やっぱりウイスキーは「スコッチのシングルモルト」だ!王者の風格漂う3ブランドが今夏新発売

ink_pen 2018/5/24
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やっぱりウイスキーは「スコッチのシングルモルト」だ!王者の風格漂う3ブランドが今夏新発売
中山秀明
なかやまひであき
中山秀明

GetNaviお酒・グルメアドバイザー。GetNavi内食・外食のトレンドに精通した、食情報の専門家。現場取材をモットーとし、全国各地へ赴いて、大手メーカーや大手小売りから小規模事業者まで、幅広く取材している。酒類に関する知識量の多さでは、大手ビールメーカーでも一目置かれる存在。GetNavi・GetNavi webのほかに、テレビや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活躍。

酒類のトレンドとしては、レモンサワーやクラフトジンなどがいまの新潮流といえるでしょう。が、ハイボールブームや朝ドラ「マッサン」などで盛り上がったウイスキーも依然大人気。そんなシーンをさらにアツくする商品が、3ブランドから計8本も新発売されます。しかもカテゴリはスコッチウイスキーのシングルモルト。今回は発表会の様子を伝えながらアイテムの紹介もしていきましょう!

 

 

追い風が吹くシングルモルトスコッチから新作が登場!

まずは国内ウイスキー市場の動向から。先日、サントリーの「響17年」と「白州12年」の販売休止が大きく報じられましたが、国産だけでなく海外からの輸入商品も好調です。そのなかで、スコッチが占めるのは約5割。バーボンなどのアメリカンウイスキーもトレンド傾向にあるものの、やはり王者はスコッチであり、2016年で約167万箱、2012年比で約1.5倍の規模に拡大しているのです。

 

↑イギリスの調査会社「IWSR」の資料より。スコッチウイスキーのなかでも、シングルモルトタイプは希少性からも年々需要が高まっています

 

この追い風のなかで新たに発売されるスコッチの銘柄は、「グレンドロナック」「ベンリアック」「グレングラッサ」の3ブランドから。「グレングラッサ」は飲食店限定となります。ひとつずつ簡単に歴史や味わいの特徴を紹介しましょう。

 

ハイランドモルトの入門に最適なグレンドロナック

↑グレンドロナック。左から18年(1万3080円)、12年(5770円)、21年(1万7470円)

 

グレンドロナックは1826年に創業。スコットランドで最も歴史ある蒸溜所のひとつで、東ハイランド奥深くのフォーグの渓谷に位置しています。創業以来、シェリー樽熟成のエキスパートとして知られていますが、その理由は原酒が力強いタイプだから。シェリー樽で長期熟成するのに、ベストであるということです。

 

↑特徴は、厳選されたシェリー樽による甘く果実味のあるテイスト。また、ナッツのような香りによる芳醇なフレーバーが高く評価されています。写真の12年はバランスがよく、ハイランドモルトの入門に最適

 

 

革新的な製造方法で高い評価を受けるベンリアック

↑「ベンリアック」。左が10年(5190円)、右がキュオリアシタス10年(5330円)

 

1898年に創業したベンリアック蒸溜所は、スペイサイドの中心に位置。スコッチの蒸溜所としては珍しく、古くからノンピートとヘビーピート(麦芽を乾燥させる際にピートという泥炭を炊くことでスモーキーになる)の2つのタイプのシングルモルトを製造してきたユニークな蒸溜所として知られています。また現在では希少となっている伝統的な製麦工程(フロアモルティング)を自社内で行っていることや、熟成と仕上げに様々な樽を使用する革新的な製造方法で高い評価を受けています。

 

↑キュオリアシタス10年は、自家製麦したヘビーピートモルトを使用。パワフルなスモーキー香と、フレッシュフルーツのような甘みが調和しています

 

 

奇跡の復活から一躍有名となったグレングラッサ

↑「グレングラッサ」。左から、トルファ(6500円)、リバイバル(5190円)、エボリューション(5770円)

 

創業が1875年と長い歴史を持ち、小規模少量生産のクラフトマンシップを貫いていましたが、1986年に生産がストップ。再開は絶望的とされていましたが、2008年に復活を遂げたことで一躍有名になったのがグレングラッサです。サンデント湾の沿岸近くに位置し、名産地と称されるハイランドとスペイサイドの境界をまたぐ唯一の蒸溜所であり、3つの環境の影響を受けていると言われています。

 

↑リバイバルは、赤ワインを熟成させたヨーロピアンオーク樽とバーボン樽でそれぞれ熟成させた原酒を、シェリー樽に入れ替えて再度熟成。甘いキャラメルのような香りと、クリーミーな味わいが特徴です
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