家飲み派に人気の「発泡酒&新ジャンル」をフードアナリスト・中山秀明さんが徹底テイスティング! クリアな爽快感が光る「クリアアサヒ」、どっしり厚みの「本麒麟」、おかわり必至の「ゴールドスター」、季節で変わる「金麦」――それぞれの個性と料理との相性を深掘りしました。
キンキンに冷やして飲みたくなるおいしさ

クリアアサヒ
アルコール成分:5%
原材料:発泡酒(国内製造)(麦芽、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ)、スピリッツ(大麦)
「ファーストタッチでモルティなコクやうまみを感じさせつつ、付随して上品な香りとシャープな苦みも。そこからスパッと、強めのキレがウォッシュアウト。キンキンに冷やして飲みたくなるおいしさです。
これは、『アサヒスーパードライ』にも通じる辛口な方向性。商品名でもある、クリアで軽快なテイストは、ある種王道ともいえるでしょう。
フードペアリングには合わせる料理を選ばない万能さがありますが、たとえば唐揚げや餃子といった定番つまみとの相性は抜群です。 同社のポートフォリオとして、より余韻までどっしりうまみやコクを味わいたい場合は『アサヒ ザ・リッチ』という住み分けになっている気がします。ビールに、爽快感やのどごしのよさを第一に求める人にはこっちでしょう」(中山)

■クリアアサヒ
キレ:3.5 コク:1.5 苦味:1.5 甘み:1 香り:1
厚みがあり、苦味と爽快感もしっかり

本麒麟
アルコール成分:6%
原材料:発泡酒(国内製造)(麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類)、大麦スピリッツ
「ボディに厚みがあり、口に含んだ瞬間から苦味と爽快感もしっかり。アルコール度数が少々高めの6%ですが、引き算の味覚設計も秀逸で、飲み疲れるような重さは感じません。
とはいえ、『キリン のどごし〈生〉』のようなライトですっきりというキャラクターではないので、よりモルティなビール感を楽しみたい人向けといえるでしょう。
料理には幅広く合いますが、塩味の焼鳥や唐揚げに『キリン のどごし〈生〉』を合わせるなら、『本麒麟』にはタレの焼鳥、醤油味の唐揚げというペアリングが正解です。ぜひ、クロスマッチでどうぞ!」(中山)

■本麒麟
キレ:3 コク:2.5 苦味:2 甘み:2 香り:1.5
おかわりしたくなるおいしさ

ゴールドスター
アルコール成分:5%
原材料:発泡酒(国内製造)(麦芽、ホップ、大麦)、スピリッツ(大麦)
「比較的に市場では後発なブランドですが、クラシカルな“THEビール”的貫禄の一本。たとえば、厚みのある味だったり、主張はなくてもしっかり支える苦みや香りだったり『ヱビス』と『黒ラベル』のDNAは、そういった表情にも生かされていると感じます。
より具体的には、どっしりとしたうまみと、すっきりとしたアフターテイストやキレが高いレベルで両立。そのため、飲みごたえはあっても、飽きずにゴクゴクいける“おかわりしたくなるおいしさ”に優れた商品だと思います。
フードペアリングは基本的に何でも合いますが、ソーセージ、メンチカツ、フライドチキン、ハンバーグなど、ビアホール系洋食の肉料理が特にオススメです」(中山)

■ゴールドスター
キレ:3 コク:2 苦味:1.5 甘み:2.5 香り:1

麦汁の甘みやコクを印象的に感じつつ

金麦
アルコール成分:5%
原材料:発泡酒(国内製造)(麦芽、ホップ、大麦)、スピリッツ(大麦)
「『金麦』は以前より、季節ごとに味をととのえる仕様になっており、今回は、まろやかさが特徴の秋版をテイスティングしました。
味や香りはふわっとモルティで、フルーティー。秋版だからか、麦汁の甘みやコクを印象的に感じつつ、余韻はキリッとしていて爽快さも十分あります。
濃厚すぎず、淡麗すぎずといったバランスがよく、飲み疲れや飽きのこない設計も見事。軽めの前菜からガッツリ系のメインまで、どんな料理にもマッチします。
この秋は、なすの揚げびたし、かぼちゃの煮物、きのこのホイル焼き、さんまの塩焼きなどを合わせてみてはいかがでしょうか。」(中山)

■金麦
キレ:2.5 コク:2 苦味:1.5 甘み:1.5 香り:1.5