ビジネス
2025/1/30 19:00

「架空商品モール」はメーカーの救世主となれるか?「消費者の声×生成AI」で企画力不足のお悩み解決!

NTT DXパートナーは、メーカーの新商品開発を成功体験へと変える「新商品プロデュース事業」の一環として、生活者の「あったらいいな」をもとに生成AIが新商品アイデアを生み出す「架空商品モール」を2024年12月16日より開始しました。

 

架空商品モールから実際に商品が生まれるかも

架空商品モールの特徴は3つです。メーカーの技術力や特許をAIに事前に学習させることにより、技術力/特許を活用したアイデアを生み出せる「AI学習機能」。「生活者のよくある悩み」と「AI」を掛け合わせ、社内だけでアイデアを考えるよりも新規性の高い架空商品を数多く生み出せる「AIチャット機能」。生み出された架空商品のどれに多くの“欲しい”が集まるのかをランキング形式などで検証できる「テストマーケティング機能」。架空商品モールから生成された結果をもとに商品化の検討ができるため、需要予測が立てやすくなります。

↑はじめに架空商品モールの機能について、NTT DXパートナー「架空商品モール」プロデューサー(事業責任者)の朴 在文さんから説明がありました

 

↑架空商品モールは「AI学習機能」「AIチャット機能」「テストマーケティング機能」の3つの機能からなります

 

架空商品モールの仕組みは、まずメーカー側が作りたい商品ジャンルの決定、プロジェクトページの作成などをします。生活者はその掲載キャンペーンを確認し、架空商品の生成や投票を行います。そして架空商品モールは、生活者からの架空商品と定性情報をメーカー側へ提供。最後に、抽選や審査によってメーカーからAmazonギフトカードをキャンペーンに参加した方々へプレゼントします。

↑架空商品モールの仕組み

 

当日は「架空商品モール」に参加したメーカー4社が登壇しました。メトロ電気工業(愛知県安城市/こたつ用のヒーターユニットなどの製造・卸売メーカー)、福光屋(石川県金沢市/酒造メーカー)、ヤマトエスロン(大阪府八尾市/プラスチック総合メーカー)、森永製菓の4社。実際プロジェクトに参加してみると、企画力不足の解決、本当に需要があるのか検討する時間の削減などに役に立ったという声が上がりました。社内起点でのアイデア創出やアイデア創出までの時間が、生活者やAIによってアイデアの真新しさ・量、そして創出の時間が削減されることは、メーカー側にとってメリットはかなり高いです。

↑左からメトロ電気工業、福光屋、ヤマトエストロン、森永製菓。各社3つの新製品候補が上がっている状況でした。どのプロダクトが実際発売されるのか楽しみです

 

提供プランは4つ。生活者には謝礼も

架空商品モールが提供するプランは「トライアルプラン」「研修プラン」「総選挙プラン」「企画会議プラン」の4つです。

 

トライアルプランは、生成AIチャットボットを活用したメーカー社内向け商品開発の体験プラン。料金は25万円/2週間で、社内最大100アイデアまで。研修プランは、メーカー社内で商品開発会議をワークショップ形式で実施するプラン。料金は60万円~/回。

 

そして総選挙プランは、生活者から架空商品を募り、代表的な商品を選定のうえ、架空商品モールサイト上やXなどでの生活者による総選挙で需要検証まで実施するプラン。料金は90万円~/回で、2025年1月末まではキャンペーン価格の50万円~/回で提供します。

 

生成されたアイデアの知的財産権は、トライアルプラン、研修プランの場合はメーカー帰属。総選挙プラン、企画会議プランの場合はNTT DXパートナー帰属となります。総選挙プラン、企画会議プランで生成されたアイデアの知的財産権をメーカー帰属にする場合は、別途費用が発生。メーカーが希望する3アイデアまで50万円になるとのこと。

 

一方、架空商品モールに参加してくれた生活者には、「ものづくりの一端に参加できる」「自分のアイデアが商品化される可能性がある」などの体験価値を提供するほか、NTT DXパートナーより以下のAmazonカードの謝礼(3000円〜5万円)が渡されるとのこと。

 

新商品開発には、アイデア創出やテストマーケティングなど、どうしても膨大な時間を費やしてしまうもの。この架空商品モールを利用することは、消費者ニーズの理解やアイデア創出の時間などがスピーディーになることは間違いなさそうです。生成AIによって、一般消費者の生活が豊かになる商品開発を期待したいところです。