AirPods部品がインドで生産開始! アップル、中国依存から抜け出す大きな一歩に?

ink_pen 2023/2/1
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AirPods部品がインドで生産開始! アップル、中国依存から抜け出す大きな一歩に?
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

アップルは中国に製造を依存しすぎている現状を改めるため、インドに製造拠点を移す計画を進めているとみられていました。最新ニュースとして、米国に拠点を置く同社のサプライヤーがインドでAirPods部品の製造を始めたと、米メディアが報じています。

AirPods
↑アップルのワイヤレスヘッドフォンであるAirPods

 

Bloombergは、フロリダ州に拠点のあるJabil(ジェイビル)社のインド部門が、中国とベトナムの組立工場にAirPodsの筐体(プラスチック製の本体)の出荷を始めたと伝えています。iPhone用の部品に次ぎ「アップルがインドでの生産を拡大するための重要な一歩を踏み出した」ようです。

 

Jabil社の公式サイトによると、同社の工場はインド西部にあり、2,500人以上の従業員を雇用しているとのこと。

 

アップルが製造拠点を中国国外に移すことを急いでいるのは、製造のリスクを減らすためと思われます。2022年は同国のゼロコロナ政策のもとでのロックダウン(都市封鎖)による混乱があり、今も米政府による対中輸出規制が強まっています。

 

しかし実際、中国内には製造インフラや精緻なサプライチェーン網が築き上げられているほか、大規模かつ安価な労働力という強みもあり、それらを他の国に移すのは非常に難しいこと。だからこそインドでAirPodsの部品製造が始まったことは、大きな意義があると見られているわけです。

 

さらに中国に拠点のあるアップルのサプライヤーが、インドで製造を始めるため、インド政府の認可を待っているとの報道もあります。認可がなかなか下りないのは、中国とインドの間に国境紛争をめぐる激しい対立があることが一因のようです。

 

アップルは今後2年以内に、インドでのiPhone製造能力を3倍にしたい考えとのこと。実際、今年秋発売と予想されるiPhone 15において、中国とインドでの量産がほぼ同時に始まるとの推測もあります。脱中国依存の試みで今後、最新iPhoneが品不足になりにくくなるかもしれません。

 

Source:Bloomberg

via:MacRumors

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