【注目の車両&路線④】「妙高はねうまライン」で注目したいのは
元信越本線の妙高高原駅〜直江津駅間37.7kmを走る妙高はねうまラインだが、路線のポイントをここで抑えておこう。まずは特急「しらゆき」の写真で見たように妙高の山並みが、路線の途中で見ることができる。
さらに珍しいスイッチバック駅がある。新井駅のひとつ南にある二本木駅で、上りも下りも、一度、駅ホームに入線する前、もしくは後に、折り返し線に入り、進行方向を変える。以前には、駅を停車しない特急の通過列車があったが、今は定期運行されるすべての列車が同駅に入るので〝行ったり来たり〟する様子が楽しめる。
二本木駅の先、関山駅、妙高高原駅までの駅間の距離がかなり延び、さらに山あいの路線となる。電車がそれだけ上り下りしていることを実感させる路線だ。
妙高高原駅では、しなの鉄道と接続する。しなの鉄道といえば、国鉄型の115系が今も主力として走る路線で、その出会いも楽しいが、最近は新型車両の導入が進み、出会うチャンスが減ってきたのは、鉄道ファンとしてはちょっと残念なところでもある。
【注目の車両&路線⑤】直江津D51レールパークを走るSLは?
妙高はねうまラインを直江津駅へ戻り、次に日本海ひすいラインを走る車両を見ていくことにしよう。その前に、直江津駅にはぜひ訪れたい施設がある。直江津構内にできた「直江津D51(デコイチ)レールパーク」だ。
今年の4月29日に誕生した施設で、その名前のようにD51形蒸気機関車の動く様子に触れることができる。同施設のD51は、和歌山県の有田川鉄道公園で保存されていた827号機で、圧縮空気で動く仕組みに改造されている。827号機は米原機関区、中津川機関区に配置された機関車で、中央西線で活躍したのちに引退となっていた蒸気機関車でもある。
同機関車が乗客を乗せた車掌車を牽引。直江津駅のホーム近くとレールパークを往復し、またパーク内にある転車台に載って、ぐるりと回る様子が楽しめる。
レールパークは元直江津機関区を利用したもの。この直江津機関区の歴史は古く1894(明治27)年に発足し、最盛期には転車台の周りに22線という大型の扇形庫が設けられた。1960年台前半までD51をはじめ多くのSLがこの機関区を基地に活躍した。その後、機関庫は縮小され、2015(平成27)年3月14日には、JR東日本からえちごトキめき鉄道へ施設が譲渡されている。
機関庫は小さくなったものの、レールパークになった後は、413系(クハ412-6)が庫内で保存展示。413系の車内は休憩所として、また売店として利用されている。ほか車両移動用の小型機関車、世界的な建築家の清家 清氏が自宅で利用していたという有蓋緩急車ワフ29603が保存されている。車掌車も兼ねていた車両で、清家氏はこの車内を書斎に利用していたそうだ。鉄道好きとしては贅沢な趣味の空間であるとともに、うらやましい車両の使い方だと感じた。
直江津D51レールパークはトキ鉄の車庫(直江津運転センター)に隣接していることもあり、車庫内に停車するET127系やET122形などの車両も間近に見ることができる。車庫ならではの動きを見ることができる楽しさも、ここで味わえる。
◆直江津D51レールパーク◆
営業時間:9時45分〜17時(最終入場16時30分)
営業日:3月上旬〜12月初旬の土・日曜、祝日など
入場料:大人1000円
アクセス:直江津駅南口から徒歩約3分