日産『NOTE(ノート)』のハイグレード版として登場したのが『AURA(オーラ)』です。単に装備を豪華にしたのではありません。ボディサイズを3ナンバーにまで拡張し、モーター出力もアップするなど、試乗してみれば見た目以上のその違いを実感できるものとなっていたのです。ここではベース車であるノートと比較しながらレポートします。
■今回紹介するクルマ
日産/オーラ
※試乗グレード:G leather edition(4WD)
価格:265万4300円~299万6400円(税込)
5ナンバーのノートに対して、オーラは3ナンバー
一見すると「ノートとオーラの違いはよくわからない」ほとんどの人がそう思うはずです。両車ともデザイン面で違いがそれほど大きくないからです。しかし、並べてみるとその違いはハッキリとわかりました。最も大きな違いは、ノートはボディが5ナンバー枠に収まっているのに対し、オーラはなんと3ナンバーとなっていることです。
で、その寸法をチェックしてみると、オーラの全幅は1735mmと、ノートの1695mmから40mm広がっていました。さらにトレッド幅もノートの1490mmから1510mmへと拡大しています。デザイン上もヘッドライトの薄型化を実施して、それに伴ってフロントグリルをバッテリーEVの「アリア」にも近いデザインとしました。また、前後フェンダーも膨らみを持たせることで、オーラは3ナンバー車らしいボリューム感のある雰囲気を生み出しているのです。
クルマに乗り込むとオーラはインテリアにも質感の向上が認められます。インパネの表面にはツイード調のファブリックが施され、その下には木目調パネルが加えられています。メーターディスプレイも、ノートの7インチより大型の12.3インチカラーディスプレイに変更しています。これにより、オーラでは車両の機能情報以外にナビゲーションの表示もメーター内でできるようになっています。これもノートにはない注目の装備と言えるでしょう。
プロパイロットとBOSEサウンドで快適な高速クルージング
オーラではシートもグレードアップしています。「G leather edition」には座り心地と快適性を両立させた「本革3層構造シート」を装備。標準グレードではシートのメイン部分にインパネのファブリックに合わせた素材を用いるなど、インテリアのコーディネイトにも優れた一面を見せます。また、2022年8月の仕様変更ではリアシート中央にアームレストが標準装備され、これもノートではオプションにはない特別な装備と言えます。さらにシートはノートも含めすべて抗菌仕様にもなりました。
それとオーラで見逃せないのはサウンドシステムとして「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」がオプションで装着できることです。ヘッドレストにスピーカーを内蔵したことに加え、ドアにはワイドレンジスピーカー、Aピラーにはツィーターを組み込んだ8スピーカー構成とし、これを専用DSP内蔵アンプにより駆動します。耳元に近いヘッドレストでメインの音が出力されるため、音像の輪郭が鮮明でクリア。しかも「PersonalSpace」と呼ばれる機能を使うことで、音場の広がり感も自由に設定できます。その日の気分に合わせたサウンドステージが楽しめるのは使ってみるとなかなかいいものです。
ただ、残念なのはこのシステムはプロパイロットやNissanConnect ナビゲーションシステムなどとのセットオプションとなるため、価格は40万円超えとなってしまうことです。おそらくプロパイロット+ナビを装着する人は多いと思われるので、それを選べば必然的にBOSEのシステムも付いてくるわけですが、車両価格の15%にもなるこの設定はちょっとビビりますよね。しかしオーラは遮音ガラスを採用したこともあって、高速走行時の室内はきわめて静か。音楽を楽しみながらプロパイロットでクルージングすることをオススメします!