この春、ダイソンからコードレススティック掃除機の待望の新シリーズ、「Dyson Cyclone V10 (ダイソン サイクロン ブイテン )コードレスクリーナー」が発売されました。今度のモデルはモーター、サイクロン、バッテリーという掃除機の中核パーツがすべて進化。集じん性能ではコード式キャニスター掃除機をも凌ぐとダイソン社は豪語しています。さらに「コンセントの抜き差しや収納が面倒なコード式キャニスターはもう必要ない」と宣言し、ダイソン社はキャニスター型掃除機の開発をやめてしまいました。
「コード式掃除機に引導を渡した」最新モデルの実力を検証!
さて、同社に「コード付き掃除機の開発が不要」と決意させる契機となったDyson Cyclone V10 コードレスクリーナー。実際のところ、実力はどれほどのものなのか……? その疑問に答えるべく、今回は同シリーズのスタンダードモデル「Dyson Cyclone V10 Fluffy」(ダイソン サイクロン ブイテン フラフィ・以降V10)の徹底テストを実施。基本の「フローリングの集じん力」「カーペットの集じん力」に加え、「操作性」「ゴミ捨てしやすさ/メンテナンス性」「設置性」「独自機能」「拡張性」で7項目で検証していきたいと思います。
【関連記事】
NEW!! 2018年5月16日更新 【2018年版】ダイソンのコードレス掃除機、値段が違うと何が違う? 比べなきゃわからない主要4モデルの意外な「差」
【テストする機種はコチラ】
パワーも連続運転時間も向上し、ダイソンの掃除機はネクストレベルへ
ダイソン
Dyson Cyclone V10 Fluffy
実売価格7万5384円
コード式掃除機を超える集じん性能を実現したコードレススティック掃除機。従来モデル(Dyson V8 Fluffy)のモーターに比べ約半分の質量ながら、毎分最大12万5000回転(V8は11万回転)を誇るダイソン デジタルモーター V10を搭載。サイクロン内に発生する7万9000Gもの遠心力で、微細なゴミまで効率よく分離集じんします。また、モーターの小型化などにより、ヘッドからパイプ、モーター、クリアビンを直線上に配置することが可能になり、ロスが減って吸引力がアップしました。さらに、バッテリーのセルの数が6つから7つに増えたことで最長運転時間もこれまでの40分から60分に延長。ゴミの捨てやすさや収納のしやすさも向上しています。
SPEC●サイクロン技術:Radial Root(ラジアルルート) サイクロンテクノロジー(14気筒)●ノズル:ソフトローラークリーナーヘッド●充電時間:約3.5時間●運転時間:約60分(モード1)、約30分(モード2)、約8分(MAXモード)●サイズ/質量:W250×H1232×D245mm/2.58kg
【テストその1 フローリングでの集じん力は?】
フローリングでは弱運転でも十分な集じん力を発揮
集じん力はフローリングとカーペットの2つの場所で検証を行いました。それぞれに、粒ゴミとしてペットのトイレ用砂(おから砂)20g、粉ゴミとして重曹を20gを撒くとともに、長さ5cm×幅1~2mmに切った紙ゴミ1gを幅30cm×長さ70cmの範囲に撒いて1ストロークだけ走行。各ゴミがどれだけ取れたかを視認しました。
ちなみに、本機は「パワーモード1(弱モード)」「パワーモード2(通常モード)」「MAXモード(強モード)」の3段階で吸引力を切り替えられます。ダイソンの新製品発表会時に「フローリングはパワーモード1、カーペットはパワーモード2で十分」との説明があったので、今回のテストでもまずはそれに準じてテストしました。
フローリングでの走行では、パワーモード1で猫砂と紙ゴミは完全に集じんできましたが、ヘッドの右端部にわずかに重曹の筋が残りました。また、フローリングの目地の中にもところどころに重曹が残っていました。ちなみに、これをパワーモード2で集じんすると、フローリング上の集じんは完璧でしたが、目地にわずかに重曹が残りました。とはいえ、ネコ砂と紙ゴミの集じんはほぼ完璧。重曹に関しても、通常これだけの粉を掃除することはありませんし、残った重曹もパワーモード1でも2ストロークでキレイに吸引することができました。通常の掃除なら十分すぎる集じん力といえるでしょう。
【テストその2 カーペットでの集じん力は?】
紙ゴミがやや残るも、従来モデルより集じん率はアップ
カーペットでの走行では、パワーモード2で猫砂と重曹は集じんできましたが、紙ゴミが少しだけ、カーペットの起毛部分に固まるように残りました。V8で検証したときもそうだったのですが、ダイソン独自のソフトローラークリーナーヘッドでカーペット上を掃除すると、細長い紙くずはローラーヘッドの周りをくるっと周回して前のゴミと固まった状態でカーペットにくっつく場合があるようです。ただ、残った紙くずの量は、従来モデルのDyson V8 Fluffy(以降V8)をテストしたときよりかなり少なくなった印象です。なお、試しにカーペット上をMAXモードで掃除したところ、猫砂と重曹はしっかり集じん。紙くずはわずかに残ったとはいえ、その量はパワーモード2に比べて格段に少なくなりました。