家電
2017/2/16 17:52

その空気清浄機、時代遅れになってない? 花粉対策に必ず役立つ最新トレンドと失敗しない選び方

春が近づくとともに猛威を振るうのが花粉! そんな目も鼻もムズムズする季節の必需品といえば、空気清浄機ですよね。「空気清浄機はもう持ってるからいらないよ」という人もいるかもしれませんが、実は空気清浄機はここ数年、劇的な進化を遂げているんです。より快適な環境を手に入れるために、そろそろ買い替えを検討してみませんか? そこで今回は家電のスペシャリスト、戸井田園子さんにお話しをうかがい、最新の空気清浄機のトレンドと選び方のポイント、個別のオススメモデルを教えていただきました!

 

【PART01】 まずは空気清浄機の最新トレンドをチェック!

いま、市場ではどんな空気清浄機が求められているのか? まずは戸井田さんに2016-17の空気清浄機のトレンドをうかがってみました。

 

「新しい傾向としては、ブルーエアやdysonなどを中心に、Wi-Fi対応の機種が増えてきていることが挙げられます。空気をキレイにするだけでなく、スマホなどを通じてエアモニターとしての機能がスタンダードになりつつあるようです。

スマートフォンやタブレットで使用可能な専用アプリ。現在の室内の空気環境のほか、家の外の状況まで表示できる
↑スマホやタブレットで使用可能なダイソンのDyson Pure Hot + Cool Linkのアプリ。現在の室内の空気環境のほか、家の外の状況まで表示します

 

また、市場では加湿搭載の複合タイプが相変わらず高いシェアを占めていますが、空気清浄機のみの単機能型も根強い人気。単機能型は、ブルーエアやDyson、Cado、バルミューダなど、デザイン性の高いモデルが多く、生活感を感じさせないおしゃれなイメージがウケています。こうした単機能型はフィルター交換タイプが多く、掃除のときに花粉に触れずに済むので、花粉対策を求める人にも向いています。

 

個人的には、居間のように広い空間は単機能モデルでしっかり空気を浄化し、寝室や子ども部屋のように限定されたスペースは複合型の加湿空気清浄機、廊下や玄関には単機能の小型空気清浄機、と適材適所に使い分けるのがベターです!」(戸井田さん)

 

【PART02】 空気清浄機の選び方のポイント4か条

市場のトレンドがわかったところで、次は戸井田さんに空気清浄機の選び方のポイントを教えてもらいましょう。どのような部分に注目して空気清浄機を選べばいいのでしょうか?

その1 自分に必要な空気清浄機の効果を知る!

「空気清浄機は、“集じん”と“脱臭”というふたつの機能によって空気をキレイにします。“集じん”できるものは、ホコリやチリ、カビやウィルス、タバコの煙やPM2.5。また、ダニの死がいや花粉といったアレルゲンなども集じんしてくれます。機種により得意分野が若干異なるので何を取り除きたいのかをはっきりさせて、カタログをチェックしましょう。

 

また、“加湿”機能のついたモデルも定番となっており、最近では本格的な加湿器に劣らぬ役割を果たすようになりました。加湿器としての使用も想定している場合は、その部分のスペックも忘れずに」(戸井田さん)

↑空気清浄機のなかには、加湿フィルターを搭載したモデルも
↑空気清浄機のなかには、加湿フィルターを搭載したモデルも

 

その2 空気清浄スピードを高めた機種を選ぶ!

「空気清浄機で重要なのはフィルターの性能。フィルターは目が細いほど細かい粒子が取れるのですが、目が細かいと空気の通りが悪くなり、浄化スピードが落ちてしまうのが難点です。

 

現在は各メーカーのフィルター性能はほぼ横並び(HEPAフィルター)なので、注目すべきなのが、フィルター以外の部分。ファンのパワーを高めて大風量を実現したブルーエアや、自動掃除パワーユニットで性能を保つシャープの機種がオススメです」(戸井田さん)

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↑30cmの大型ファンを搭載し、清浄スピードを高めたBlue by Blueair。天面からパワフルな風を供給します

 

その3 空気清浄機はランニングコストにも注意!

