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2019/9/12 19:00

一般人より歯に気を遣っているのになぜ!? アスリートは虫歯が多いことが判明

トレーニング前後のケアから食事、睡眠まで、身体のことに人一倍気を配り、万全の体制で試合に望むのがアスリートたちです。でも身体への気遣いがあるのに、一般人よりもアスリートの方が口内環境が悪いという研究内容が最近発表されたんです。アスリートは虫歯が多い理由とは何なのでしょうか?

 

約半数のアスリートは虫歯持ち

今年8月にロンドン大学イーストマン歯科研究所の研究者が「ブリティッシュ・デンタル・ジャーナル」に発表した研究結果をご紹介しましょう。この研究ではオリンピック選手を含め、サイクリング、競泳、ラグビー、サッカーなど11の競技のアスリート352人を対象に、歯科検診やオーラルケアに関する聞き取り調査を行いました。

 

その結果、49.1%に未治療の虫歯があり、多くに初期の歯肉炎が見られ、さらに32%は口内の健康状態がトレーニングや競技のパフォーマンスに悪影響を及ぼしたと結論づけたのです。

 

しかし歯の健康状態が悪いからといって、アスリートたちが歯磨きなどの普段のオーラルケアをサボっているわけでは決してない様子。1日に2回以上歯を磨く人は、一般人では75%に対してアスリートは94%、フロスを行っている人は一般人では21%なのにアスリートは44%と、アスリートの方が一般人よりもオーラルケアを積極的に行っているのです。

 

アスリートに虫歯ができやすい理由は?

では、歯磨きやフロスなど普段から歯のケアをまじめに行っているのに、なぜアスリートには虫歯や歯肉炎の人が多いのでしょうか? この調査を行った研究者たちは、アスリートがトレーニングや競技中に摂取しているスポーツドリンクやエナジーバーなどに注目しています。今回の調査でアスリートの87%がスポーツドリンクを普段から飲み、59%がエナジーバーを食べ、70%がエナジージェルを飲んでいると回答しています。これらには糖分や酸が多く含まれ、それによって歯にダメージを及ぼしているものと見られるのです。

 

さらにトレーニングに集中して、口の中が乾いた状態となることも虫歯などのリスクを高めている要因のひとつと考えられるそうです。

 

今回の調査で、普段からオーラルケアを行っているのにアスリートには虫歯や歯肉炎などが多く発見されましたが、彼らはフッ素入りのマウスウォッシュを使用するほか、歯科検診を頻繁に受けたり、スポーツドリンクの摂取量を減らしたりして、オーラルヘルスの見直しを図っているとのこと。

 

トップアスリートではなくても、普段からスポーツを行ってスポーツドリンクなどを愛用している方は、歯の健康チェックを行ってみてもいいのかもしれませんね。

 

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