文房具
筆記用具
2023/9/28 18:30

即完売の大人気「オートマチックシャープ」、ヒットの秘密をプロが徹底解説!

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。本記事では「文房具編」から、人気の “ノックなしで芯が出る” オートマチックシャープ「オレンズAT デュアルグリップタイプ」と「クルトガ ダイブ」をピックアップ。ヒットの背景には何があったのか? 筆記用具として今注目したいボールペン「mute-one」の紹介もあわせて、文房具ライターのきだてたくさんと放送作家・ライターの古川耕さんに解説してもらいました!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動シャープの選択肢が増え約10年続いたトレンドが変化

文房具業界では10年ほど、芯が折れないシャープペンがトレンドだったが、今年はノックなしで芯が出る “オートマチックシャープ” の波が来ている。その筆頭は、昨年、限定発売され、即完売した三菱鉛筆の「クルトガ ダイブ」。

 

「3月に定番化しましたが、それでも抽選販売を行う店や数分で完売する店が続出しました。1月発売のぺんてるのオートマチックシャープ『オレンズAT デュアルグリップタイプ』も、発売4か月で20万本売れと好調です」(きだてさん)

 

オートマチックシャープというジャンルは、17年に発売されたぺんてるの「オレンズネロ」によって作られたが、「クルトガ ダイブ」登場までの約5年、新商品は出なかった。それがいま2品登場し、加えてどちらも申し分のない完成度。売れない理由がないのだ。

手間要らず・疲れ知らずで長時間筆記にピッタリ!

ぺんてる
オレンズAT デュアルグリップタイプ
2200円
2023年1月発売

ノック1回で書き続けられる「自動芯出し機構」と、ペン先のパイプで芯が折れるのを防ぐ「オレンズシステム」を搭載。ノック操作や芯折れによるタイムロスを防げる。名前のATは、「Automatic Technology」の頭文字。

 

【プロも絶賛!】

文房具ライター きだてたくさん
機能派からイロモノまで文房具全般に精通。ユーザーニーズを捉えたレビュー記事で人気だ。

 

ATシャープペンのニュースタンダード

「オートマ機構を安定量産するための工夫が凝らされ、本品がオートマチックシャープの新基準となるのはほぼ確実。全体のバランスも良く、文房具好きは注目すべし!」

 

芯が尖り続けながら自動で出る世界初のシャーペン

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ
5500円
2023年3月発売

書くたびに芯を回し芯先を尖らせる「クルトガエンジン」と、世界初の「自動芯繰り出し量調整機能」を搭載。芯が紙面に当たる力を使い、一定の画数ごとに芯を繰り出す。繰り出し量は5段階で調整できる。

↑クルトガエンジンの内部構造

 

↑キャップを外すと同時に芯が出る「初筆芯繰り出し機構」も備え、持ってから置くまでノック要らず。キャップは、一定の位置まで差し込むと押し込まなくても閉まるマグネット式だ

 

【プロも絶賛!】

放送作家・ライター 古川 耕さん
長年、GetNaviにて文房具コラムを担当。現在は「手書きをめぐる冒険」を連載中だ。

シャープペンの進化を象徴する一本

「実用性もありつつキャップ式というギミックもスゴい。これは言わば “ホビー系高級シャープ” という新ジャンル。近年のシャープペン界の爛熟振りを象徴する一本です」

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>文房具ライター きだてたくさん

 

低価格商品が出始め市場が活性化しそう!

「機構が複雑なぶん、筆記具のなかでは高額商品で、『オレンズAT デュアルグリップタイプ』のように手ごろな商品も出始めています。今後は各メーカーとも低価格帯の商品を投入してくるはず!」

売れ行き:★★★
革新性:★★
影響力:★★★

 

【コレもチェック!】

操作音を33%カット! 周囲への配慮ができるペン

サンスター文具
mute-on
264円

ノック音を従来品比で約33%抑えたボールペン。「静音設計のペンも、周囲への気遣いができる筆記具として人気が高まっています。本品は意識しないと聞き取れないくらい静か!」(きだてさん)