ワールド
2018/6/25 11:00

究極のエコ容器!! インドネシア発、パッケージも丸ごと食べられる「Edible Packaging」

テイクアウトフードやコーヒー、スープのパックなど、プラスチックパッケージに入って売られているものは数知れず。これらは、開けてしまえばすべてゴミとなってしまいます。でも、もしこのパッケージまで食べてしまうことができたらゴミも減らせるので、最高のエコになると思いませんか? そんなことをやってしまったのがインドネシアのEvowareが開発した「Edible Packaging (食べられるパッケージ)」。このパッケージはお湯に触れると溶けてなくなるのです。

 

「リサイクルではなく、ゴミを出さない」――。そんな不思議なパッケージがエコ革命を起こすかもしれません。

 

プラスチックのリサイクルの悲しい現状

筆者がアメリカで生活していて驚いたことの一つに、ゴミの分別に対しての低い意識です。日本人は比較的にリサイクル意識が強く、ゴミは分別して捨てるのが当たり前になっていますよね。対照的に、現在、私の住んでいる地域では、ビン、缶、ペットボトル、燃えるゴミ、燃えないゴミは分別せずに、みんな一つの袋に入れて捨ててしまいます。

 

アメリカでは昨年、約500億本のプラスチックボトルが消費されました。しかし、リサイクル率はたった23%で、年間で38億本の飲料水ペットボトル(10億ドル以上のプラスチック)が浪費されています。

 

プラスチック廃棄物の問題はアメリカに限らず、アフリカやアジアの発展途上国で最も多く、特にインドネシアは世界第2位のプラスチック排出国です。これらの70%は食品と飲料のパッケージゴミから出ているそう。そんなインドネシアで誕生したのがEvowareのEdible Packagingです。

 

海藻に着目したEvowareの深い洞察力

Evowareはインドネシアのスタートアップ企業で、プラスチック廃棄物を抑制するために食べられるパッケージを開発しました。プラスチック廃棄物によるインドの深刻な海洋汚染を深く憂慮し、このアイディアを生み出したそう。そして原材料に選んだのが「海藻」でした。インドネシアにいる海藻農家の生計を向上させつつ、海藻からプラスチックの問題を解決するという新しい試みを持った企業なのです。

 

同社のEdible Packagingは、プラスチック廃棄物増加の主な原因である食品包装用プラスチックに代わるものとして活用されています。例えば、砂糖やコーヒーの袋、インスタント食品の調味料袋、ハンバーガーの包装、ストロー、シャンプーなど。

 

本製品は無味無臭、かつお湯に溶けるので、食品の味を邪魔することはありません。日本の食品でイメージするとすれば、「オブラート」のようなものでしょうか。さらに色や形、ロゴをプリントしたり、味をつけたりすることも可能なので、コップなどにはあえてフルーツ味をつけて、硬めのグミのような食感にし、飲んだ後にコップまで食べられるように工夫をしています。これは普段の生活以外にも、BBQなどのアウトドアでも活躍しそうですよね。

上述した通り、本製品の原材料は海藻です。当然、食べても身体に害はなく、それどころか、海藻の食物繊維やミネラル、ビタミンなどを摂取することができます。

  1. 1
  2. 2
全文表示