【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】
文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第18回となる今回は?
第18話
ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2000円(税別)
ボディに金属素材を使用し、高級感のあるデザインに仕上げたサインペン。ボールペンよりも筆記線が太く、遠目からでも見やすい。軸をひねってペン先を出す回転繰り出し式で、キャップがなくても乾かない「モイストキープインク」を採用。インクは黒と赤の2色。
スピーディーに書き始められ、ペン先を出しっぱなしでも乾きにくい
正直、最初はあまり期待していませんでした。「回転繰り出し(ツイスト)式の高級太軸マーカー」という世界的にも珍しい仕様を持つゼブラの「フィラーレ ディレクション」。この手のヤツって実際使ってみると案外使いづらかったりするんだよな……と、そんな経験則が頭をもたげつつ、それでも一応興味本位でポチってみたわけです。
それから2週間。ラジオの現場で毎日使ってみましたが……これ、すごくいいかもしれないです。
まず、ペン先を繰り出すツイスト機構。軸が太く、しかも1/4回転でペン先を出せるので、ほとんどノック感覚で書き出せるのがいい。キャップ式のマーカーよりもスピーディ、しかも無音で書き始められるのは(この連載で何度も書いているとおり)音を気にするスタジオの中ではとても都合がいいのです。
さらに同じくゼブラのノック式水性カラーペン「クリッカート」で初採用された「モイストキープインク」を採用しているため、ペン先を出しっぱなしにしても乾燥することがない。バタバタと慌ただしい環境で使うときには本当に助かります。キャップのことを気にせずそこら辺に放り出しておけるのが、こんなに快適でストレスフリーだったとは! 意外な発見でした。
いまは赤色を主に使っていて、発色がもうちょっと鮮やかだったら……とは思うものの、それを補って余りある使い勝手の良さで、個人的にはレギュラーの一本になりそう。先入観ってよくないね。お詫びに替芯10本ポチりました!
【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー
【第1話~第16話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第17話】アナログレコードの音色のよう? ノック音が静かで心地良いボールペン「カルム」はウェブ会議に最適だった
https://getnavi.jp/stationery/693174/