「日本文具大賞」のグランプリに“輝けなかった”傑作たち

ink_pen 2019/7/1
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「日本文具大賞」のグランプリに“輝けなかった”傑作たち
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

2.金属面以外にもつけられるマグネットフック

機能部門でもうひとつ気になったのが、マグエバーの「マグサンド」。文具大賞のエントリー写真では透明なガラスに装着されているが、要するに金属面じゃなくても装着できるマグネット式の増設フックである。

↑同じく機能部門優秀賞のマグエバー「マグサンド」。ガラス面にもフックがくっつく
↑同じく機能部門優秀賞のマグエバー「マグサンド」。ガラス面にもフックがくっつく

 

「どういうこと?」と思ったが、仕組みを理解すれば簡単。フック側と別体の強力なネオジム磁石パーツで、板面を挟みこむように固定しているのである。なるほど、マグネットでサンドするから「マグサンド」か。

 

磁石の周囲をシリコンで完全に覆っているので、窓ガラスで屋外側に付けても錆びる心配がなく、板面に傷をつけることもなく、さらに滑り止めとなるから下にずり落ちにくい、という一挙三得のアイデアだ。

↑2つの磁石パーツで、板面を挟むようにセットして使用する。磁力は5mm厚のガラスを挟んで耐荷重500gと強力だ。
↑2つの磁石パーツで、板面を挟むようにセットして使用する。磁力は5mm厚のガラスを挟んで耐荷重500gと強力だ。

 

これまで、非金属面にフックを増設しようと思ったら両面テープか吸盤式ぐらいしか選択肢がなかったわけだが、テープだと貼り剥がしができないし、吸盤は信頼性が低く見た目もイマイチ。スッキリしたルックスで耐荷重も(挟みこむ板面の厚さで変わってくるが)充分、しかも貼り剥がしが可能ということで、これは普通に考えてもかなり便利じゃないか。

 

例えば店舗のガラス扉にメニューをぶら下げておいたり、木製のタンスにハンガーをかけたり。これまでフックをつけるのを躊躇していた場面でも安心して使えそうなので、これはかなり応用範囲の広いツールと言えるだろう。

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