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2021/11/22 20:00

ヨーロッパ主導で始まり新世代によって変貌を遂げる「南アフリカワイン」の歴史と注目ワイナリー

3. ケープ地方ステレンボッシュ
− 南アフリカワインの中心地 −

ケープタウンから東へ50kmの距離に位置するステレンボッシュ。オランダの統治時代の名残もあり、ヨーロッパのような白を基調とした建造物が立ち並ぶステレンボッシュの街には、南アフリカで唯一、ブドウ栽培と醸造学を学べるステレンボッシュ大学があります。ケープの有名ワイナリーがこの地域に集まり、最高級クラスのワインの多くを生み出すだけでなく、教育と研究の中心的役割を担い、国内外で活躍するワインパーソンもこの地域から輩出されているのです。

 

南はフォルス湾、東にはホッテントット・ホランド山脈、北には隣接する産地パールとの境界にシモンズバーグ・マウンテンと、海と山に囲まれた産地ステレンボッシュは、山々の織り成す丘陵地帯と西側の平地にブドウ畑が広がり、ブドウ栽培に適した気候、砂質や花崗岩といったさまざまな土壌に多くの国際品種が植えられています。以前は南アフリカの代表的な白ワイン用ブドウ品種「シュナン・ブラン」が主流でしたが、今ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローといった、ボルドー品種やシラーが主流となりつつあります。ナパ・ヴァレーやバロッサ・ヴァレーのように気候や土壌は細かく分析され、ステレンボッシュはシモンズバーグ=ステレンボッシュ、ヨンカースフック・ヴァレー、パパハイバーグ、デヴォン・ヴァレー、ボテレライ、バンフック、ポルカダーイ・ヒルズの7つの小区画に分類されるようになりましたが、今のところエチケットにはほとんど表記されることはありません。それはナパ・ヴァレーに似て、単に「ステレンボッシュ」と表記する方が、完熟したブドウから堅牢な味わいのイメージを消費者に伝えやすいことが理由に挙げられます。

 

南アフリカのワインの特徴として多くの人が挙げるのは、ヨーロッパがワイン造りを主導したため、カリフォルニアほどのパワフルさはなく、ヨーロッパとアメリカの中間に位置するようなエレガントさと力強さの両立です。ステレンボッシュのカベルネ・ソーヴィニヨンもまた、ボルドーとナパ・ヴァレーの優れた側面を併せ持ったワインがこれからより生み出されることが期待されています。もちろん価格は、そのどちらよりもリーズナブルなところも、南アフリカワインの大きな魅力です。

 

Le Riche Wines(ル・リッシュ・ワインズ)
「Cabernet Sauvignon2017(カベルネ・ソーヴィニョン2017)」
3900
輸入元=ラフィネ

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