼務しているのは、今のところ私たちしかいませんし、“これは失敗できないぞ!”という責任感もありますが、しっかりとキャスターの経験を活かして、架け橋になっていきたいなと思っています。
白井 そうですね。プレッシャーは半端ないですけどね(苦笑)。
──今はどんなところに大変さを感じていますか?
江川 広報の仕事としては、やはり言葉の表現ですね。仮にプレスリリースで間違った言葉の使い方をしてしまうと、私だけのミスではなく、会社全体の信用にもつながっていきますから。メディアへの電話対応も、私の発言が公式の言葉として捉えられてしまうので、そこは本当に慎重にならなければなと思います。もちろん、常に責任感を持って業務を行っていますし、すべての情報をしっかりと把握しているつもりではいます。でも、気象に関する言葉の言い回しは繊細なところがあり、ちょっとしたニュアンスの違いで誤解が生じる可能性がある。ですから、少しでも不安に思うことがあれば絶対に曖昧にしたり、自分を過信せず、周りにいるもっと専門的な知識のある方に伝え方を確認したうえで、自信を持って回答するようにしています。
白井 電話対応こそ、これまでのキャスターの仕事とは違って慣れていないから焦りが生まれそうですよね。
江川 それもあるし、私もともと電話がすごく苦手なの(苦笑)。両親とも電話だとあまりうまく話せないぐらいで。
白井 そうなんですか!?
江川 顔が見えないと、相手が誰であろうとドキドキしちゃって。だから、大事な用事があるときは直接会うか、もしくはメールで連絡するようにしていて。
白井 少しわかる気がします。私もお店とかに電話で予約するとき、少し苦手意識があります。
江川 同じタイプの人がいた!(笑) とはいえ、広報をしていて“電話が苦手です”ではお話にならないので、しっかりと対応できるように今頑張ってます。ゆかりん(白井)はどう? 初めての仕事が多そうだし、やっぱり大変?
白井 私がいる部署は以前のキャスター時代とチームも同じですので、環境自体はほとんど変わらないんです。ただ、自分の立ち位置が変わっているので、そこに難しさを感じていますね。打ち合わせのときでも、キャスター寄りの意見を言ったほうがいいのかなとか、あまり寄りすぎてもよくないのかなとか。反対に、スタッフ寄りの発言になってしまうと、キャスターとの距離が出てしまうしな……とか考えてしまって。新しいお仕事ということもあり、それらを一から覚える大変さもありますが、そのこと以上にチーム内におけるコミュニケーションを大事にしているので、より難しさを感じてしまいます。
江川 3時間の生放送はキャスターとスタッフがワンチームにならないと乗りこなせないから、コミュニケーションや人と人との距離感は本当に大切だよね。
白井 本番が始まってしまえば、楽しいことばかりなんですけどね。天気が穏やかな日は音声チェックをしながらキャスターの楽しいトークを一緒に笑って聞いていられますし、サポーターさんからのコメントを見て「どれをポヨンで出そうかな」と考えていることが多いので(笑)。
──とはいえ、急に天候が荒れだしたり、地震速報などが入ると、そうも言ってられなさそうです。
白井 そのときは一気に緊迫した空気になります。警戒レベルが上がるような状況じゃなくても、ゲリラ雷雨などが発生すると、どんどんと番組の構成が変わっていきますから。サポーターさんから届く、「このエリアの雨が急に強くなってきました」といった情報や動画をどのタイミングで出すのか、また、どの素材を使うのかといったことをディレクターが即座に判断し、それらをすぐに番組内で発信していかなければならない。当然、準備をしている間にも天気の状況は刻一刻と変化していくので、キャスターたちもものすごい緊張感に包まれているはずで。だからこそ、制作側とキャスターの間に立つ私としては、そこもうまくフォローしていけたらいいなと思っています。
リリースや動画などを通して発信する情報の大切さと難しさ
──同じ“伝える”仕事であっても、キャスターと制作や広報にはいろんな点で違いがありそうですね。
白井 そうですね。キャスターだと注意喚起などを、直接番組を通して自分の口からお伝えすることができますが、動画だと1つのニュースを配信し、それを皆さんに見ていただくことで注意喚起につながっていく。伝えるベース自体が大きく異なるなと感じています。
江川 実はゆかりんが編集したニュース動画もたくさんアップされているんだよね。
──ニュース動画というのはYouTubeにある3〜4分ほどの「最新気象ニュース」や「台風情報」などの動画のことでしょうか?
