家電
2018/7/7 9:00

安全! 美味い! 防災にも! 良いことづくめのウォーターサーバーを選ぶには?

季節を問わず、おいしく安全な水が飲めるウォーターサーバー。普段の水分補給にはもちろん、料理に使ったり洗顔したりするほか、ボトリングされた状態で常備しておくことができるため、防災対策にも役立ちます。かつては病院や企業などに置かれていましたが、美容や健康に関心のある人を中心に流行した上、東日本大震災など災害時の教訓もあいまって、今では自宅に設置している人も多くなりました。

 

一方で、ウォーターサーバーを扱っている企業は多く、その水質やサービスの内容にもさまざまあり、どのように選べばよいのかわからない、という人は少なくないでしょう。そこで、日本におけるウォーターサーバーの実情を知る一般社団法人日本宅配水&サーバー協会の芹澤卓道さんに、ウォーターサーバーに関する基本知識や選び方、おすすめブランドについて聞きました。

 

「天然水」と「RO水」の2種類がある

ウォーターサーバーのボトルに入っている水には、ふたつの種類があります。ひとつは「天然水」といって、天然の成分が含まれた水のこと。南アルプスや阿蘇など、特定の水源から採取した原水を濾過などし、化学処理を行わずにボトリングしたものです。もうひとつは「RO水」といい、逆浸透膜を通して水道水や地下水を濾過した水のことで、徹底的に不純物を除去しています。

 

「一般的に、天然水は宅配便を使用して全国展開している企業が多いです。たいていは使い捨てのボトルに入っていて、飲み終えたら捨てられるワンウェイ方式をとっています。反対に、RO水は製造工場を中心に従業員が配達している場合が多く、回収して再利用するリターナブルなボトルを使用しています。完全に不純物を除去しているのがRO水で、蒸留などの加工をしていない自然のままの水が天然水ですが、水の味や特徴はさまざまです」(芹澤さん)

 

日本人に合うのは軟水

水には「硬度」といって、その硬さを示す数値があります。水質を表す基準のひとつで、水に含まれているカルシウムとマグネシウムの量によって硬度が決まり、用途によって適している硬度があります。

 

たとえば、まだ胃腸の発達が未熟な乳児期は、カルシウムやマグネシウムが消化できないため、赤ちゃんのミルクづくりには軟水が適しています。一方、ヨーロッパでは飲料水が硬水のため、西洋料理には硬水が向いています。肉の煮込み料理に使うとアクがしっかりとれたり、肉を柔らかくしてくれたりする効果があるほか、ハードパンを焼くときの仕込み水を硬水にすると、パリッとした食感のパンが焼けるのです。

 

「日本の水はほとんどが軟水で、日本人の体や口に合うと言われていますから、国内では現在、硬水のウォーターサーバーの取り扱いはありません。ただ、同じ軟水でも硬度の差はあるので、口にしやすい味のものを選ぶといいと思いますよ」(芹澤さん)

 

生活スタイルで選ぶ、ウォーターサーバーの<方式>

ウォーターサーバーを選ぶときに重視すべきことのひとつが、水のボトルが回収式なのかワンウェイ方式なのか、でしょう。回収式は、野菜などの定期宅配と同じように、不在でも玄関口に置いておいてもらえるメリットがありますが、回収の日まで空になったボトルを保管しておく必要があります。一方ワンウェイ方式では、宅配便での受け取りなので、不在のときの受け取りに手間がかかる場合がありますが、飲み終わったらボトルを小さく潰しゴミとして捨てられます。

 

「転居時や妊娠、出産、ご結婚など生活に変化があったとき、新規に加入される方が目立ちます。お酒を割るときやコーヒーを淹れるときなど、熱いお湯をすぐ使いたい方や、飲料用に水を購入していらっしゃる方には、ウォーターサーバーをお使いいただくと便利だと思います」(芹澤さん)

 

特徴から選ぶ、ウォーターサーバーの<種類>

ウォーターサーバーがあると、日々の料理やお茶などの味に満足できるだけでなく、水をマグボトルに入れて持ち歩くこともできます。

 

「小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、ペットボトルのジュースやお茶の代わりに、おいしいお水で水分補給してほしいと考えられている方が多いようです。出かけた先で喉が渇いたとペットボトル飲料をいちい購入するより、ご家庭のサーバー水を水筒に入れて持って行くことで、経済的にも健康的にも大きなメリットがあると思います」(芹澤さん)

 

それでは具体的に、宅配の方法や水質の違うウォーターサーバーの種類を見ていきましょう。

 

1.安曇野の上流から来た天然水

「信濃湧水」(ワンウェイ方式)
https://shinanoyusui.jp/

自然豊かな長野県大町の工場で詰められた、標高1220mの北アルプスでとれた「信濃湧水」。水源は、わさび栽培で有名な安曇野の上流に位置しています。険しい山の中なので関係者以外入ることができず、自然環境が荒らされる心配がありません。ボトルは使い捨てタイプで、関東圏内に限り配送スタッフが配達してくれます。

 

「硬度が16と超軟水で、雄大な北アルプスが育んだ天然水の味が楽しめます。スタンダードタイプのサーバーはレンタル料が無料で、お水代のみでご利用できるので、安心してお使いいただけると思います」(信濃湧水販売店/トーエル)

 

2.ホタルのいる群馬県榛名山の天然水


「スイークレイ」(回収方式)
http://www.032014.com/

四季を通して15℃程度と水温が安定していて、ホタルが生息するために必要な酵素がたっぷり含まれた湧き水を採水した100%天然水。ミネラルや風味を損なわないよう加熱殺菌せず、高性能フィルターで無菌化しているので安心です。回収タイプのボトルは定期宅配なので、水が足りないと毎回注文する手間がかかりません。

