小型軽量が特徴のEOS Kissシリーズのなかでも、特に軽快なのが、このEOS Kiss X9だ。同じ“バリアングル液晶モニター仕様”のEOS Kiss X9iと比較すると、幅・高さ・奥行のいずれの数値も本製品のほうが6~8㎜程度小さく、重さも70g以上軽い。しかも、簡単操作がウリのファミリー向けモデルながら、前出のバリアングル液晶モニターの搭載を含め、基本仕様や撮影機能が大幅にレベルアップしている。その実力の程を見てみよう。
常用ISO感度や連写性能などがアップ!
バリアングル液晶モニターは、中級機のEOSや初級機のEOS Kissの大きな特徴だが、これまでは、特に小型軽量を追求したEOS Kiss X7やX80には搭載されていなかった。だが、X7の後継モデルといえる本製品では、ついにバリアングル化を達成。さらに、常用ISO感度が最高ISO25600にアップし、連写速度が約5コマ/秒になるなど、基本性能が向上している。
タッチ操作やフルHD/60pの動画撮影にも対応
背面モニターがバリアングル式になっただけでなく、タッチ操作にも対応。動画撮影機能もフルHD/30p対応だったEOS KIss X7から、フルHD/60pへと進化した。小型・軽量という点では、X7の約370gには及ばないものの、可動式モニターを採用しながら約453gに抑えたX9も十分立派だ。
タッチ操作&UIの進化で初心者でも迷わず操作できる
本機は、写真やイラストで各撮影モードがわかりやすく説明される「ビジュアルガイド」を採用。本格的な機能を搭載しつつ、一眼カメラ初心者でも直感的に操作できるよう配慮されている。
さらに、9つの雰囲気から好きな効果が選べる「クリエイティブオート」に対応。単純に雰囲気が選べるだけでなく、効果の強弱やボケ具合なども調節できる。操作は背面モニター左下の「Q」をタッチし、調整したい項目に触れるだけ。わかりやすく迅速に操作可能だ。
約5コマ/秒連写が可能で動きモノも撮りやすい
従来のファミリー向けモデルの連写速度は、3コマ/秒~ 4コマ/秒程度が一般的。だが本機は、最高5コマ/秒の高速連写が可能だ。わずが1コマの違いながら、体感的な差は大きく、スポーツや乗り物などの動きが速い、あるいは予測できない被写体や、一瞬のチャンスを捉えたい場合などにとても有効だ。
EOS Kiss X9はファミリー向けエントリーモデルという位置付けながら、上記のように普段使いのカメラとしては十分以上の機能を持った実力機なのだ。しかも価格やサイズ感も手ごろというのだから、本機の導入は総じて賢者の選択といえるだろう。