白井 はい。生放送でキャスターや気象解説員の方々がお伝えしている情報を切り取って編集し、それをニュース動画として配信しているんです。普段はあらかじめ切り抜くことを前提に番組内で気象解説していただくことが多いので編集も楽なのですが、急な天候の変化などがあると、キャスターと解説員の会話の中から抜粋してショート動画にまとめないといけないので、そのときは時間との勝負になりますし、緊張が走りますね。
江川 私も以前、ゆかりんに動画の編集を学んだことがあるんです。ウェザーニューズのアプリをSNSで紹介するときに「花火チャンネル」の情報を動画でアップしたいなと思って。なのに、途中で固まっちゃって(笑)。
白井 えっ!? なんと!
江川 早くアップしないといけない情報だったので、どうにもならずシュンっと落ち込みながら、結局その日はスクショの写真を貼り付けました(苦笑)。でも、そのときにも思ったんだけど、こうした編集作業って、ついのめり込んでしまって、時間があっという間に過ぎてしまう危険があるよね。
白井 そうなんです。キャスターとして番組を担当している3時間もあっという間ですが、動画編集も、こだわったり、集中していると、気づいたら数時間経ってることがあります。
──サムネイルを作る作業もこだわり出したらキリがなさそうです。
白井 サムネイルは沼りますね(笑)。目を引くものにするためにインパクトのある文字の乗せ方や色合いなどを細かく考えるんですが、時間をかけて悩みに悩んだ挙げ句、結局最初のものに戻ったり(笑)。
江川 なんだかんだと直感で作るものがわかりやすくて、いいものだったりするもんね。
白井 まさに! ただ、気をつけないといけないのが、油断していると毎回似たようなものばかりになったりするんです。“ここは強調したいから絶対に赤色の文字にしよう”とか、“ここは注意を引きたいから黄色かな”って考えていると、“あれ? 前々回と同じ配色になっている!”って(笑)。
江川 もう、くせのようになっているんだね。
白井 ですね。清音さんもキャスターの仕事との違いという点では、番組用の台本作りとプレスリリースでは内容も文章の書き方もまるで違いますよね。
江川 そうなの! よくぞ聞いてくれました(笑)。そもそも、番組用の台本は自分が理解するために書いているものなので、そこまで神経質にならないんです。でも、プレスリリースなどは他人に理解してもらわなければいけないので、しっかりとした文章が必要になる。それに、普段から書き言葉に慣れてないから、“なんか日本語が変だな”と思いつつ、でもどこがおかしいのかが具体的にわからなくて、悩んでしまったりして。逆に慣れていないことが幸いして、チームのリーダーから「これは私には書けないキャッチだ!」と褒めていただくこともあるんですけどね(笑)。
──文章の言い回しって、一度悩み始めると普段から使い慣れた言葉でも、“この日本語ってちゃんと合っているのかな?”と不安になることがありますよね。
江川 あります! “あれ? 意味通じているかな?”とか、“そもそもここでは何を伝えたいんだっけ?”と目的まで見失いそうになったり(笑)。キャッチもそうですね。こねくり回しすぎて、ゴールがわからなくなったり、反対にシンプルにしようとすると、今度は普通すぎて面白みのないキャッチしか思いつかなくなったり。そういうときは一度コーヒーを飲んだりして、頭の血を落ち着かせるようにしています。
白井 そういう苦労もあるんですね。……私、今日のこの取材でキャッチになるような言葉を一つも残せてない気がするんですが、大丈夫ですか?(笑)
江川 そんなことはない! いい言葉をたくさん言っているよ。ですよね?
