オーストラリアでいま人気上昇中のドイツ資本スーパーマーケット「アルディ」。オーストラリアでの開業は2001年ですが、すでに大手の競合を追い抜きつつあります。そんなアルディがどのようにビジネスを成功させているのか、その経営手腕を探ってみました。
従来のスーパーとは違うビジネス形態
スーパーマーケット「アルディ」がオーストラリアで話題に上り始めた数年前、筆者は好奇心で足を運んでみたことがあります。ところが当時は、店内をざっと一周しただけで、買い物はゼロ。というのも、それまでのスーパーマーケットのイメージとはひどくかけ離れていて、素通りしてしまったからです。
「見たことも聞いたこともないようなブランド品」が並ぶ棚、箱から出されず棚に置かれた商品(箱は品物が取り出しやすいよう切り開いてある)、商品をレジまで運ぶ長いコンベヤー、そして店の中央に置かれた日用品の数々――。アルディでは店内のありとあらゆるものが、一般的なスーパーマーケットとは違っていました。それからしばらくはアルディへ行きませんでしたが、知人友人から高評判を聞いて、再度足を運ぶことに。2回目にして「何とユニークなスーパーマーケットなんだ!」と思いました。
では、そんなアルディにおいて経営の秘密はどこにあるのでしょうか。まずは何と言っても、価格が安いこと。アルディのオリジナルブランドであれば3割くらいは安くなっていますし、野菜や肉などの生鮮食品も、品物によっては半額に近い安値だったりします。もちろん競合店で売られているブランドも置いてあるのですが、例えば、有名ブランドのパンテーンシャンプーなどはおよそ半額ほど。
また、ここで注目したいのが、あまりメジャーではないメーカーの品。いつもの感覚であれば少々抵抗を感じたりするのですが、アルディは厳選なテストを行っていて「保証付き」のラベルを全商品に貼っています(上の写真)。不満があれば、期限付きではあるものの返却が可能。つまり、アルディ側でこれだけ安心対策を施しているおかげで、消費者は抵抗なく買えるというわけなのです。