空気清浄機のランニングコストを事前に把握することが、賢い空気清浄機選びのコツです。電気代は省エネの機種が増えていてそれほど気にすることはないですが、一番コストがかかるのはフィルター代。機種により価格はさまざまで、5000~1万円超と比較的高い費用が必要となります。そこでフィルター長期交換不要タイプを選ぶか、フィルター交換タイプを選ぶか、その選択が重要になってきます。

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↑ダイキンのモデルに搭載されているフィルター

 

特に加湿機能付きは、大半が『長期間フィルター交換不要』を売りにしていますが、実は使用期間が長くなるとフィルターの目に微細なホコリが詰まり、徐々に性能が落ちていくので、注意しましょう。一方、フィルター交換タイプは一見コストが高く見えますが、日々の手入れの手間が少なくて済むメリットと、フィルターの交換さえすれば、性能を一気にリフレッシュできる点が魅力。

 

こうした点を踏まえ、購入前に『フィルターの種類・価格・寿命』を確認し、日々のフィルターのお手入れが必要かどうかも確認しておきましょう」(戸井田さん)

 

その4 設置したい部屋の2倍以上の適用床面積を選ぶ!

「カタログには“適用床面積○畳(○○㎡)”という表記がされています。この数値は日本電機工業会で定められた“30分で空気の汚れをきれいにできる広さ”を表しています。つまり、この数値が大きいほど『空気の清浄スピードが速い』と言えます。

 

清浄スピードが遅ければ、いつまでたっても空気は汚れたままなので、部屋の畳数にピッタリの機種ではなく、適用床面積は、予算が許す限り広い機種を選ぶのがオススメ空気清浄機は、大は小を兼ねるんです! 目安としては、設置したい部屋の2倍以上の適用床面積を選べば安心ですね」(戸井田さん)

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【PART3】プロがオススメ 最新空気清浄機4選

ここでは、戸井田さんがセレクトしてくれた空気清浄機を紹介。先述の選び方のポイントと合わせて検討してみましょう!

 

オススメモデルその1

パワフルで空間になじむスタイリッシュなモデル

【SPEC】(Blue Pure 221 Particle)●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:77㎡(~47畳)●サイズ/質量:W330×H513×D330mm/約7kg
【SPEC】(Blue Pure 221 Particle)●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:77㎡(~47畳)●サイズ/質量:W330×H513×D330mm/約7kg

 

ブルーエア

Blue by Blueair

直販価格5万6080円(税抜)~

30cmの大型ファンを搭載した、静かでパワフルな空気清浄機。天面からキレイな空気を供給し、効率よく循環させます。「特大表面積キューブ型フィルター」は、目の大きさの異なる多数の層から構成されていて、0.1μmの微粒子までしっかり除去し、目詰まりがしにくいのが特徴です。操作ボタンはたったひとつで、電源オン/オフ、スピードコントロールが直感的に行えます。

【プロが教えるポイント】
「大風量で吸い込み(適応床面積77㎡・47畳)、高性能フィルターで空気をこすシンプルなタイプ。サイズはやや大きいですが、北欧らしい無駄のないスッキリとしたデザインなので、空間に馴染むのもいいですね。フィルターが一般用のダストフィルターと脱臭用のニオイフィルターの2種類があり、季節や目的によってコストを調整することも可能。フィルター交換も驚くほど簡単です。大風量かつ360°吸引なので、しっかり空気を浄化したい人にオススメ!」(戸井田さん)

 

オススメモデルその2

プレフィルター自動掃除機能を備えワイド気流も実現

【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:76㎡(~46畳)●サイズ/質量:W427×H703×D335mm/約15kg 
【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:76㎡(~46畳)●サイズ/質量:W427×H703×D335mm/約15kg

 

シャープ

KI-GX100

実売価格9万7550円

「自動掃除パワーユニット」を搭載し、12か月間お手入れ不要で、プレフィルターの集じん性能が約99%持続するプレミアムモデルの空気清浄機。後ろななめ20°に吹き出す風を従来機比約1.5倍の幅とした「ワイド気流ルーバー」で、広い空間を効率よく浄化します。