──はい。今日に限らず、この連載ではどのキャスターさんのインタビューも印象に残る言葉ばかりで、すごく楽しいです。むしろ、毎回素敵すぎて、短くまとめるのが大変なぐらいです。
江川 そう言っていただけるとうれしいです。
白井 だからなのか、連載を重ねるたびに記事が長くなっていますよね(笑)。
──気づいていましたか(笑)。そうなんです。なかでも山岸愛梨キャスターの回では内容が本当に素晴らしく、ほぼノーカットで使いたかったので、前後編の2回に分けさせていただきました。
江川・白井 さすがあいりんさん!
──でも、こうしたイレギュラーな構成はWebの記事だからできることであって、プレスリリースのような資料だと、簡潔にわかりやすくまとめないといけないので大変だと思います。
江川 そうですね。文章が長くなりすぎると、言いたいことが散らかってしまったりしますし、要点をしっかり抑えないと、途中から読んでもらえなくなる場合もあるので、何を一番に伝えたいのかを短く構成していくのはすごく重要になってきます。それに、プレスリリースだと気象に関する専門用語だけでなく、ビジネス用語もたくさん出てきますから、きちんと理解せずに使っていると大変なことになる。そういった点においても、あらためて言葉で伝えることの責任感や大変さを強く感じますね。
復帰前は「私、こんなにうまく話せない!」とプレッシャーでした
──お二人は7月からキャスターとしても復帰されました。これは最初から決まっていたことなのでしょうか?
江川 日程自体が決まっていたわけではないのですが、「近いうちにキャスターとしても」という話はうかがっていました。
白井 私は正直なことを言うと、番組を裏で支える仕事に強く興味を持っていたので、産休に入る前は、“もしキャスターとして必要とされるのであれば、またやってみようかな”というぐらいの気持ちだったんです。でも、お休みをさせてもらっている間にもサポーターの皆さんから、「キャスターに戻ってきてくださいね」という声をいただくことが多く、それがすごくうれしくって。ですから、どこかで機会があればいいなとは思っていました。
江川 復帰の日が決まるまではドキドキだったよね。
白井 ほんとに! 清音さんは復帰されるのがこれで2回目ですが、それでもやっぱり緊張されていたんですね。
江川 前回はそのままキャスターとして戻ってくるだけだったけど、今回は広報の仕事も兼務しているから、そういう意味では今までとは違う不思議な感覚があったかも。同じように別のお仕事とキャスターを兼ねている先輩に川畑(玲)さんがいらっしゃるので、ウェザーニューズの社員としての立場やキャスターとしての立場の違いなどについて、たくさん相談に乗ってもらったりもして。
白井 以前から川畑さんのご活躍を見て本当にすごいなと思っていましたけど、いざ自分も似た環境になると、どれだけ大変なことをこなしているのかというのを実感しますよね。
──やはり制作側の仕事を経験すると、キャスター視点で見る番組自体もこれまでとは違って感じるものですか?
江川・白井 全然違います!
江川 声がそろった(笑)。けど、本当に見え方が違うよね。
白井 すべてのスタッフに対して感謝の気持ちでいっぱいになりますし、「こんなキャスターですみませんでした!」という言葉しか出てこないです(笑)。
江川 ほんと、そうだよね。スタッフの皆さん全員に頭を下げたくなる。
白井 「これからはちゃんと構成どおりにやります! いつも脱線してすみません!!」って(笑)。
江川 うん。脱線したあとに、いかにスタッフたちが自分たちの知らないところで助けてくださっていたのかがよくわかるし。番組がスムーズに進むよう、本番前にスタッフが細かく進行を考えてくださっているわけですから、そのとおりにやることがいかに大事か。
白井 やっぱり好き勝手やっちゃいけないなと反省していますし、謝罪したいことを挙げだしたらキリがないです(笑)。
──ちなみに、今回の復帰に向けて、何かしらの準備はされていたのでしょうか?
江川 発声練習だけはキャスター復帰に関係なく、毎日欠かさずするようにしていました。
白井 すごい!
