付箋とは、単に「貼って剥がせる糊付きの紙片」に過ぎない。しかし、その用途によって求められる性能は微妙に異なる。
たとえば伝言を伝えるために相手のデスクに貼っておく場合、とにかく目立たなければ意味がない。うっかり見逃されては困るため、何が書かれているかを強烈にアピールする必要がある。
一方で、書類に補足を加える目的で付箋を使うなら、あまり目立ちすぎると書類の内容を邪魔してしまう。また、複数部の書類を用意する場合には、同じ内容の付箋を繰り返し書くことになるため、その作業を効率化する工夫があるとありがたい。
だからこそ、例の黄色やピンクの単色付箋だけでなく、用途に応じた特化型を選ぶことが、仕事の効率アップにつながるのである。今回は、そんな“付箋”というジャンルの中でも、それぞれの役割を突き詰めたエッジの効いた製品を2製品、紹介していこう。
これは見ちゃう!視線誘導に特化した目立ち付箋
冒頭でも触れたように、伝言を残すための付箋は「目立つこと」が主な役割であり、場合によってはメッセージの中身よりも視認性が優先されるべきかもしれない(自席に目立つ何かがあれば、それだけで「何かあったな」と察してもらえる)。
もちろん、色が派手であったり、貼るとポップアップするなどの工夫でも十分だが、もう一歩踏み込んだ仕掛けがあれば、さらに便利になるだろう。たとえば、ほとんどの日本人の視線をほぼ自動的に集めてしまうようなデザインだ。
ササガワ
商店街でよく見るアレの付箋 全12種
各450円(税別)
ササガワの「商店街でよく見るアレの付箋」は、その名の通り、個人商店やスーパーの店頭でよく見かけるPOPカードをそのまま付箋にした製品である。
名前だけではピンとこないかもしれないが、実物を見れば「これか!」と膝を打つはず。それほどまでに日常の風景に溶け込んでいる色・形・ハンドサインやイラストがふんだんに使われている。

ササガワという社名はあまり知られていないかもしれないが、賞状用紙(タカのマーク入り)や熨斗紙など、局所的には非常に有名な紙製品メーカーだ。「本日のお買い得品」や「当店おすすめ!」といったPOPカードでも、間違いなく国内トップクラスの存在である。

そして何より、我々はこのPOPカード付箋に書かれた内容をつい見てしまう。というのも、そこに記されるのは「◎割引」や「お買い得品」といった、お得情報であることが多く、それが習慣として脳に刷り込まれているからだ。
無意識のうちに目で追ってしまうこのデザイン、伝言用付箋としては、まさに最強の視線誘導ツールといえる。

……あらためて文章にするとやや“庶民くささ”が否めないが、それこそがササガワのデザイン戦略の妙。昭和の時代から築いてきた「お得感」という感覚が、日本人のDNAレベルで刷り込まれているのだ。自社のデザイン資産を活かした好例といえるだろう。