【プロが教えるポイント】
「プラズマクラスター最高峰の『高濃度プラズマクラスター25000』を搭載し、本格加湿+大風量でリビング向きです。プラズマクラスターを集中的に当てる『パワフルショット運転』で脱臭力も強化。また、プレフィルターのホコリを定期的に掃除してくれる『自動掃除パワーユニット』搭載で、お手入れが格段にラクになりました!」(戸井田さん)

 

オススメモデルその3

寝室や子ども部屋にピッタリのスリムタワー型

【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:41㎡(~25畳)●サイズ/質量:W270×H700×D270mm/約9.5kg 
【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:41㎡(~25畳)●サイズ/質量:W270×H700×D270mm/約9.5kg

 

ダイキン

加湿ストリーマ空気清浄機 MCK55T

実売価格4万6440円

コンパクトなボディで置き場所を選ばない、スリムタワー型の加湿ストリーマ空気清浄機。「静電HEPAフィルター」を搭載し、0.3μmの微細な粒子を99.97%除去します。アクティブプラズマイオンに加え、ダイキン独自のストリーマ技術によって有害化学物質も分解します。

【プロが教えるポイント】
「コンパクトなのに加湿機能を搭載した省スペースな空気清浄機です。下部が空気清浄機、上部が加湿器と垂直方向に積み上げた構造で、ファンの音も静かなため寝室に最適です。独自のストリーマで加湿の水の雑菌を抑制し、清潔さを維持できます。ボディカラーは3色を用意し、インテリアに合わせて選べるのもうれしいですね」(戸井田さん)

 

オススメモデルその4

1年中使える1台3役のスーパー複合機

【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:77㎡(~47畳)●サイズ/質量:W222×H632×D222mm/3.91kg 
【SPEC】●集じん方式:ファン式●空気清浄適用床面積:77㎡(~47畳)●サイズ/質量:W222×H632×D222mm/3.91kg

 

ダイソン
Dyson Pure Hot + Cool Link(ダイソン ピュア ホット アンド クール リンク)

実売価格6万8330円

空気を清浄しながら温風も涼風も送風でき、1年を通じて使える空気清浄機能付ファンヒーター。「360°グラスHEPAフィルター」により、PM0.1レベルの超微小粒子状物質を99.95%除去します。スマホアプリとの連携で、室内の空気の状態をモニタリングすることもできます。

【プロが教えるポイント】
「羽根のない扇風機+暖房機+空気清浄機+エアモニターが合体している超複合機です! Wi-Fi対応になり、専用アプリから遠隔操作ができたり、エアモニターとして活用できたり、より便利に進化しました。ただし、空気清浄機としては大きな空間はカバーできないので、あくまで小さい個室向きですね。私の自宅では、趣味の部屋に使ったり、真冬の寒さ対策として食卓のテーブルの足元で使っています」(戸井田さん)

 

【番外編】

クリーナーの充電台が空気清浄機という新提案!

【SPEC】空気清浄適用床面積:6.9㎡(~4.2畳)●サイズ/質量:W250×H1087×D252mm/約4.7kg(共にセット時)
【SPEC】空気清浄適用床面積:6.9㎡(~4.2畳)●サイズ/質量:W250×H1087×D252mm/約4.7kg(共にセット時)

 

三菱電機

iNSTICK1(インスティック) HC-VXF30P

実売価格5万5200円

吸引力の持続とキレイな排気を両立する「風神サイクロンテクノロジー」を搭載したコードレススティッククリーナー。充電台に空気清浄機能を搭載し、0.3μm以上の浮遊じんを99.97%以上キャッチします。アタッチメントを付けて、ふとんクリーナーとしても使用できます。

【プロが教えるポイント】
「コードレスクリーナーの充電台が空気清浄機になっている複合機です。玄関に置いておけるコンパクトさで、かつスッキリとしたデザインで邪魔にならないのが◎。ハンディクリーナーにもなるので、玄関先でコートの花粉を吸い取るのにも役立ちます。私も自宅の玄関に置いています!」(戸井田さん)

 

【Profile】

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家電コーディネーター

戸井田園子さん

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。空気清浄機の特集企画を手掛けることも多く、自宅では複数の空気清浄機を使い分けています。