江川 私の場合、“噛み様”と言われてしまうぐらい噛み癖があるからなんだけどね(苦笑)。今でこそ随分良くなったけど、油断すると口が動かなくなるから、訓練だけは日々しておこうと。
白井 私はイメトレくらいですね(笑)。というのも、復帰までの2か月の間、裏方としてずっと近くでキャスターたちの番組を見ていたので、そこで感じたプレッシャーったらなかったんです。“みんな、よくしゃべれているな。すごいな”!って。
江川 わかる! 今のキャスターたちの番組を見ていたら、“きっと私、こんなにしゃべれない!”って怖くなったもん。
白井 特に、私たちがお休みする前に研修をしていたせんちゃん(小川千奈キャスター)とまゆちゃん(魚住茉由キャスター)がびっくりするぐらい成長していて。驚くと同時に、“本当に上手になったね”って、自分のことのようにうれしくなったんです。
江川 うん。私も“二人とも大きくなったね!”って泣きそうになった。
白井 いち視聴者として二人のフリートークを聞いていても本当に面白いし。そのことを本人たちに伝えたらすごく喜んでくれたんですが、とはいえ、いざ自分がキャスターに復帰することになってからは、そんなことも言っていられなくなったんです。“私、できないかもしれない!”という不安な気持ちでいっぱいになって。
江川 そうなんだよね。以前は研修しながら二人に、「大丈夫だよ!」って励ましていたのに、今の私の番組を見て、「全然できてないじゃん!」って思われたらどうしようって(笑)。
白井 まるで説得力がなくなっちゃいますからね。だからこそ私はひたすら、“大丈夫! 自分はできる!!”ってイメトレをしていたんです(笑)。
──復帰された日はどんなお気持ちでしたか?
白井 復帰日は気象状況の注意度が通常時よりも高くなっていたので、番組内も緊張具合が高まっていました。私自身の緊張度もMAXだったので……落ち着いてゆっくり丁寧に話すことを意識していたように思います。でも、あまりの緊張で正直、頭の中はぽわぽわしていました。今何を話しているのかが、自分でもあまり理解できずにいるという感じで(笑)。ただ、3時間の番組なので、そうした状態が続きながらも、番組終わりの方は口から途切れず言葉が出てくるなと客観的に見られるようになっていて、“あ〜これは、今までキャスターをやっていたときの感覚が忘れずに残っているからかな”とも思いました。番組終了後は、“反省点がいっぱいありすぎる……”と思いつつ上司に挨拶をしたところ、「以前よりも声のトーンも落ち着いて、聞きやすいよ!」と褒めていただけて、胸をなでおろしましたね。
江川 キャスターとして番組に出演するときは、規定の入りの時間よりいつも1時間は早く来て準備をしているのですが、天気はもちろん、生活の豆知識や実用的な情報など“皆さんに有意義な情報を届けたい!”と思って準備をしていると、いつも時間が足りなくなっちゃうんです。復帰したあの日もわちゃわちゃとして「急げ〜急げ〜!」と小声で言いつつ、スタジオの椅子に座ったのを覚えています(笑)。そして、スタジオの席に座った瞬間、“これこれ、この独特の空気感! 緊張感! キター!! ”となりました(笑)。急に現実味が増すと言いますか、背筋が30cmくらいグググっと伸びたのを感じましたね。
私の番組は元気ハツラツでテンションが高めだと言われることが多いのですが、復帰前日などには台風や大雨の影響が心配な地域があって番組の災害注意レベルが上がったり、復帰直前の番組内では千葉県で最大震度4の地震が発生していたりしたので、番組をお送りする温度感が難しかったです。ただ、番組が始まると視聴者の皆様から「おかえり! 待っていたよ!」とお声をいただき、“私のホームがここにある!”と心があたたかくなりました。そして何より、これからも視聴者、ファンの皆様に愛される番組作りをしていきたいと強気思いましたね。
──また、7月27日には「ウェザーニュースLiVE 劇場ライブビューイング」も開催され、お二人にとっては久々のイベントとなりました。江川さんはスタジオから、白井さんは映画館からの出演となりましたが、サポーターの皆さんとの久々の交流はいかがでしたか?