 

「サーバーやボトル回収・宅配などはすべて無料で、水が足りない場合は追加することができ、余っていたら次回の配達で調節していただくことができます。温水と冷水の出るサーバーのほかに、常温のみで使っていただける木製サーバーがあり、お子さまが触ってしまう心配のあるご家庭に人気があります」(スイークレイ販売店/いずみや・平野さん)

 

3.ハワイ採取の天然水を徹底濾過したRO水


「ピュアハワイアン」(ワンウェイ方式)
https://www.hawaiiwater.co.jp/

ハワイの大自然で生まれた天然水の不純物を極小フィルターで濾過したピュアウォーター。ハワイはどの大陸からも数千キロ離れていて、各国が天文観測所を設置するほど空気が澄んでいると言われています。また、ウミガメやハイビスカスをあしらったボトルは、インテリアにも映えそうです。

 

「サーバーには温水と冷水の機能があり、温水のほうはチャイルドロックを二重にかけられるようになっていますので、お子さまのいたずらややけどなどを防ぎます。また、温水を循環させて自動で内部をクリーニングすることもでき、いつも清潔なまま使っていただけます」(ピュアハワイアン販売店/トーエル)

 

4.北アルプスの天然水を磨き上げたRO水

「アルピナウォーター」(回収方式・ワンウェイ方式)
https://www.alpina-water.co.jp/

北アルプスの天然水をRO浸透膜で濾過し、不純物を99.9%除去したピュアウォーターです。徹底的に磨き上げたことで、だれでも安心して飲める水に仕上がっています。また、ボトルは回収式と使い捨てのワンウェイ、どちらでも選べるようになっているのがおすすめのポイントです。

 

「回収式のボトルのほうは量が多く、業界最安価格というお得な価格でお求めいただけます。使い捨てタイプは8Lの小さなボトルで設置しやすいため、ひとり暮らしの方や外出の多い方、重たいボトルを持ち上げるのが大変な方などにおすすめです」(アルピナウォーター製造元/トーエル)

 

インテリアに合わせて選ぶ<デザインとサイズ>

一般的なウォーターサーバーは、直に床に置いて使う床置きタイプのものが多いのですが、限られたキッチンのスペースに幅をとるものを置けない、という方には、卓上タイプのものがおすすめです。また最近では、インテリアの邪魔にならないデザイン性に富んだサーバーもありますから、好みのものを探してみましょう。

 

1.床置き型と卓上型を選べる

「フレシャス」
https://www.frecious.jp/

シンプルなサーバーで人気のブランド「フレシャス」では、富士、朝霧高原、木曽の3種類の天然水を用意しているので、サーバーによって好みの採水地を選ぶことができます。水は使い捨てのボトルのほかに軽量のパック詰めされたものがあり、力のない方にもセットしやすいのがポイントです。

 

「床置きタイプはリビングに置いていただくとご家族で使いやすく、卓上型はスペースを取らないので、キッチンのシンクやカウンターなどに置いていただくのに適しています。ウォーターパックは、飲み終わったら小さく畳んで捨てることができるので場所をとりません。デザイン面では、シンプルでスタイリッシュなサーバーとしてグッドデザイン賞を受賞しています。世界的に有名なプロダクトデザイナーの安積伸氏にデザインしていただきました」(富士山の銘水・横山さん)

↑「床置きタイプdewo」は、インテリアと馴染みやすいデザインが人気。電気の節約モードで、従来のサーバーと比べて70%以上の電気代をカットできます

 

↑「卓上型dewo mini」は、小さいながらも4.7Lのウォーターパックが入ります。コンパクトで場所をとりません

 

2.デザイン家電ブランドとのコラボレーション


「プレミアムウォーター」
https://premium-water.net/

富士吉田、南阿蘇、金城の3カ所から採水し、非加熱処理を行った天然水。国際味覚審査機構(iTQi)やモンドセレクションを受賞するなど、そのおいしさは世界的に認められています。

 

「非加熱で処理することで、お水のおいしさに関わる溶存酸素量が減少しにくく、自然本来のおいしさを味わっていただけます。サーバーは、デザイン家電で大変人気のあるamadanaによるものや、性能やデザインが人気の家電ブランドcadoとのコラボレーションで製作した『cado×PREMIUM WATERウォーターサーバー』など、さまざまなご用意をしています」(プレミアムウォーター・與風さん)

↑「amadanaデザインサーバー」は、日本ならではの美意識を大切にしたエレクトロニクスブランド、amadanaがデザイン。木製の置き台で、北欧系インテリアにも和室にも合うよう考えられています
↑「cado×PREMIUM WATERデザインサーバー」は、大手メーカー出身者が立ち上げた家電ブランド、cadoとのコラボレーションで誕生。省エネや安全ロックなどを備えながらもスタイリッシュです

 

汗をかくことが多くなるこれからの季節、水分補給が欠かせなくなります。水質やデザインなど、生活スタイルや好みに合わせて選ぶことのできるウォーターサーバーで、おいしい水を取り入れてみませんか?

 

【プロフィール】
一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会/芹澤卓道

80社もの宅配水企業等が加盟する団体で、通称「JDSA」。宅配水業界の発展を目指して、宅配水に関する消費者からの相談窓口の役割を果たすほか、製造工場内の除菌・殺菌のマニュアルなど、業界内のガイドラインを策定している。
http://www.jdsa-net.org

 

取材・文/吉川愛歩 構成/Neem Tree 写真提供=トーエル

 

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