家電
2017/8/8 21:14

常温ドリンクとの差、なんと17℃!? 約3000円の「車載用温冷ドリンクホルダー」 に「一車に一台」の未来を見た

ドライブの途中「冷たいジュースを買ったのに、ぬるくなってしまった」なんて経験は誰にでもあるはず。あのぬるいドリンクを口にしたら、涼を取るどころか、不快になってしまう人も多いのでは? そんな問題をイッキに解決してくれるのがサンコーの「車載用温冷ドリンクホルダー」(2980円)です。こちらは、シガーライターのソケットに接続するだけで「温かい飲みものを温かく、冷たい飲み物を冷たく」保ち続けてくれる夢のようなアイテムですが、使いづらいようでは意味がありません。実際に使ってその実力を徹底検証してみましょう!

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↑本体とシガーケーブルというシンプルな構成 【SPEC】●本体サイズ/質量:W100×H160×D100㎜/347g●ホルダーサイズ:内径72㎜×深さ65㎜●電源ケーブル長:1145mm●カラー:ブラック、ホワイト

 

シガーライターにソケットを差し込むだけの簡単接続

本体をドリンクホルダーに置き、シガーライターと本体側にケーブル(長さ約1145㎜)を接続すれば設置完了。面倒な配線作業も必要もなく「配線が苦手」という女性でも簡単に使えるのは大きな魅力になりそうです。シガーライター側のプラグにはパイロットランプが付いているので、LEDランプが赤色に点灯すれば接続が完了した証。

↑本体をプラグに接続。
↑本体をプラグに接続。接続が完了するとランプが赤色に点灯(右)

 

本体のサイズは直径100㎜、高さ160㎜と少し大きめですが、作りも丁寧で高級感を感じさせます。ドリンクの差し込み部分は内径72㎜に設計されているので500mlのロング缶やペットボトルにも対応しています。設置した際の安定感は良好。他の車種では不明ですが、筆者のチェロキーではしっかりと安定していました。ただし、本体の重さが347gに加え、ドリンクの重さが加算されるので、エアコンのルーバーに取り着けるタイプのカップホルダーでは、破損の危険性があるので要注意。コンソールに置くタイプのホルダーで使うことをおすすめします。

 

スイッチを押すだけで保温/保冷がスタート

接続が完了したら、ホルダーのリング部分にある保冷/保温のスイッチンを押せばスタート。保温は「湯気」、保冷は「結晶」をイメージしたイラストが描かれているので直感的にわかりやすいです。保温時にはドリンクホルダーの縁が赤く、保冷時には青くLEDランプが点灯するのも機能的。派手過ぎないLEDイルミネーションは、車内のドレスアップパーツとしても機能するのも憎い演出ですね。

↑
↑左が保冷スイッチで右が保温スイッチ

 

↑イルミネーション。
↑LEDイルミネーション。左が保冷で右が保温の例

 

過酷な環境のなか、保冷では16.6℃までしっかり冷えた

今回、実際にテストを行ったのは猛暑日の正午。外気温は35℃を超え、車内は灼熱地獄と化した過酷な環境。車載用温冷ドリンクホルダーをセットしたところ、アルミ缶の水は30.7℃という高温を示していました。

 

本来ならコンビニや自販機で購入した“冷えた状況”から使うのが正しいのですが、より苛酷なテストということで常温状態の30.7℃から検証スタート。保冷スイッチを押すと青いイルミネーションが点灯し、冷却ファンが回転する音が「フイーン」と聞こえてきます。使ってみた結果は以下の通り。

 

<30分経過>

保冷を使わない水:32.4℃(1.7℃のアップ) 保冷をした水:23℃(7.7℃のダウン)

 

<1時間経過>

保冷を使わない水:33.4℃(2.7℃のアップ) 保冷をした水:18.6℃(12.1℃のダウン)

 

<1時間30分経過>

保冷を使わない水:34℃(3.3℃のアップ) 保冷をした水:16.6℃(14.1℃のダウン)

 

<テスト結果>

常温の水は34℃まで温度が上昇……。一方、本機を使った水は、ほぼ“お湯”の状態から、90分で16.6℃までしっかりと冷えたため、冷却性能の高さは立証されました。冷えた状況をキープするのなら十分過ぎる性能といえそうです。「保冷」というよりも、検証した結果では「冷蔵」と呼びたくなる素晴らしい結果を叩き出してくれました。

↑
↑最終的に、保冷を使わない水は34℃(右)、保冷を使った水は16.6℃(右)に。その差はなんと17.4℃!

 

保温では43.8℃の湯が90分後に2.7℃上昇

この猛暑の中で…とも思われましたが、公平を期するべく、「保温」も検証。まずは車内に置いた43.8℃の湯を使って検証スタート!

 

<30分経過>

保温を使わない湯:38.5℃(5.3℃のダウン) 保温をした湯:45.2℃(1.4℃のアップ)

 

<1時間経過>

保温を使わない湯:34.6℃(9.2℃のダウン) 保温をした湯:46.2℃(2.4℃のアップ)

 

<1時間30分経過>

保温を使わない湯:32.4℃(11.4℃のダウン) 保温をした湯:46.5℃(2.7℃のアップ)

 

<テスト結果>

あまりの猛暑にエアコンを全開にしてテストしたため、保温をしない水はスタート時の43.8℃から32.4℃と11.4℃ほど下降したにも関わらず、保温を行った水は46.5℃と2.7℃の上昇と、しっかりと温かい状態を保持してくれました。これが冬場であれば、常温との温度差はかなり大きくなるはず。冬での実用性も証明してくれました。なお、保温を使用する場合は、通常のペットボトルは耐熱用ではないので使うことはできません。耐熱用のペットボトルであることを確認してから使用してください。

↑最終的には
↑最終的には保温しない湯が32.4℃、保温した湯が46.5℃。その差は14.1℃に

 

今後はドライバーのマストアイテムとして活躍しそう

さて、保冷・保温の機能は十分だとわかりましたが、気になるのが、操作の邪魔にならないのか? という点。基本的に純正のドリンクホルダーは操作系に違和感が出ない位置に設定されていますが、本機はそこに挿入して使うだけあって、高さが出てしまうため、多少の違和感はありました。筆者のジープ・チェロキーでは、ATの操作にはまったく問題ありませんでしたが、MTの場合、邪魔になる可能性はあるかもしれません。購入する前に、スペックと下の写真を参考に、サイズ感を把握しておくことをおすすめします。

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↑設置例。使わない場合に比べて、高さが違ってくるので注意が必要です

 

あえて残念な点を挙げるとすれば、本体が大きいので2機のカップホルダーを並列できないこと。将来的には並列できる程度のスリム化を希望。カップルで利用する場合は、取り合いになることが目に見えていますから。あとは、ケーブルとしてUSBも付属していれば、汎用性の面でより便利かも。とはいえ、冷たい飲み物が温く、温かい飲み物が冷たくなってしまう「ドライブあるある」を、見事に解決してくれる点はお見事。一年中使えて、2980円という価格もありがたいです。今後、この「車載用ドリンクホルダー」が、ドライバーのマストアイテムになることは間違いありません。