白井 リアルイベントが私にとってとても久しぶりで、会場で皆さんにお会いできるのが本当に楽しみでした! 以前から応援してくださっているサポーターさんもいらっしゃって、“お久しぶりです〜!”という気持ちと、初めましてのサポーターさんも多かったと思いますので、“どうもどうも白井です〜!”という新鮮な気持ちもありました。会場は皆さんとの距離が思った以上に近くて、暗いはずの映画館ではありますが、皆さんの表情がよ〜く見えました(笑)。だからこそ、私たちが登場したときに、皆さんがあたたかく迎えてくれた優しい表情が印象に残っています。あと、皆さんがたくさん掛け声を出して、場を一緒に盛り上げてくださったんです。あの一体感、最高に素敵でした! 本当にありがとうございました。
江川 私はイベントへの参加が数年ぶりで、かつ劇場ライブビューイングという初挑戦の催しでしたので、始まるまで期待と不安でいっぱいでしたね。スタジオではゆいちゃん(駒木結衣キャスター)とみーちゃん(戸北美月キャスター)と私の3人のMCで、お互いを補いつつ、それぞれが自分の役割を果たしながら特別番組をお送りできたので良かったと思っています。また、実際に始まってみると、ご存知の通り好きにやらせてもらいまして(笑)、皆さんの反応を受けつつ、私たちも楽しませていただきました。
映画館の雰囲気については、板橋会場と幕張新都心会場で中継を繋いでいるときには盛り上がりなどが実感できたものの、それ以外の映画館の状況などを把握するのが難しく、来場していただいた方に楽しんでいただけているのかどうかという不安は残りました。全国の劇場で参加していただいた皆さんのアンケートや社員からも感想をうかがったので、今後開催される際は、皆様にとってより満足度の高いアップデートした劇場ライブビューイングをお楽しみいただきたいと思っています。
ウェザーニュースLiVEの「参加型のお天気コミュニティー」は留まることを知りません! これからも皆さんと一緒に歩み続けていきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
──では最後に、今後の目標を教えていただけますか?
江川 キャスターには天気や防災など、いざというときにさまざまな情報を伝えていく役割や使命があります。広報としても、会社のことをより多くの方に知っていただき、情報を届けていくという意味では同じだと思っていますので、ウェザーニュースLiVEはもちろんのこと、ウェザーニューズという会社の取り組み自体もたくさんの方に知ってもらえるように頑張っていきたいですね。また、サポーターの皆さんにとって身近なアプリについても随時アップデートをしています。ですから、そうしたユーザーの生活をより豊かにするための機能なども多くの人に広めていけたらなと思っています。
──江川さんもアプリの開発をされているんですか?
江川 広報として開発チームと一緒に作ることはあります。“こういう情報をアプリで使えるようになったら便利では?”といった提案をしたり、少しではありますが、私も企画を出すことがあって。ユーザーにとって使いやすいアプリにしていくのはもちろんですが、減災や命を守るために必要とされるツールですので、そのためにもいろんな機能を作っていきたいなと思っています。
白井 私の目標は、やはりキャスターとサポーターの皆さん、そして番組を支えているスタッフの架け橋のような存在になることですね。といっても、そんな大層な立ち位置ではなく、良い相談役になるような感じで(笑)。気になることや不安なことがあれば“ちょっと白井に伝えておこうかな”という気軽さで、ウェザーニュースLiVEチームのみんなの拠り所になれればなと思っています。
江川 みんなが「ゆかりんに頼るぞ!」みたいな感じだね(笑)。
白井 はい、“もう、なんでも来い!”です(笑)。それに、動画編集もさせてもらえるようになり、やりたかったことの一つに携わることができました。ですので、映像面でも有意義な動画を届けられるスキルをもっと磨いて、皆さんにとって生活に役立つ情報をお伝えしていきたいと思っています。
▼コラム「インタビューこぼれ話」
多忙を極めるお二人に最近はまっていることや趣味の話を語っていただきました!
江川 今はまっているものと言えば、「外郎売」を発声練習の中に取り入れています。滑舌のトレーニングとして有名なものなんですが、早口言葉も入っているので、毎朝ラジオ体操と一緒にやるようにしていますね。
白井 以前、隣でラジオ体操していましたよね(笑)。
江川 そうだった(笑)。朝に体を動かすと頭がシャキッとするし、声の出方もよくなるのでおすすめですよ。それ以外ではまっているものと言えば……カラオケかな。よくCスタ(会社にあるCスタジオ)に籠もって、一人で歌ってる(笑)。
白井 えーっ、そうなんですか!? なんだか意外です。
江川 これも発声練習がてら歌っているんだけど、最近になってCスタの電気が点くようになったから、私が歌っているのを見かけると、皆さんそっとしておいてくれるんです(笑)。
白井 私がはまっているのはカカオのチョコですね。小さい頃からチョコレートが大好きで、好みを聞かれたら、必ず「海外とかで売っている甘〜〜いのが好きです」と答えていたんです。でも、最近は高カカオに目覚めまして。
江川 大人になったんだ!
白井 はい。でも、それは決して苦みが好きになったからではないんです。カカオを口に入れてからご飯を食べると太りにくくなるそうなんです。しかも、カカオ成分が高めじゃないとダメみたいなので、86%くらいのものを食べるようにしているんですね。そうしたら、70%でも少し甘さを感じるくらいになってきて。
江川 それは相当好みが変わった証拠だね。
白井 そうなんです。毎日食事前に2粒ほど摂るようにしていたら、「お! 高カカオ、いけるぞ!」と思うようになって(笑)。今は、ほかにもいろんなチョコを試してみようかなと思っています。
江川 じゃあ、もし今ミルクチョコレートを食べた日には……。
白井 甘〜〜〜〜〜〜〜〜!ってなると思います(笑)。
江川 (笑)。では、最近新しく趣味で始めたことはある?
白井 う〜ん、なんだろう……。再発見ならあります。少し前にテレビ番組に出演し、久しぶりにジャンクションの話をしたんです。そのとき、あらためて“ジャンクションっていいなぁ”ってしみじみ思いました(笑)。
江川 山口(剛央)さんにはあまり響かなかったジャンクションだね(笑)。
白井 そうです。山口さんはトンネル派でしたから。昔、ウェザーニュースLiVEの番組内で『美しきジャンクションの世界』という企画を私がやらせてもらったんですが、そこで実は山口さんがトンネル好きだということが発覚して。番組が終わったあとも、ずっとトンネルの素晴らしさを熱弁されていました(笑)。私もトンネルの奥深さを知ることができてすごく面白かったんですけど、残念なことにトンネルの良さって映像で表現しにくくて、企画にもしづらいんですよね。
江川 そうか。基本的に暗い闇がずっと続いているだけだもんね(笑)。
白井 そうなんです。それで断念してしまったんですが、いつかチャンスがあれば、また山口さんに番組で語っていただきたいですね。清音さんは何か新しい趣味を見つけられたんですか?
江川 自分から言いだしておいてなんだけど、全然ないんです。朝から夜まで平日は仕事をしているので、なかなか時間を作れなくて。……というのは言い訳ですよね(苦笑)。なので、しいて言うなら、趣味は今も飲酒活動かな(笑)。
白井 新しさはないですね(笑)。
江川 あ、でも卓上で揚げ物ができる電気フライヤーを購入したんです。
白井 それって、テーブルの上で串揚げとかができるということですか?
江川 そう! できたての状態でビールと一緒に味わえる。これがもう最高なの。
白井 それはいいですね。でも、それなら趣味は「飲酒活動」ではなく「おつまみ作り」と言ったほうが、聞こえがいいかもしれないですよ(笑)。
江川 たしかに。「飲酒活動」だと、ただの飲ん兵衛みたいだもんね(笑)。
江川清音さん&白井ゆかりさんのサイン入り生写真を3名様にプレゼント!
<応募方法>
下記、応募フォームよりご応募ください。
※応募の締め切りは11月5日(火)正午まで。
※当選は発送をもってかえさせていただきます。
※本フォームで記載いただいた個人情報は、本プレゼント以外の目的での使用はいたしません。また、プレゼント発送完了後に情報は破棄させていただきます。
「ウェザーニュース」HP https://weathernews.jp/
「ウェザーニュース」YouTube https://www.youtube.com/user/weathernews
「ウェザーニュースLiVE」公式Twitter https://twitter.com/wni_live
「ウェザーニュースLiVE」公式Instagram https://www.instagram.com/weathernews_live/
撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